『要、ハザード』
原付二種クラスのバイクにハザードがついていることは少ないが、是非とも欲しいと思っていた。
キタコのキットがあったので納車時に付けてもらおうと注文していたが、2月になっても入ってこない。問屋が確保できないと言うことだったが、Amazonには在庫ありになっていたので注文を取り消して自分でポチる。必然的に自分で取り付けることになった。
キタコ CT125 Lスイッチボックス ハザード対応リレー付き
キタコ (KITACO) ハザード付き左ハンドルスイッチアッシー CT125、ハンターカブ(JA55) 756-1470100
- メディア: Automotive
キットに含まれているのはハーネスの付属した左スイッチボックスとリレー、取付の説明書。
Webサイトの写真を見たときから薄々感づいていたが、前後に2分割されるスイッチボックスの正面側は、NM4の左スイッチボックスとほぼ同じ。配置が慣れたNM4と同じなのはうれしい。違いはシフトスイッチの有無。後ろ側と正面側下部の小加工でシフトスイッチが付けられるようになる。
昔のHONDA車のスイッチ配置(ウィンカーレバーが中央、ホーンスイッチが下)から、PCXが出た頃あたりからこの配置(ホーンが中央、ウィンカーレバーが下)になっているようだ。スイッチボックスはメーカーごとに共通化されるもんだが、現在HONDAが採用しているスイッチボックスはこの並びが標準になっているらしい。
ハザードスイッチ付きのスイッチボックスにはディマ(Hi/Lo切替)スイッチとパッシングが一体化されたものが標準になっている。ディマスイッチをLoの状態から手前側を押すとパッシング(押している間だけHiビーム)となる。CT125(というか原付二種系)にはパッシングも付いていないが、中型クラス以上のスイッチをそのまま流用したということだろうか。
ということで、このキットを取り付けることで、ハザードとパッシングが同時に追加実装されることになる。
取付
公式で取付方法を紹介していたので、基本的にはこの動画の通りに行った。
行うことは、
- 純正のスイッチボックスを取り外す
- ハンドルバーウェイトを外す
- ハンドルバーに位置決めのための穴をあける
- スイッチボックスを取り付け、コネクタ接続
- ウィンカーリレー交換
スイッチボックス取り外し
スイッチボックスから伸びているケーブルのコネクタを外し、スイッチボックスのネジを抜いてスイッチボックスを外す。前後にパカッと割れるような形で外れる。
コネクタにアクセスするためには先に取付けていたUSB電源が邪魔になるので外しておく必要がある。
上が標準のLスイッチボックス、下がキットのLスイッチボックス。
配線の長さは同じだが、コネクタ側に標準にはない部品が付いている。
この記号、なんかの電子記号に見えるがあとから調べてもわからなかった。記号の形を見るとなんらかの整流器関係っぽい気がするが・・・。
ハンドルバーウェイトを外す
ここからが自分にとっての未知の領域。
ハンドルバーウェイトって外したことがないので、コツみたいなものがわからない。
ともかく、動画によるとグリップゴムの内側のハンドルバーに穴が空いていて、そこにウェイトが爪で引っかかっているということらしい。説明書には「ウェイト末端のネジをインパクトドライバーで・・・」とか書いてあるので、そんなようなことをしたりもするも、イマイチよくわからない。
で、動画を見直すと、グリップとハンドルバーの間に細いドライバーみたいなものを突っ込んでコジっているようにみえる。なるほど、中の爪を押してると。
で、ちょうど良いものがなかったので、内装外し用のフック(先端がとがっている)をつかって見よう見まねでやってみたところ、なんとか外れた。
うん、爪、折れてるね・・・。
細いフックで押し込んだときにフックの先で爪を曲げてしまい、引き抜いたときに押しつぶされて折れてしまったようだ。やるなら先が太い物をつかったほうがよさげですね。
ウェイトを戻して確認したが、反対側にも爪があるのでとりあえずはそちらで引っかかって保持される。すぐには外れそうにないが、一応その場で補修パーツをバイク屋に注文。のちほど交換した。
位置決め穴加工、スイッチボックス取付
純正のスイッチボックスと今回取り付けるスイッチボックスでは、回り止めの穴の位置が違うため、新たに位置決め穴を開ける。取説に位置決め用の型紙が記載されているので、一応、念のため、コンビニで等倍コピーしたものを切り出して使う。
さすがに2枚は要らんが・・・。
動画を参考に元々の穴の位置に合わせて型紙をハンドルバーに巻いてマスキングテープで固定。新規に開ける穴の位置にポンチ・・・は無かったので革細工でケガキ用に使っていたコンクリート針をハンマーでたたいてポンチ穴とする。オートポンチ買おうかな・・・あまり使用頻度が高くないんだが。
このポンチに合わせてφ5mmの金属ドリルで穴を開けるのだが・・・
なぜかものすごくドリルの先が滑ってズレる。なんでだ?使用しているのはステンレス用の刃なのでスチールのハンドルバーに刃が立たないなんてことは考えにくい。そんなに固いスチールなのかコレは?
