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GPD MicroPC

2020年、1発目のネタとして何が良いかと迷ったが、もう1月も終わりそうだし取り急ぎこれを書いておく。

経緯

現在、ぶっちゃけ、私生活でPCが必要になる状況が無い。

ノートPCを持ち歩きたくない

基本的に、今なにかしようと思えば、おおよそはスマホアプリで対応できてしまう。 キーボードで長文を打つならPOMERA DM200があって、ぶっちゃけこれでほぼ全てまかなえる。このブログだってほとんどDM200で本文を打ち下書きとしてメール投稿、画像や各種リンクや引用、最終確認はスマホAndroid)のはてなブログアプリでプレビューと最終投稿まで行うことが出来る。もちろん画像の編集などをスマホのアプリでやるのはちょっと面倒だが写真編集アプリがすでにたくさんあるので出来なくはないだろう。

つまり、私生活のほとんどのシーンでどうしてもノートPCが必要になるという状況にならない。

必要になる状況っていうのは、

  • シリアルポートおよび制御系プログラムやコンソールを使いたい
  • Office(365)フル機能が使いたい
  • 開発環境やツール類やCADを走らせたい

おおよそこれら3点に集約される。これらは私生活というより仕事であって、あまり私生活に持ち込みたくない。それゆえに普段の生活でノートPCを持ち歩くことがない。

(17インチ)ノートPCは重いしデカい

東京と名古屋を行き来することが多いが、最近は開発環境ごっそり必要になることもほとんど無くなった。ところが、やっぱりノートを持っての移動が必要になる。出先でのExcelやWordファイルの編集、ソースファイルの確認。場合によってはネットワーク系ツールの実行、etc。

そこで、今東京の事務所で使っているノートPCを持って行くわけだが・・・

jp.ext.hp.com

これが17インチノートでデカくて重いんすよ。

画面が広くて良いと思ったけど、持ち運ぶとなると正直デカすぎる。そして重い。処理速度じゃなくて物理的に重い。スペックはそれなりだしVirtualBoxを走らせるためにメモリを16GB積んで、SSDなので使う分には快適なんだが、持ち運ぶとなると確実にリュックサックが必要になる。手持ちや片掛なんてやってらんない。
というか、ぶっちゃけこれを持って東京-名古屋間を行き来するのがもうおっくうでおっくうで。このためだけにキャリーケースを購入した(もちろん自腹)ぐらいで。

ノートPCを持ち歩かない方策を考えたが

前述の通り、がっつりフルスペックのマシンは必要にならず、Officeやメールが使えれば良い。それならスティックPCも検討した。名古屋の事務所ならディスプレイが(VGAだが)置いてあるし、キーボードマウスを置いておくのはやぶさかじゃ無い。しかし、移動途中で必要になったりするのでバッテリー画面入力デバイスは必要になる。
MSさんが色々とステマ中な(酷い偏見)サーフェスもいいなと。ただこれは高くて予算オーバーだ。今回はあくまで個人での購入。なぜなら購入稟議を上げたところで「今つかってるノートPC持ってけよ、そのためにノートにしたんだろ。今更文句言うな」となるオチが見えている。17インチノートを購入してから1年も経過していないのもあるし。

くっそぉ、なんで俺こんなデカいPC選んじゃったんだろう・・・。

そんなタイミングでGPD MicroPC

なんですよ。

gpdjapan.com

即出資決定。そう、今回はIndie Go Goでの初期からの出資組。細かい経緯はもういろいろなところで出ているので詳しく書かないが、懸念だったメモリは最終的に8GBまで増えた。
単なるUMPCではなくEthernet(RJ45)とシリアル(RS-232C)が載っているのが最後の一押しとなった。

GPD MicroPC

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GPD MicroPC

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GPD MicroPC Open
ということで5月に到着して半年は経過しているので、現在までのまとめというかメモ。

キーボード、タッチパッド、ディスプレイ

このサイズなのでそもそもタッチタイピングは想定されていないが、LinuxZaurusなどで行っていた両手持ち親指打ち(リナザウ打ち)でいける。数字キーや記号キーの配列は独自だが、独自配列で困るのはタッチタイピングのときだし、そもそも言うほど「変態配列」ではなくわりと素直な配列なのですぐ慣れる。
キーボードのバックライトも付いてるけどお世話になることはほとんどない。

タッチパッドだけはイマイチ。左クリック・右クリック・中クリックは電源ボタン左に独立してあるのに、デフォルトの「タッチパッドをタップしてクリック」の解除の仕方が解らず結構誤爆する。 反応もちょっと過敏なのでなんとかしたい。

が、実際に本体のキーボードとタッチパッドを積極的につかっているかというと、自室や実家では結局USB接続のキーボードとポインティングデバイスをつなげてしまうので、ほとんど気にしていないという現状。そりゃキーボードつなげられる環境ならそのほうがいいってもんでしょう。

