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SEALANE SE54-MBK

MOTO-Rが来てからやや腕時計熱が高まってきた。といっても自分は「時計コレクター」でもないし特別に「時計好き」という訳でもない。高級時計に興味があるわけでも無ければ、何か特定の機種が欲しいわけでも無い。
ただ、春というのは色々と生活リズムの切替の時期であり、「なんとなく気分を換えたい」という意味で衝動買いになりやすい。さらに、この春はこの変化が大きい訳で、なにか、こう、いろいろと、釈然としない部分があって・・・要するに「新しい玩具が欲しい」だけなのかもしれない。

常用の機械式時計が欲しい

SEALANEブランドを見つけたのは、MOTO-Rがバイク用で近いコンセプトのライダースウォッチとしてSE53(傾斜ダイヤル)を見つけ、ここが自動巻き時計を作っていることを知ったからだ。
思考の流れは、MOTO-R → ライダース → SEALANE(機械式ライダース)。

機械式時計としてはKENTEXにも興味はあるが、いろんなメーカーが気になるのが人情ってもんでしょう。

SE54 と SE53

ライダースウオッチ風のSE53とちょっと悩んだが、「無理に傾斜ダイヤルを選ぶ必要は無い」ということでSE54になった。
あと、傾斜ダイヤルだとメタルバンドで「デスクトップスタイル」(今勝手に命名以前の記事参照、置き時計替わりに使う)にしても斜めになってしまう訳で、仕事(今の職場は私服1勤務)でも使うことを考えると普通のSE54かな、と。

最終的に店頭で現物を見比べて、やっぱりSE54-MBK(ブラック文字盤)をヨドバシにて42,000円で購入。

https://www.yodobashi.com/product/100000001002579807/

レビュー的な物

ケース、ベゼル

重い(204g)。分厚い(16mm)。塊感。

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「SEALANE」というブランド名もあって、ベゼルのリベット風装飾と分厚い風防が、船か潜水艦の丸窓を連想する。側面から見るとコロッとしたカプセルのようなイメージを持つ。 でも20気圧防水であって200m潜水防水ではない。まぁ、裏スケ(シースルーバック)なんでそこらへんは期待はしない2わな。

ダイヤル(文字盤)、風防

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ウエットカーボンの文字盤に白文字で真正面からの視認性はそれなりに良い(後述)。
全体的に青みがかったように見えるが、ガラスの風防の反射みたいだ。ガラスの縁が盛り上がっているので、この部分から光が入って青く見えるのかもしれない。ちなみに青文字盤は別型番(SE54-MBL)で存在する。
公式サイトではインデックスのN夜光(スーパールミノバ)を強調しているが、これといって「すんげー明るい!」って感じはしない。
ダイヤルの数字(12時、2時、4時、6時、8時、10時)は時計ではわりとよく見かけるフォント。SSC137P1と同じものだな。ミリタリー風時計で選択されがちなフォントかもしれないが、このフォントをつかった掛け時計(実用的な奴)を見た記憶がある。

時計本体がゴツいが、このダイヤルがちょっと「かわいい」というか「コミカル」な感じを付与している気がする。
大径なので置き時計的に使うと良い感じに見える。

リュウズガード

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いやぁ、ゴツい。
ケース全体のゴツブトなイメージに合った、これまたゴツいねじ込み式リュウズガードが左側に。キャップのように被せるタイプで、その分、中のリュウズの頭の径は小さくなってしまう。ガードの径は太いし、滑り止め加工のおかげで回すときに軽い力で回すことが出来る。ゴムパッキンが根元にあるので清掃時にはシリコンスプレーで掃除すればノーメンテより防水性もあがる。ねじ込み式リュウズよりメンテはしやすい。
ガードのホルダーはスライド式で付け外しがスムーズ。削り出しでこれまたニヤニヤできるポイント。意匠登録済みだそうな。
形状としては「レフティ」だけど、これだけ出っ張り部がデカいとなると、そもそもケース右側に付くのはあり得ないな。

標準バンド

本体のイメージに合わせて重めのステン無垢。ラグ幅(カン幅)は22mm。
特別に良いか?と言われると取り立てて特徴は無い。ただし中留め(バックル)の金具が削り出しなのはガッチリ感があっていい。弓カンではなくエンドピースなのもいい(バンド交換をするときに弓カンとの取り合わせを考えなくて良い)。
本体の重さと厚みがアレなので、メタルバンド以外、例えばレザーとかに付け替える事を考えると、それなりに分厚くてゴツい感じの奴が良さそう。NATOストラップは薄すぎるように感じるかも。

SII NH35A

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ムーブメントの型番は「SII NH35A」。
SII(セイコーインスツル株式会社)」は「SEIKO」のグループ会社のはずだが、他のSEIKO製ムーブメントとの差別化ってどうなってんだろうか3
裏スケから見えるムーブメントは特に見栄えの良い細工加工がしてあるわけじゃなく、工業製品然とした「そのまま」な状態。廉価なSEIKO 5だってもうちょっと「色気」があるんだから・・・。まぁ、自分としては「動いてるのが見える」ということが重要だが。
以下、手持ちの機械式がSEIKO 5のムーブメント「7S26」しかないので必然的にそれとの比較になる。

SEIKO 5と比較すると、ローター(分銅)の回り方(つまり巻き上げ)が固いように感じる。裏スケを見ながらローターが回る方向にケース本体を回していくと、SEIKO 5はローターが重力に従って「スルスル」とスムーズに下がるのに対して、SE54は「グイッ、グイッ」と重さでもってなんとか回してます!って感じになることがある。ただ、この挙動は常にそうではなく、「回してる感」の軽さに差がある。ゼンマイの巻き上げ状況で変わるのか?

