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バーインデックス

ほぼ前回の続きになる。

「バーインデックスってどうなの?」

ここ最近立て続けに更新した腕時計ネタ。

Q:これらの共通点は何?
A:すべてアラビア数字文字盤

ということで、今まで購入した時計はすべてアラビア数字の入ったインデックスになっている。

こちらももう先に結論を書いてしまおう。

結論:「意外といけたんで大丈夫」

バーインデックス・ドットインデックス

今見かける腕時計の半分から1/3ぐらいはバーインデックス、またはドットインデックスの文字盤である。文字盤の種類はいろいろあるようだが、ともかく文字盤に「何時」が入っていないものがある。
この手の文字盤(というかインデックス)の一般的な名称はこんな感じらしい。

  • バーインデックス=数字が無くて線
  • ドットインデックス=数字がなくて丸とか点とか

じゃぁ、アラビア数字や、ローマ数字の入ったインデックスはどう呼ばれているのか・・・がいまいちはっきりしない。「アラビアン」「ローマン」みたいな記述のサイトは見つけたものの、そのサイト以外には無いので、もしかすると一般名称として確定した物はないのかもしれない。

ということで、ここでは「数字が一つも入っていないもの」をバーインデックスとする。そういう意味ではドットインデックスも「形状が違う」だけで同じだと考える。

「バーインデックスは見づらい」のか

「文字盤はアラビア数字付きのインデックスであるべき」
「バーインデックスは見づらい」

自分は、なぜかずっとそう思い込んでいた。
これは何かの「刷り込み」なのなんなのかは判らないが、いつの間にかそう自分の中でできあがっている。

本当にそうなのだろうか?

この考えにたどり着いたのはSEIKO 5 SNKE93J1を購入したとき。

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再登場

12時と6時以外はアラビア数字の無いバーインデックス。すっきりして見やすいと思う。だが「すっきりして見やすい」のならバーインデックスのみのモデルの方がよほどすっきりしている。
もちろんSEIKO 5にはバーインデックスのみのモデルもたくさんある。しかし自分は自動的にそれらを選択肢から排除していた。無意識にだ。

本当に「バーインデックスは選択肢から排除するほど見づらい」のだろうか?

手近なところでバーインデックスの時計をしている知り合いに聞いたら

『ん~、慣れ?』

あー、やっぱ来ましたかー、「慣れ」っすかー・・・

試してみればいいじゃない

「バーインデックスは本当に見づらいのか?」を自分で試してみたいだけだが、もちろん持っていないので試せない。持ってないなら、手近で見つけて一番安いバーインデックスのアナログ時計を買えば良い。
もう世の中には「チプカシ」っていうお手軽で素晴らしいものがある。

ということで、買った。

Q&Q Falcon D020-031

(Q&Q公式サイトにラインナップがない・・・)

www.biccamera.com

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  • チプカシ・・・じゃなくてチプ“シチ”
  • アナログ、バーインデックス
  • 電池クオーツ
  • カレンダー:デイト(日)表示
  • ラグ幅(カン幅):18mm
  • ビックカメラにて1,479円(税込)にて購入。

カシオじゃねぇよシチズンだよ、ということで「チプシチ」。「チープQ&Q」とは呼ばれないのはそもそも「Q&Q」ブランドがシチズンの最廉価ブランドだからか?
ビックカメラとかヨドバシ(東京都内は至る所にこの2大量販店があって便利だよねホント)の廉価時計コーナーに大量にぶら下がっている中で、パッと見つけたので即購入。あとからデイト表示の無いさらに安い奴を見つけて「しまった、こっちにすれば良かった」とやや後悔。価格差300円ぐらいだったけど。

ぱっと見、「普通のバーインデックスの時計」である。視認性を上げるような装飾も無くすっきりしている。これなら純粋にバーインデックスそのものの視認性を確かめることが出来るだろう。

アリゲーターレザーバンドに見えるビニールバンド。近くで見ると安っぽいが、遠目から見たら・・・まぁ、「安っぽいんじゃ無くて安い」んだからいいか。以前書いたように、自分は仕事中は腕時計を外している。頻繁に付け外しすることになるので、普段使いでは付け外しがしづらい尾錠のバンドは避けたいが、この標準バンドは固くて巻きにくい。ラグ幅18mmの換えバンドも無い

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と、思ったら、チプカシ1から取り外したウレタンバンドが余ってたのでこいつを付ける。標準バンドより柔らかいだけマシ。
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ま、黒だし、良く見なければ気がつかれないだろ。

