あけましておめでとうございます。まだ1月なのでギリお正月だよ(無理
CT125ネタを更新したいのは山々だけど、ネタが拡散的でまとめられるほど距離が伸びておらず慣らしがまだ終わらない。発注済の電装系パーツも揃っていない。バッテリーやその付近のウィンカーリレーにアクセスしたいのですべて揃ってから進めたい。
ということでパジェミネタを。
Obally、齢四十にして初めて四輪を所有する、の巻
俺「転勤になったんだけど、車どうしようか悩み中なんよ」 店長「あっちの方やと四駆やないとキツいぞ?坂を登れん。」 俺「うん、でもまた新型ジムニー予約して待ってもいつ入るか解らないし、 安い四駆っていっても地味に高いし」 店長「んー、ほいだら、うちのバックヤードに転がってるパジェロミニあるけど使うか?」 俺「貸してくれるん?それはありがたい」 店長「整備とナンバー費用はもらうけど、車両は タダで譲るわ。 ずっと使ってないから費用は結構かかるかもしれんが・・・」 俺「あざーーーっす!ありがたくいただきます!」
そんなこんなでコイツがうちにやってきました。
MITUBISHI PAJERO MINI H56A
俗に「丸目」と呼ばれるそうだが初期型の最終(1997/9)モデル。直列4気筒DOHC20バルブ、インタークーラーターボ。660に直4DOHC、さらに1気筒あたり5バルブ・・・バブルの残り香が・・・。
ATは3速で今の軽自動車の感覚からするとちょっと考えられないが、この車は旧規格の軽だ。当時は軽自動車の高速道路の制限速度は80km/hだったためこれで十分だったんだろう1。 現在では標準装備があたりまえのABSもオプション扱いで非装着。さすがにエアバッグは装備されているものの運転席のみ。これも当時はこんなもん。
あとからわかったのだがこの個体は「ホワイトスキッパーX」という限定モデルだったらしい。特徴はホワイトのリアスポイラーやメッキグリルなどがそれ。
ところがそんなもんをバックヤードに転がしとくってアンタ・・・・
元々下取り車として引き取った後、代車として使う予定だったがほかにも扱いやすい車があったので使われずそのままになり。結果的に放置されてたそうな。
まぁ今やこのジャンルはジムニーが覇権をとってしまっていて需要は少ないんだろうな。町中にちょいちょい走ってるけど。
それにしても、引き取るときにピカピカの状態で出てきたのでびっくりした。バックヤードに転がっていたにしてはきれいすぎて。
俺「これ、あのアレ!?」 メカ「(ドヤァ)」 洗車したスタッフ「(ドヤァァァァ)」
とても緑色の藻がついていたとは思えない・・・付いてたんだよ!あ、写真撮っておけば良かった。
納車整備
マッドフラップはバリバリに劣化していたため剥がしてもらったが、基本的にはほとんど変更すること無く消耗品の交換と各部清掃、リアデフのオーバーホール(ベアリング交換)2、そして雪国仕様への対応をしてもらった。
整備してもらった店は自分の行きつけのバイク屋兼四輪修理工場、つまり「街の車屋さん」だが、長年の付き合いがありメカニックを信用しているので基本的には全部丸投げ。
俺「全部任せる!金はだすから徹底的にやっとくれ!」 メカ「よっしゃ任せぃ!」
みたいな感じで、現在までに致命的なトラブル(走行不能など)は発生していない。
納車整備後にいろいろと付けた物はあるが別記事にする。
塩害対策
雪国仕様で絶対に必要になってくるのが塩害対策。もともと店長は雪国出身なのでそこら辺の重要性は重々理解しており、下回りを徹底的に防さび塗装してもらった。
防さび塗装でホイールアーチ内部がブラックアウトされることでホワイトのボディカラーとのコントラストでカラーリング的に締まった印象になったのはうれしい誤算。
スタッドレス
10月に引き取ることが決まった段階で冬場に入ることは確定していたので、あらかじめスタッドレスをつけた状態で納車してもらった。
ホイールはタイヤ無しの社外アルミホイールが付属していたので中古でスタッドレスを探してもらったところ、4万で収まった。銘柄はヨコハマ アイスガード。ミゾは十分。実家のある平野部ではスタッドレスを穿く期間が短いので、状態の良い物がでてくるようだ。
パジェロミニの標準タイヤサイズ(175/80R15)だが流通量が少ない(対応車両が少ない)ため高くなりがちなのは仕方が無い。
