スクーターも乗り換えたし、そろそろナビをつけたいな、とかなんとか。
とりあえずiPhone3Gsでなんとかしてみようと。
以前、FirestormのタンクバックにiPhone3Gsを入れて、GPSトラッキングアプリ*1でトラッキング情報の取得を試みたことがあったが、このときはタンクバック内に籠もった熱でiPhoneがハングアップし、途中までしか使えなかった。
「タンクバックに入れてて発熱アラートがでるんなら、ハンドルバーにつけたらマシになるんじゃね?」
ということで、PCXのハンドルバーに取り付ける方法をいろいろ考えてみた。
汎用的に使える奴で
そもそもなぜFirestormのタンクバックに入れていたかというと、
- 視認性
- 防水性
- 電源供給問題
- 耐衝撃性
この4点で一番都合がよかったから。
PCXの場合、タンクバックは付けられないので、ハンドルバーにマップケースのようなものを付ければ、とりあえずは使えるだろう。しかし耐衝撃性は低い。
防水性という点では、各社からでているハンドルバーに取り付けるタイプの「iPhoneスタンド」は一律にアウト。なんせ思いっきり外気にふれる形で取り付けるわけだから、にわか雨程度でも濡れることになる。
電源供給については、ケーブルを引っ張って外部バッテリーにつなげばいいので、わりとどんな形でも大丈夫だろう。ただし、外部バッテリをどこに納めるかが問題になる。後々は車体から電源を引くことも考慮に入れると、拡張できることが望ましい。
どのタイプでも一長一短。後々iPhoneだけでなく他のケータイやスマートフォン、PNDなどにも対応でき、最終的にはFirestormにも流用できるような汎用性を考えるとなかなか「コレ!」といったものがみつからなかった。
そこで・・・
この手の汎用ステイメーカーの登場です。
まず、「バイクにナビ取付業界」や「バイクに車載カメラ搭載業界」にはおなじみ*2の RAMマウント。
次点でサインハウス のマウントシステム。
SYGN HOUSE
この2つのブランドはよく似ているものの、細かいところを見ていくと、結構違ってたりする。
- RAMマウント
- サインハウス
どちらもセット売りだけでなく、ベース・アーム・ホルダをバラで集めて組み合わせることができるモジュラー構造になっている。あとから拡張、変更、流用ができるので、複数のバイク・デバイスを使い分けるならこの方が安く済む。
そしてもちろん、RAMとサインハウスでのパーツの互換性は無い。つまり、どちらかを選択したら、たぶん同じメーカーのを買い足しつづけることになるだろう。ということは、最初にどちらを選ぶのかは重要だ。
正直、サインハウスの削りだしパーツには引かれるものはあるものの、ガジェットヲタの俺としては、RAMマウントの拡張性にはあらがいがたいものがある。
ということで・・・
RAMマウント
決め手になったのは、RAMマウントには「AQUA BOX」と呼ばれる防水ハードケースのシリーズがある点。
簡単にいえば「弁当箱」みたいな形。蓋はバックルで固定され、透明の窓にあたる部分にはシリコンゴムが使われている。シリコンゴムなので静電容量タイプのタッチスクリーンにも対応している。
完全防水ではないものの、裏側の取り付け穴をふさげば、限りなく完全防水に近くなる。
サイズはS、M、L、Wの4種類あり、どれも深さ(奥行)があるので、外部バッテリを仕込んだりコネクタを納めたりといろいろできそうだ。
今回は以前にも利用したPDA工房から購入した。
- AQUA BOX W
- クイックリリースアダプター(セット) →雄雌バラのパッケージ
- アームパーツ1.75インチ
- Uボルトベース
- アームロック
AQUA BOXのWは、現在流通している5インチPNDがちょうど入る程度の大きさになる。iPhoneを入れるには大きめだけど、今後の拡張性と、外部バッテリも一緒に納めることを考慮した。
「完全防水ではない」部分。ジョイントを取り付ける穴が貫通している。まぁ、これはなんとでもなるだろう。
AQUA BOXには高さ違いの「上げ底」が3枚付属している。これでも足りなければ、適当な発泡ウレタンを切り出して使えばいいだろう。
iPhone3Gs(写真ではiPod touchだけど)を入れるとこんな感じ。どう考えても上げ底の高さが足りないので要工夫だな。
クイックリリースアダプターは、アームから「パチッ」とホルダを付け外しができるアダプタ。AQUA BOXは大きめなので、通勤時には外したいし、別なホルダを使いたくなったら、別売の雄側をホルダにつければ、簡単に交換できる。ただし、この構造では強度には期待できない。