2段式リュウズの引きは軽い。

  • 0段目:手巻き(時計回り)
  • 1段目:デイト送り
  • 2段目:時分針送り(秒針ハック)

秒針ハック(秒針強制停止)があるので時間合わせはSEIKO 5に比べたら格段にやりやすい。自分は時刻差(日差)を気にすることは特にないがこの記事を書くに当たってザックリと計ってみた。通常使用でおよそ日差+10秒程度の感じ。これは定置ではなく実際に使っての話。ガソリンエンジンで言うところの「カタログ燃費」に対する「実用燃費」ってイメージで。

以前書いたように、自分は仕事中(キーボードを叩くとき)は時計を外しておいて、時計は立てて置き時計替わりに使っている。朝一で20回転ほど手巻きで巻いて(ついでに時刻合わせ)はいるし、席を離れるとき(休憩や打ち合わせなど)にはかならず着けて席を立つけれども、つまり一日のうちの半分は腕に着けていない=巻き上げられていない。それでも翌朝までは動き続けているので、燃費はまったく問題にならない程度で使えるということになる。
やっぱり、日常生活なら自動巻きで十分じゃね?(前フリ)

後から気になる(ネガティブ要素)

使い始めは珍しさもあって気にならなかったことでも、見慣れてくるとネガティブな要素が見えてくる。

カレンダーの配置

4時位置より少し下にあるカレンダーの位置がなんか微妙な感じに見えてきた。
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きっかり4時位置ではなく、ちょっと下にずれている。きっかり4時方向だと4の数字が完全に潰れることになるためそれを避けたのだろうか?それならそれで4時の数字を潰してしまっても良かったのでは?あるいはいっそ、バーインデックスになっている3時方向にしてしまえばすっきりして良かったのじゃ・・・?

風防の厚み

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風防がケースから壮大に盛り上がっていて、その形が台形にカットされている。天面はフラットだから、強度上の設計ではなくデザイン上の意匠ってことだと思うが、この台形のせいで文字盤の端(目盛)が見る角度によっては見えない。真正面から見る分にはまったく問題ないが、それでもちょっと角度がズレると真っ先に目盛が隠れる。
そもそもだけど、この風防のガラスのカット、何のためにあるんだろう?

分針の長さ

f:id:obally:20190424205548j:plain 分針がダイヤルの大きさに比較してちょっと短いという所が気になる。秒インデックス(一番細かな目盛)の先端から針の先までの距離が遠い。つまり分針先と目盛が開いているので、細かく見ようとすると、「今何分なのか」が解りづらい。もーちょっとだけ、あと数mm長い、あるいは先端が尖っていれば良かったなぁ、と。
考えてみれば、今まで購入するときに無意識にそこらへんを見て選んでいたような気がする。

バンド6時側のバネ棒の穴

今回の記事のシースルーバック撮影のため、バンドを外したときに気がついた。

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なんかバネ棒が全然抜けないんですけど・・・(汗

バネ棒が入る穴とバネ棒の隙間にゴミが詰まって固着した可能性はあるが、それにしては固すぎる。そもそも何年も使っているならともかく、買って1ヶ月も経ってないのでさすがにそれは考えにくい。
他に考えられる原因としては「バネ棒が内部で歪んでしまった」とか?本体が重いので考えられなくもないが、そこまで強度の低い部品でも無いだろうし・・・。

いずれにしても、バネ棒を破損せずに取り出すことは難しそうだ。バネ棒の直径は1.8mm。手持ちのバネ棒は長さ20mm直径1.5mmばかりなので、交換品を入手できるまでとりあえずそのまま使うしか無い。様子見

半衝動買いだったが・・・

今回は半分衝動買いで、ほぼ直感で深く考えずに購入に踏み切ったため、思いがけないところでネガを見つけてしまった(特に分針の長さの件)。どんな物でも、ある程度使っていけば良い点悪い点はそれぞれ出てくる物だが、今まで無意識に選択条件として「これはアリ/これはナシ」のフィルタを適用して選んでいた(前フリ)わけだ。今回はそのフィルタを厳密に適用せずスッ飛ばして購入したので、改めてその部分が浮き彫りになったと。

でも、まぁ、それが衝動買いってもんだろう。

値段も自分の基準である「5万以下。腕時計ならこの値段までなら買っても良い」リミットを下回っていたし、全体的がダメな感じではない。今後、自分が別の時計を買い足したとしても、ここまで「ハズした」時計を買うことは無いだろう。ということで、スタメン入りとする。


  1. 結構ラフな格好でもOK。

  2. 逆説的に、「機械式ダイバーズウォッチの裏蓋がシースルーバックが無いのはなぜか」ってことだ。

  3. どうやら、SII自体はSEIKOの製造を請け負っていて、SEIKO製品に組み付けるものはSEIKOブランドのキャリバーとして、ムーブメントを外向けに販売する場合の製品はSII名義になるようだ。