現在こちらは絶賛降雪中だが走ってみてまったく問題になっていない。これで予算内に収まったので十分。
インプレッション
高速・ワインディング・街乗りと一通り走った。実家との往復で高速道路と下道を交互に走ったり、降雪してからは職場帰りに積極的に運転していろいろ試してみて、とりあえず今のところの評価。
「旧規格の軽」という逃れられない事実
ストレートに言って「楽々高速巡航する車じゃない」。
今時の軽四とちがい、「高速道路は80km/hで巡航できれば十分」という設計思想であることは間違いないと思われる。
ゼロスタートから60km/hまではスパッと出るため下道ワインディングでは元気に走れる。エンジンルームから聞こえてくるインタークーラーターボの「ヒューン」という控えめな音も面白い。ターボは低回転用のセッティングと考えられ、レスポンスはNAと変わらない。つまりターボを意識する部分はまったく無い(ターボ車を運転したこと無いけど)。
しかし、80km/hを越えるとどうしても「ブン回してる感じ」がして仕方が無い。これがATが3段の限界だろう。3桁の速度で巡航するならもう1段欲しいというのが正直な感想。実際後継モデルではATは4速に変更されている3。
まぁこれは最初から覚悟していたことだし、ぶっちゃけこの車で高速爆走するつもりはないので無問題。
高速の走行車線をのんびり80km/hで流してる丸目パジェロミニが居ても煽っちゃダメですよ?
パートタイム四駆面白ぇ!
初めてと言えばFRベースのパートタイム四輪駆動に乗るのも初めて・・・いや、試乗した新型ジムニーもそうか。
シフトレバーの手前にトランスファー切替レバーがあり、レンジを「2H」から「4H」および「4L」に入れることで前輪側ドライブシャフトに入力され、さらにフロントホイールハブがフリーからロック状態になることで前輪へ駆動力が伝達されるようになる。このトランスファーの仕組みはジムニーと同じ。
- 「2H」:通常状態。リアのみ駆動。リアデフにデフロック無し(LSDはオプション)
- 「4H」:4駆で減速無し。「停止状態でNレンジ」か「80km/h以下の直進状態でスロットルオフ」で「2H」から前へ入れることで切り替えることができる。つまり走行中の切替OK。
- 「4L」:4駆で減速(いわゆるスーパーロー)。「停止状態でNレンジ」にしたうえで「4H」からレバーを押し込みつつ前へ入れる。
今まで「4L」に入れたことは2回しかない。
圧雪状態の急な上り坂でほかに車は登っていないような道で試してみた。このときはトルクが必要というよりもトラクションをゆっくり掛けるだけのために使ってみたので、ぶっちゃけ「4L」を使う必要はなかったんだけどね。
んで、「パートタイム四駆面白ぇ」の内訳だが、同じ車格でFR2駆と4駆の違いがはっきりわかるというところがいい。
降雪後に圧雪路が広がったので誰も居ない駐車場でいろいろと試してみた(4Lに入れたのもその駐車場に上がるまでの山道だ)のだが、急加速、急旋回を2H、4Hで試すと4Hの安定性が違うことや4駆でプッシュアンダーが発生すること、ABSが付いていないことに気がつくなど(これは関係ない)、フルタイム四駆や自動で切り替わるタイプではわかりにくい、2駆と4駆の挙動の違いと4駆のありがたみと欠点がよくわかった。
また、走行中での切替に慣れたことでワインディングで圧雪とアスファルトが交互に発生するような状況でも安定して走れるようになった。こういう路面状況ではトランスファーレバーに手を置きっぱなしにできるATは扱いやすい。
とまぁ、そんなこんなで変なところで手動制御な部分がでてくるので扱っていて楽しい。
居住性・積載性
シートは普通。変にふかふかしたシートは好きでは無いからこれでいい。
今時の車はカップホルダーが至る所についているが、この車はセンタードームに一つとセンターの1DINに引き出し式のカップホルダーが2箇所。ドア側にはついていない。そしてこのカップホルダーを使おうとすると上の1DINオーディオの操作ができなくなるという使いにくさ。そしてその割にリアシートの左右には一つづつカップホルダーがあるという・・・微妙。この辺はホームセンターとカー用品店で何か探すか。
トランクルームは狭いがリアシートは可倒式でフラットになり荷室としてはこれがデフォだろう。