各種ポート類

UMPCにしては豊富なポート類がMicroPCのウリになっている。

LAN RJ45 ギガビットイーサ

このサイズのUMPCにしては物理LANが付いているのは珍しく、MicroPCのウリの一つになっている。たしかに、組込やFA関連だと無線より有線による直結が必要になり、わざわざUSB-LANアダプタを持って行くのはうっとおしい(良く忘れたりするし)。
物理的に面積が必要なRJ45をUSBアダプタを用いず直結できるので機器のメンテナンスに使える。

やろうと思えばファイアウォールとルーティングを設定してスマホのためのトラベルルータとして使えなくは無いだろうが、この機種で起動しっぱなしは止めた方がよさそうな気がする(後述)ため、基本的にはクライアント運用とする。

シリアルポート RS-232C

シリアルポートもMicroPCのウリのひとつ。今時シリアルポートはフルサイズのノートPCにすら付いていない。
Windows10上ではCOM2に割り当てられている。もちろんPuttyを使ってスイッチングハブのメンテナンスもできている。シスコ互換のケーブルであれば今のところ問題ない。ということは大体のメンテナンスはこれでまかなえる。

ところが、なぜかOpenBlocks AX3の場合だけコンソール制御が効かない。

openblocks.plathome.co.jp

シスコ互換ケーブルが悪いのかとAX3付属ケーブルを使ってもダメ。USBポートからUSBシリアル変換(RATOC REF-60F)+AX3付属ケーブルでもダメ。
というか、例の17インチノートPCからUSBシリアル変換+AX3付属ケーブルでもダメじゃん・・・あるぅぇえ?
ハードウェア構成同じままでWindows7だと使えていたので、Windows10の標準ドライバあるいはカーネルレベルで何か問題がありそうだ。

うーん、ということは客先対応で使っていたオンボロWindows7ノートをまだまだ使わなければならないのか。完全に当てがはずれてしまった・・・。

USB-Cでの給電

MicroPCに付属のACアダプタはコンセントプラグが折りたためず持ち運びの際に邪魔になるため、実家に据え置きにしている。
追加購入したACアダプタは2つ。

ELECOM ACDC-PD0357BK

大きめでケーブルは2mなので東京の自室の据え置き用。
Type-C PD対応で汎用のノートPC用となっており電圧は5V/3A、9V/3A、12V/3A、15V/3A、20V/2.25Aに対応しているが、MicroPCがどのモードで拾えているかは不明。TypeCケーブルは直付けでUSB出力がひとつ付いているのでOnLapなどディスプレイの給電を併用できる。
ACコネクタは折りたためるだけでなく90°回転できるのでタコ足に挿す場合でも隣のポートを塞がないのが良い。

Anker PowerPort PD1

こちらは小型なので本体と一緒に持ち運び用。
許容容量が低めだが規格的には付属品と同じ。なおかつ付属品より小さめでプラグがたためる。
USB Type-Cケーブルが付属していないので別途購入が必要。今使用しているType-CケーブルはビックカメラのPB商品。普通に使える。

USB Type-Cでの周辺機器接続。

給電だけかと思っていたら周辺機器の接続ができるらしい。つまりポートリプリケーターとしてつなぐことができるのではないか。

これを確認するためにType-Cドックを買ってみたんだが・・・

二つの共通項としてまずUSBハブとしては普通に認識される。
LENTIONのフラッシュメモリリーダーもリムーバブルドライブとして認識され問題ない。
ELECOMのLANは一時的にネットワークカードとして認識され通信が通ることを確認できたが、なにかの拍子で認識されなくなる。まぁ、LANについては本体側にあるので急ぎで必要ではない。認識されるタイミングなどいろいろと絡む要素がありそうだが、気が向いたら対応する予定。

当てがはずれたのが一番期待していた画像出力系。どちらもデバイスマネージャで確認してもディスプレイアダプタとして認識されず、LENTIONのHDMIもELECOMのDVIも出力されない。そもそもMicroPC側で対応しているならなんらかのデバイスとして認識されるはずだがデバイスマネージャで出てこないということは、認識すら出来ていないということ。どちらもWindows標準ドライバで対応できる前提なので、ドライバも配布されていないので手の出しようが無い。つまり、残念ながらMicroPC側のType-Cが映像出力に対応していないということ。他に使えるPCも無いし、完全に無駄な買い物になってしまった。
どうもType-Cであっても本体側が出力に対応していないとダメらしい。

