passive log strage

バイク , モバイルガジェット , アウトドア用品 , 腕時計 ・・・等。

Alpha Industries ALW-46374(とコンシールドウォッチバンド)

コンシールドウォッチバンド

コンシールドウォッチバンドというものがある。

www.google.com

軍用用途だと時計の風防が反射したり、夜光の明るさによって敵に見つかる可能性があるため、時計にカバーを付ける・・・ということらしいのだが、本当にこんな物が使われているかどうかはわからない。
サバゲー用途でいえば、BB弾があたって時計の風防が割れたりすることはあるようなので、保護という観点からこういったものを使うことは考えられる。特に会敵距離が近くなりがちなインドアフィールドだと、

「曲がり角で正面同士で会敵、反射的にトリガー引いたら手元にヒット」

というパターンは多い。ハンドガンだとどうしても手が一番前に来るので手から腕に対するヒットは避けられない。
シューティングレンジでも跳弾が自分に来るという経験は何度かしている(レンジでも保護めがねは必須)ので、スピードシューティングの練習中は時計を外していた。まぁ、重い時計を手首に着けておくのはちょっとね、ってのもある。

んで、バンドを色々探していたら「コンシールドウォッチバンド」を思い出したんだけど、一本が1000円以下と安いので買ってみた。
マジックテープで留めるタイプのもの。バンド幅は20mmだが、バンド部分は柔らかいナイロン素材なので18mmぐらいなら通る。ただし、カバー部分の幅と長さが短いので、大径の時計は使えないとなると、バンドに合う時計が欲しくなる。

試しにビックカメラでチプシチを買って試してみたが・・・

f:id:obally:20191109221115j:plain

うーん、これはこれで「手頃な時計がこれしか無かったので仕方なくコンシールドバンドに付けた」感1があって悪くないのだが、なにか物足りない。

Alpha Industries ALW-46374-10R

ということでミリタリーな感じで安い時計を買ってみた。

  • MA-1やN-3Bなどでおなじみの ALPHA INDUSTRIES ブランド
  • 7,128円
  • 電池式クォーツ(Cal.不明)
  • ダイヤル(白・黒)、ケース(BK・OD・ブルー)などカラーバリエーション有り
  • マニュアルと保証書は日本語

ディスポーザブルウォッチ」

米軍の支給品として決められた「MIL-W-46374」という規格(MIL spec)がある。

MIL-W-46374 - Wikipedia

これは米軍の腕時計としての規格だが、ベトナム戦争の時期にMIL-W-46374に準拠した「ディスポーザブルウォッチ」が大量に製造された。

当時はまだ機械式時計が一般的だったが、戦場で精密な時計の修理やオーバーホールを行うのは難しい。「ならもう壊れたら新しいの支給すりゃいいじゃん」というディスポーザブル(使い捨て)の思想である。
米軍は兵を大量にベトナムのジャングルに送り込む必要があったが、それにともない特に個人装備として大量の物資を製造する必要が出てきた。そうなると実用上問題ない範囲で最も低コストになるように割り切った製品が求められる。「現場で修理するより新品を供給した方がコストが低い」という割り切りだが、米軍はこの手の合理化がすごい。高級感はまったく無いが、ともかく実用性だけは高い、みたいなもの。

・・・というのが俺の認識だけど実際の所はどうだか知らん。

MIL-W-46374 では改訂やバリエーション(末尾A~Gまで)があるようだが、ALW-46374はどれがベースになっているのかまではわからない。

ALW-46374シリーズはあくまで支給品の雰囲気を継承しつつ復刻したものだが、ダイヤルにブランドロゴは入っていない。そもそもMIL-W-46374はメーカーやブランドロゴが文字盤にない。MIL-W-46374をデザインの源流にもつ腕時計のメジャー所としてはTIMEX CamperシリーズやHAMILTON khaki-fieldがあるが、どちらもダイヤルにメーカーロゴが入る。そういう意味では ALPHA はMIL-W-46374はMIL-W-46374に(雰囲気としては)もっとも忠実かもしれない。

オリジナルは機械式(手巻き)だったそうだがMIL-W-46374ではクォーツは(ほとんど)想定されていないようだ。まあ、今は機械式よりクォーツの方が安いし使い捨て感はあるのである種の現代解釈といったところだろうか。

ちなみに、ALPHA INDUSTRIESのライセンスを扱うEDWINが企画、東海時計商事という会社が生産2・販売しており、本家ALPHA は関与していないようだ。つまり日本発の時計ということになる。

買ってみた

黒ダイヤル、黒ケースが欲しかったが、そうなるとバンドはオレンジになってしまった。まぁバンドは付け替えれば良い。

f:id:obally:20191022210333j:plain f:id:obally:20191022210359j:plain f:id:obally:20191022210524j:plain f:id:obally:20191022210551j:plain