ルーフラックを付けることも考えたが、雪下ろしの必要性を考えるとちょっとな・・・。
燃費
引き取ってから現在まで、高速・ワインディング・街乗りで、ざっくり8km/L ~ 11km/L。
タンクの全容量は35Lなので 280km ~ 350km 走れることになる。必要十分。
トラブルなど
徹底的に見てもらったとはいえ、20年以上落ちの車でノントラブルなんてことはさすがにありえず、経年劣化にともなう問題や錆びは覚悟している。
逆に言えば「この辺はありえそう」という部分はおおよそは把握しているし、自分もまったく知識が無いわけでは無いのである程度は自分でリカバリはできると思っている。そして現時点で大きな痛手になっていない。
いまのところ一番大きなトラブルはファンベルトぐらい。
ファンベルトの鳴き
去年の12月に大雪になったが、その直後からファンベルトが鳴くようになった。
ファンベルトからキュルキュル音がする⇒ファンベルトが滑っているということだが・・・
- アイドリングでは鳴らない
- アイドリング(1500回転辺り)の状態から2000回転あたりで鳴り始め、スロットルパーシャルで鳴り続ける
- 一度3500回転以上まで回すと、走行中は鳴り止む
- しかし、信号待ちで停車(アイドリングに落ちる)、その後の発進でまた鳴る
こんな感じ。つまり
- 特定回転数でベルトの駆動力がドリブン側プーリーの負荷に耐えられず滑り始めるが
- いったんドリブン側に勢いが付いて回り始めると駆動力が復帰して安定する
- 回転数が落ちるとドリブン側の回転数も落ちて最初に戻る
という流れ。これは昔Vベルト変速のスクーター(2スト時代のSUZUKI アドレス110)に乗っていたときにも同じような状況になったことがあったのですぐに想像できた。
が、問題はどのプーリーで滑っているのか。ボンネット開けてよく確認したら答えはわかった。
オルタネータ付近にゴムの屑が多くくっついていた。つまりオルタネータプーリーでベルトが滑って削れているということに。同じベルトにかかっているのはファンとオルタネータの2カ所だけでどちらの負荷が大きいのかといえば当然オルタネータだろう。
また、このときには時計に付属の電圧計をつけており、
- 通常時電圧は電圧は高め(14~12V)
- 鳴っているときは電圧が落ちる(低いときには10V前後)
という挙動が確認できたことからも裏付け完了。
滑っていたファンベルトを見ると端っこがボロボロケバケバになっていた。ファンベルトセットをまとめて交換したら再発しなくなった。また、通常時の電圧も高めに落ち着く・・・ということは「鳴りはせずとも実はある程度は滑っていた」ということにも気がついた。早めに交換した方が良いってことですね。
また、ファンベルトと呼ばれる物はパジェロミニだと2本あって、もう片方はエアコンのコンプレッサらしい。ベルトは2本セットになっていて一緒に交換になる。
ファンベルトのテンション調整は当然納車時に行われていて、実際に雪が降るまではまったく鳴らなかったので、ある程度経年劣化していたものが降雪の冷え込みと湿気で追い打ちをかけたと思われる。ファンベルトの無いバイク(バイクのオルタネータはクランクシャフトに直結している)では絶対に発生しないトラブルなので、逆に四輪のエンジンの仕組みを意識できてなかなか興味深いトラブルだった。
まとめ『あたらしいおもちゃをてにいれた!』
仕方なく四輪所有というネガティブな理由ではあったが、運良く楽しい車を手に入れることができたので結果オーライだ。
車体の費用はタダで譲ってもらい、整備費用はCT125とまとめて支払ったので、当初は「CT125のおまけに車が付いてきた」「生活が落ち着いて次の車買うまでのつなぎ」ぐらいで考えていたのだが、エンジンは快調だし走行性能も悪くない。まだまだ乗れそうなので、もういっそ乗り潰すまで乗ってみようかと考えが変わってきた。
どうせ長く乗るなら自分に良いように可能な限り自分で弄っていきたい。・・・正直なところどうせ金をかけるならバイクの方に掛けたいので安上がりにしたいだけだったりするが。
せっかく四輪を手に入れたので車載キャンプも悪くないが、こっちに来てからまったく乗っていないHorizeを積んで遠方ポタリングもいいかもしれない。
CT125と一緒に新しいオモチャをゲットした気分だ。