どうしようこれ・・・

Linux系OS

通常版のDebianLiveをSDカードに焼いて起動してみたが、ディスプレイドライバがダメなのか画面表示でノイズが出て進まない。
そもそも、このマシンでガッツリLinuxを走らせる必要性がほとんどない。チョイチョイとコマンドを試すならLinux on Windowsがあるし(Debian導入済み)、タッチタイプでコードを書きたければLinux on DM200がある。
たしか公式でUbuntuインストーラを配布していたはず(今どこ行ったか不明)だが、気が向いたら試してみる予定。

CPU/GPUスペック、メモリ

一通り使える。
ココで言う使えるってのは、「ブラウザ・メールが普通に使える」の話。廉価PCだとそれすらも難しい事が多かったが、動画についてはHD画質の再生でややもたつくことがある。特にWiFi経由でのストリーミングでは動画のもたつきが時々ある。が、まったくダメって程でもなく許容範囲。
3Dのゲームは初めからプレイするつもりもないが、Windows10プリインストールのキャンディークラッシュ程度なら問題ない。

よく聞く不具合

この手のPCでは不具合があっても泣かないのがお約束。レッツ人柱!
コミュニティサイト(あえてURIは挙げない)で見かけた不具合について自分の環境での状況を書く。

「クラムシェルの画面側が傾いている」

出荷後から指摘されていたことだが、ディスプレイが傾いているという話。

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この写真だと分かりにくいけど・・・

たしかに傾いている。が、そこまで気にならないというか、言われて気がつくレベルかなと。
それよりヒンジがやや緩くなってきているのが懸念事項だ。すでにカラ割りして弄っている人がいるようなので、本格的にヤバくなりそうになったら対応する予定。

「ファン音がうるさい」

確かにうるさい。音量では無く音質が「キーン」という甲高い音なので耳障り。
基本的に起動しているとファンは回りっぱなしになるようで、動的に回転数のコントロールはされるものの完全停止という制御はないらしい。やはりYoutubeの再生などそれなりに思い処理を連続で走らせるとファン音が大きくなる。
正面に物理的にファンのON/OFFを行うスイッチがあるので、Windows上では基本「高パフォーマンス」は避けて運用するのが良いのかもしれない。それでも発熱を考えるとファンの完全OFFは継続して行わない方がいいような気がするが。

「バッテリー不具合」

内蔵バッテリーがダメになるとかそこら辺の不具合を結構見る。これについては今のところ発生していない。
充電制御が甘いっぽくて100%になったあとにさらに充電しようとしてしまうのでは?とか説を見かけるが、ともかくACアダプタ挿しっぱなしで放置とか放電後にそのまま放置とかは他の機器でも同じなので、充電し終わったらACアダプタは抜いておくとか偶にはバッテリー駆動もさせるとかした方がいい。過充電・過放電は避けましょうと。

あと、個人的には使わないときにはシャットダウンする運用をオススメする。いや、単に俺がPCのスリープとかサスペンドを信用していないだけの話だけど。『蓋閉じて鞄にいれて運んでたらなぜかスリープから勝手に復帰してバッテリー食い潰して落ちてた』という経験を結構してたりするので。

SSD故障」

これも今のところ発生していない。品質にバラツキがあるのかどうだかだが、サーバのように連続稼働させて発熱させるのでなければ発生しないんじゃないかと踏んでいる。
自分はデカくて大量のファイルについては内蔵SSDではなく外付けHDDやSDカードに格納している。

不具合まとめ

ヘビーに使っていないので今のところ大きな障害は発生していないが、ようは、『高負荷でフル稼働させないようにしたほうが無難』ということ。

失礼な言い方になってしまうが、GPDのような小規模ファブレスメーカーに対して、技術力・製品管理力を初めから期待しない方がいい。
スペック的にも(特にこの機種は)価格的にもあまりハードな事をさせる前提になっていないと思われる。

ケースとか

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GPD MicroPC キャリングポーチ

現状はこんな感じでACアダプタと2.5インチHDD(バッファローHD-PUS1.0U3-RDD, 1TB)とケーブル類、巻き尺式LANケーブルをまとめている。

このケースは東海地方の「カルコス」という書店チェーンで購入したハードケースで2000円ぐらいだった。嵩張るように見えるがこれでも12インチのMacBookPro(Mid2012)と周辺機器一式よりも容積の総量は減っている。
両面に格納するのでどうしても分厚くなるが、上手い具合に平たいケースが無かった。中身を考えるとやっぱりソフトケースは不安。

まとめ:ほどよくそこそこにWindowsOSを使う

もう今時は出先でPC OSを積極的に使うことはほとんど無くなっている。ところが仕事が絡んでくるとそうも言っていられない。
GPD MicroPCは、PCを使わなくても良い日常生活のために、最低限PCに触れるためだけにうってつけのPCだと感じる。

基本的にはヘビーユーズはせず、緩く使っていく予定。