アームロックはアームのネジと交換して使用する。
鍵をかけると、ネジがフリーになって回らなくなる。アームのネジを外すとベース以外の全部を外ずせてしまうので、これによるイタズラを防止するためのもの。
ただしこれは後ほど問題が発生する。
Uボルトベースには、取り付けるバーのサイズによって二種類のUボルトが付属している。PCXのハンドルバーには小さい方を使った。
このボールジョイントのボールはゴムがコーティングされていて、いちどアームを締め込めば弾力性で滑らないようになっている。
仮組みをしてみた図。
アームは標準的な長さのもの、というかこれが一番短い。プラスティック製もあるけど、強度を考えればやはり標準のスチール製だろう。
付けてみた。
ベースのUボルトがインチネジだということに気がついた・・・そうだよなぁ、これアメリカ製なんだよな・・・。インチサイズのスパナは無いので小さめのモンキーレンチでなんとかがんばってみたが、ナットの角をちょっと舐めてしまった・・・。
ちなみに、AQUA BOXとアダプタを取り付けるネジもインチネジだけど、なぜかインチのドライバーはあったりする。
Uボルトの頭がでてしまうので、付属のゴムキャップをかぶせてひっかけないようにする。角度は適当。
「上げ底」追加
完成した状態でiPhoneを入れて試走。
やはり振動で中のiPhoneが動いてうっとおしいので、試走の足でホームセンターによって15mm厚のウレタンの板を買ってその場で切り出して「上げ底」を追加した。ウレタン板は工具箱の中に敷いて仕切として売られていたもの。
元々入っている「上げ底」は13mm、06mm、03mmだが、併せて22mmでは足らない。
最終的に切り出した15mm厚を重ねたり、削ったりして調整。
適度にiPhoneがシリコンゴムに押しつけられる程度の暑さに調整するのがやっかいだが、とりあえずこれで様子を見ることに。
たしかに使えるけれど・・・
iPhoneのナビを使って、買い物にいったり、名古屋まで走ってみたりした感想。とりあえず電源供給の問題については保留した上での考察。
確かに、最近のiPhoneのナビアプリは車載ナビに近づいているので、感覚的にはカーナビっぽく使える。俺が使っているのは「全力案内」だが、画面もカーナビっぽい構成でわかりやすい。
スマートフォンのナビで懸念していたのがA-GPSの限界だ。A-GPSは、捕測開始時にネットワーク通信が必要になる点。いったん捕測してしまえば、あとは圏外であっても自立捕測がつづくが、完全な圏外での捕測開始はできない。これはスマートフォンである以上(自立捕測が可能な端末で無い限り)無理なのであきらめはつくし、市街地ではほとんど問題は無い。
問題は、iPhoneはあくまで電話なので、バイクを降りて歩くときには、ケースから外して持ち歩く必要がある点。頻繁に乗り降りをするような場合・・・たとえば買い物メインでのお出かけの場合には、当然だけど乗り降りする度に脱着しなければいけない。これが案外メンドクサい。
せっかくAQUA BOXをクイックリリースコネクタでつないでいるので、AQUA BOXごと付け外しするのが便利なはずだけど、さすがにこのまま持ち歩くには大きすぎる。当然、ボックスからiPhoneを取り出して持ち歩き、出発するときにまたボックスに入れるのは結構煩雑。これがPND専用機なら、ボックスを外してメットインに放り込むだけでいい。
それと、iPhoneは静電容量式タッチパネルなので、グローブをしたままでは操作できない。はめたまま操作できる手袋なんかも市販されているようだが、バイク用グローブでは存在しない。バイクでは、やはりバイク用のグローブを使いたい。
もう一つ、ナビを実行していようと、メールは着信するし、BoxcarがTwitterのMentionsをポップアップさせる。普段ならこれが便利なのに、ナビゲーションの画面にいちいち被るのは、ナビとしては邪魔でしかない。これが四輪だったら画面をタップするだけなのでまだマシなのかもしれないけど、両手がふさがることの多い二輪では厄介な話。かといって、毎回通知設定を切り替えるのは面倒すぎるし、現実的じゃない。俺のことだから、だいたいどっちかに切り替えたまま忘れて、「通知こねぇなぁ」となってしまうのは想像がつく(苦笑)
スマートフォンナビは地図情報の更新は早いし、店舗検索も豊富、さらにクラウド経由でPCと連携してデータの管理など、とても便利。けど、バイク用の固定ナビとして考えるなら、やっぱり専用機を用意するのが、ベターな選択ではないのかな?と考えるようになった。