アンボクシング。
化粧箱のような立派な物では無く、直方体のボール紙の箱に丸めた紙を緩衝材としてそのまま入っているという徹底した雰囲気づくり。オリジナルもこんな感じなのかは知らない(多分ビニール袋に入ってる程度だと思う)

f:id:obally:20191022210658j:plain

腕に着けた第一印象は「クソ軽い」。普段が機械式ばかりだからなぁ・・・。

ケース、バンド

f:id:obally:20191022211927j:plain

ケースは「グラスファイバー混ポリカーボネイト」だそうだ。もちろんオリジナルも樹脂製だが素材まで同じかどうかは調べていない。
ラグがバネ棒ではなくケース一体型で割り切った仕様。これでは引き通しベルトかNATOストラップしか使えない。
付属しているのはNATOバンドだが、米軍はNATO G10ストラップではなく引き通し(一本通し)のはずなので、どうせ雰囲気にこだわるなら一本通しを付属して欲しかった。
一本通しならマラソンのMIL-SPEC バンドがあるが、20mmと16mmはあっても18mmが無い。まぁ、NATO G10の方が選択肢は多いし安いからNATOでいいか。

f:id:obally:20191022210912j:plain

オレンジはさすがに派手なので、一本500円程度(2本セットで1000円)の18mm幅NATOを追加で買ってみた。

f:id:obally:20191109221306j:plain

ダイヤルにメーカーロゴが無い代わりに裏蓋は大きくALPHAを強調している。はめ込み式なので「こじ開け」で比較的簡単に外して電池交換ができると思われる。

f:id:obally:20191022212004j:plain

日常生活防水なのだけど、これはどうなんだろう?解説によるとオリジナルの防水性は「水深6フィート3インチ(約190cm)」だそう。つまり0.2気圧程度3なので、まぁほぼほぼおなじようなもんだろう。 日本での日常生活では十分だが、ベトナムの高温多湿の環境で本当に使い物になったんだろうか?という疑問がでてくる。これは ALW-46374 というより MIL-W-46374に対する疑問だが、あくまで「使い捨て」ということで許容されたのかもしれない。
まぁALW-46374はあくまでレプリカだから、そこを考えてもしようがないか。

風防

ボックス風防なので盛り上がっている。盛り上がっているしアクリルなので傷は着きやすいだろうが、アクリルなら磨いて傷を消すのは簡単だ。逆にガラスだとそれなりのコンパウンドなりなんなりが必要になってくるので、価格と合わせてディスポーザブルとしての落としどころだろう。
しかし昔の時計はボックス風防が多い。自分はあまり利点を感じないのだけど、なにか実用的な理由があるのだろうか?
 

ダイヤル、ハンズ

30mmという小さなダイヤルで視認性をたかめるため最大限に工夫されていると感じるミリタリー物はメーカーやブランドのロゴが無いため余分な情報が入らず、はっきりとしたアラビア数字で読み取りやすい。
時針短針の先端は尖っていて解りやすい。価格帯が同じのTIMEXも候補に上がったが、針の形状とロゴの有無が決定打になった。
インデックスと針は夜光が塗布されているはずなのだが、特にインデックスは極端に暗いので「ほんまにこれ夜光か?」って感じ。部屋を真っ暗にしたらたしかにほんのり光っているように見えるが、夜光としての実用性は皆無(というか明るさがガチすぎなダイバーズが自分の基準になっているので)。オリジナルはトリチウムだが流石にそれは今時は難しいだろう。
とはいえ、自分は好みでは無いが白ダイヤルのモデルもあるので、日常使いの実用性は十分じゃないだろうか?

着けていて1つだけ気になったのが、時針と分針の太さがほぼ同じであること。

f:id:obally:20191109221412j:plain

こんな感じで斜めの角度から見たとき、時針の位置によっては時針と分針の区別が一瞬付きにくい(この時の時刻は10時14分)。時針の太さを分針と変えるとか形状を工夫するとかやりようはいろいろあると思うのだが。垂直に見れば問題ないといえば無いんだが、ちょっと気になる。

ムーブメント

MIYOTA製らしいがキャリバーは不明。
クォーツのステップ運針の宿命として、どうしても秒針の針ズレが発生する、というかしている。12時はセンターに来ているが、まぁ「仕方が無い」とするしかない。

ポジ要素

  • ともかく軽くて小さい
  • 見やすいダイヤルとインデックス

ネガ要素

  • 夜光が暗い
  • 分針と時針の太さ問題
  • 引き通しベルトしか使えない
  • 日常生活防水

「使い捨て」「ミリタリー」という雰囲気重視

シューティングレンジとサバゲを理由に買ってみたわけだが、あくまで気分の問題であって実用上はチプカシで良いんだが、そこはほら、ロマンみたいなものだ。
現在新品で機械式手巻きのオリジナルを入手するのは難しい、というか不可能だろうしあったとしても非常に高価なはずだ。本来の「ディスポーザブル」ということを考えるとまともに生存している個体は少ないと思われる。そんなものを普通に使うの無理だろう。それなら「雰囲気を楽しむ」程度で安いものに止めておいた方が気が楽だ。
軽いのでレンジシューティングで使おうと思うが、どうせプレイ中は時刻なんてほとんど見ない。というかレンジシューティングでベトナムレプリカってのも違うんだけどね。サバゲーでミリタリー雰囲気を味わうには防水が日常生活防水なのはちょっと気になる。まぁアウトドアフィールドで雨でプレイ4することはないだろうけどね。ゲームによっては「ベトナム戦」をモチーフにしたものもあるようなので、そういうコスプレ的にはマストじゃないかと思う。