この状態で3日ほど使ってみた。

「慣れ」

で、やっぱ「慣れ」だ

その通り「慣れ」で問題なかった。この辺は、前回「傾斜ダイヤル」で書いた話と繋がってくる。

前回は「見慣れてりゃ傾斜してようがしてなかろうが問題ない」。
今回は「見慣れてりゃアラビア数字が載ってなくても問題ない」。

「慣れ」って、繰り返すことで補完したりして、脳がそれに最適化して、効率の良い処理に更新することだ。

腕時計を腕に付け慣れることで、「腕に付けた時計の12時位置は左腕の外側」だと(無意識に)補正される。だから、腕に付けた時計の文字盤を読んだとき、視界に入った時計の文字盤の時刻を読むことが出来る。

そう、腕に付けているならな・・・

この「慣れでなんとかなる」には、「ただし・・・」がついてくる。
つまり、腕に付けていない(手に持った状態等)だと(バーインデックスの時計ではどうなるか?

ただし・・・

何度も書いているように、自分は仕事中は腕時計を外している。この時計はメタルブレスでは無いので立てて置くことが出来ないし、付け外しの度にバックルを留めるのが面倒なので、バックルを外した状態で机の上に適当に転がしていた。
あるとき、不意に「ちょっとごめん、あの件なんだけどさ」「ちょっと来てもらえない?」ということで急ぎの打ち合わせが入った。
急ぎ会議室に向かうためにバタバタとノート、筆記具、あと一応POMERAを持って、その流れでいつも通り時計を無造作に手に取って、腕にはめようと何気なく時間を確認して、「あれっ?時計の時間すげー狂ってんな、やっぱり安い奴は・・・」

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当時の状況の再現です(なのでバンドが標準に戻ってる)

なんのこたぁない、逆さまに手に取っただけだった。

ちょっとだけ「うっ」となって(2~3秒)から逆さまに持っている事に気づいたが、カレンダー窓が右では無く左にきていたことに違和感を覚えたのでまだ良かった。この時計をもっと長期間使って文字盤をもっと見慣れていれば、カレンダー窓の位置からもっと早く気がつけただろう。
この時計のインデックスは、12時のインデックスとその他のインデックスのサイズがほとんど同じ(よーく見ると12時のバーがほんの少しだけ太いが、ぱっと見ただけでは絶対に気がつかないレベル)。バンドの取り付け位置から「上または下」つまり「Y座標」の方向は判るので何気なく手に取ってそのまま読もうとしてしまったわけだが、文字盤に「上下」が明確に記されていればそんな事は発生しないだろう。

腕に付けていれば、時計の12時位置は左腕の外側だと(無意識に)補正されるはずだが、このように突発的な状況の場合、「やらかす」可能性が無くは無い。

逆に言えば「バーインデックスでも12時が強調されていればイケる」ということでもある。

もちろん、数字が振ってあれば、補正強度はもっと高くなるのは間違いない。「時針が6と7の間を指していれば6時から7時の間」ということは自明なんだし。ミリタリー系ウォッチがほぼ例外なくアラビア数字なのは、そういうことなんだろうね(そしてそんな本物ミリタリー時計で傾斜ダイヤルが存在していないのは前回のネタの補強)。

結論

  • バーインデックスでも問題ないけど、アラビア数字の方が判りやすい。
  • バーインデックスなら12時位置のインデックスがはっきり大きい(強調されている)方がいい。
  • さらに6時、3時、9時が(12時より弱く)強調されていればなお良い。

終結論:バーインデックスでも大丈夫

積極的に選ぶ理由があるかと言われれば無いけど、どうしても欲しい時計がバーインデックスでも、まぁいいかな、って感じだろうか。

自分の認識は「バーインデックス要らない」から「バーインデックスでもいいかな」にアップデートされた。

前回の傾斜ダイヤルのネタとバーインデックスのネタは、よくよく考えると共通点が多いので一つの記事にまとめるつもりだった。(長くなったので分割したけど)

「傾斜ダイヤル」では、

  • 「腕時計」のフォーマットはすでに「一般的な形態」になっている。
  • 「一般的な形態」に人は『慣れ』ることで、脳内での「補正」が入る。
  • 「補正」のおかげで一定条件下であればわりと時刻を読み取れる。

今回で、上記の「一定条件下」というのが、

「12時位置が文字盤上に強調されている事」

である、とはっきりした。

「自分の固定概念の再認識と排除」

「考えてみりゃ当たり前だろ?」な事を長々書いたわけだが、自分にとって 「アラビア数字ダイヤルじゃなくてもいい」 という所をはっきりさせるために必要な実験だった訳で。何事もやってみないと納得できないことはある。
ともかく、自分の固定概念が解消され、今後時計を選ぶときの選択の幅が広がったという・・・

よし、これでアラビア数字表記無しの時計を躊躇無く買えるね!

やっと「前フリ」が終わった・・・。


  1. 思うところあってチプカシを購入しているが、そのネタはまたそのうち。