現代において「ディスポーザブル」を考えるともっともそれに近いのはチプカシやチプシチだが、あれは雰囲気的にミリタリー感は無い。現在実際に戦場で使われるのはG-SHOCKだったりスントだったりらしいが、それはそれで微妙な感じ。

まぁ、ALW-46374は 気分を盛り上げるグッズ程度でいい。ガチな物が欲しいほどミリタリーファンって訳じゃ無い。

MIYOTA Cal. Super2035 (追記:2019/11/29)

電池が切れたので裏蓋を開けて電池型番を確認。
f:id:obally:20191128012621j:plain

やはりMIYOTAだった。キャリバーはCal. Super2035。

miyotamovement.com

別のモデルで『Super』の付かないCal.2035があり、スタンダードの月差が±20秒なのに対してSuperは±15秒とちょっと良いキャリバー。
電池はSR626SW

f:id:obally:20191129013731j:plain

ヨドバシカメラで490円ぐらいだった。
f:id:obally:20191129014046j:plain 裏蓋を開けてスペーサーを外す。ダイヤルごとムーブメントが中で滑るので、変に力を加えて巻き真を曲げないように注意。

f:id:obally:20191129014425j:plain

電池を交換して裏蓋を付ける際、裏蓋の凹みと巻き真の位置を合わせること。
交換して無事稼働再開。

購入して一ヶ月で電池切れとなったが、初めから入っている電池は「モニター電池」で稼働時間の保証対象外。こういうこともあるので、ある程度自分で電池交換できるほうが良いわけ。

MIL FORCE コンシールドウォッチバンド

バンドの方のレビューもしておこう。

f:id:obally:20191109222319j:plain

買ってみた

ブラックとOD両方買ってみたが、サバゲで使うならOD、レンジシューティングならブラックか。サバゲだと黒一色というのは意外に目立つ。

f:id:obally:20191022212224j:plain f:id:obally:20191022212243j:plain

腕に固定するのはマジックテープ。カバーの固定もマジックテープ。すべてマジックテープ。
時計を取り付けるバンドは20mmだが柔らかい素材なので18mmも通せる。

f:id:obally:20191109224345j:plain

厚さ11mmのALW-46374だと盛り上がり加減はこんな感じ。幅もきっちりバンドの幅に隠れる。
ラグ間が長い時計はこのバンドだと収まらない。 サイズ感的にはMM200がギリギリ収まる感じ。

f:id:obally:20191109222450j:plain f:id:obally:20191109222504j:plain

よく分からないのが、カバーを留める内側にマジックテープが着いているが、表側にもマジックテープの雄側がついている点。
表側についているとするとカバーを開けた状態で固定することが考えられるが、対応する反対側の雌側のマジックテープがついていない。

f:id:obally:20191109222526j:plain

カバーを反対側いっぱいに引っ張ればなんとか腕に巻く側のマジックテープに半分ぐらい届く。

f:id:obally:20191109222646j:plain

この使い方で良いんだろうか?説明書もなにも無いのでよくわからない。

バンドの幅が広いため圧迫感がない。マジックテープなので微調整も可能。普通に動く程度では剥がれたりしない。

特定用途向けだろうな

マジックテープが袖にひっついてしまうのでさすがに普段使いにはできない。
軍用時計向けなのでウェアの外に巻けるので一瞬バイク用に使えないかと思ったものの、毎度カバーを開けなければいけないのはバイクだけでなく日常生活で使いづらい、そもそもカバー開けるのに右手も使うって腕時計の意味が無い。
用途としてはやはり「風防の反射防止」「夜光のが漏れるのを防ぐ」「風防の保護」が必要になる場合に使うのであって、普通の人は不要な特殊用途向けだろう。
しかし、こういったバンドを本当に使っている、または使っていたんだろうか?ミリタリーグッズは「軍で採用」とかって話はわりと眉唾というか「実体はそうじゃない」みたいな話が多いので正直「嘘くせぇ」と思いつつ、風防の保護という点では実用性はありそうなので使うつもりではいるけど。

「シューティングレンジ・サバゲー用」と書いたが、実のところここ最近はレンジにもサバゲにも行っていない。関東ならフィールドは多いし、以前参加していたATPF(東海TK1は消滅したようだ)やN-IDPAもまだあるのでこれを機に復活させてもいいかもとは思っている。問題はそこまで自分の心の余裕ができるかって所だが。

当面はFPSプレイするときに気分盛り上げグッズとしてつけようかな?


  1. 民兵ゲリラかなにかかな?

  2. 製造は香港。香港は時計の生産地としてはメジャー。

  3. 10m潜ると1気圧。JIS規格で「日常生活防水」は2~3気圧、水深なら20~30mとのことなのでオリジナルより防水性は高いということになる。また、現在国内メーカーの時計で「非防水」というものはほぼ存在していない。

  4. サバゲで使うエアガンはほとんど電動なので水濡れ厳禁。