まぁ、ドリルの回転が逆だったっていうオチだったんですけどね。
無事に穴を開けられたけど、このせいでハンドルバーのコーディングに傷が入ってしまった。
このままだと、削れたところから錆びが進むかもしれない。そもそもドリルの穴の部分はコーディングが剥がれ金属表面がむき出しの状態になっているので、錆止めのために塗装しておく。
塗装は以前フォグランプのスイッチステーを塗ったホイールペイントブラック。
養生との境目のところで筋が入っちゃったけど、まぁいいか。塗装位置の右に最初からポッチがあるが、これはミラーステーのセンター位置用で関係なし。
塗ってしまってから下塗りをしていないことに気がついたが、ほとんどの部分にスイッチボックスが被ることになるので多分大丈夫だろう。
スイッチボックスはポッチ穴に合わせて何も考えずにそのまま付けるだけ。
新しいLスイッチボックスのコネクタを接続すればハンドル側は完了。ケーブルの保護テープが標準のものより薄くて頼りないので上からハーネステープを巻いて補強した。
リレー交換
標準のウィンカーリレーをハザードに対応した付属のリレーに交換する。
ウィンカーリレーはシートの後ろに収まっているため、その部分のカバーを外す。左右のファスナー2カ所と中央のボルト一本を外し、カバーの爪を広げれば取り外せるが上に持ち上げるような形の力を加えるというコツが要るので注意。マニュアルや公式動画には「リアキャリアを外せ」とあるが、干渉すると行ってもリアキャリアの端に引っかかり気味になるというだけで頑張れば外せなくは無い。
ただし、カバーに傷が付く可能性があるのでキャリアに当たる部分を養生する。
リレーはゴムカバーでフレームのパーツに止まっているので、いったんカバーごとフレームから外したあとコネクタから抜く。
左の「MITSUBA FR36-001」が標準のリレー、右がキット付属のリレー(台湾製)。点滅サイクルは85c/m(毎分85回)で同じ。
リレーをコネクタに接続。リレーのサイズが標準と違うためゴムカバーが緩くなってしまう。防水性は落ちるが直接雨水がかかる位置ではないし、この高さまでの水位の渡河をすることはありえない(エアインテークの位置より高い)ので特に追加の防水措置はしていない。
スイッチ側とのハーネスの交換は不要なのでカバーを戻せば完了。回路的にはほとんど標準と変わらないということになるが、ハザードとして生きるのはLスイッチボックスのコネクタ側についていた部品がなんらかの機能をもっていると考えられる。
フォグランプスイッチ移設
Lスイッチボックスが変わったことによりフォグランプスイッチの位置を変更する必要ができた。
以前の位置だとハザードスイッチを飛び越えた先に指をもっていかなければならない。操作の際にディマスイッチの延長上になるような位置に動かした。
スイッチを移設した副次効果として、スイッチ上の点灯インジケータがスイッチの状態に係わらずライダー側を向くようになったので視認性が向上。
スイッチの裏側はこうなっている。以前作ったもう一つのL字アングルをもう一つ組み合わせたが、前回使って以来、かなり塗装が削れて見栄えがよろしくない。ということでちゃんと塗り直すことにした。
塗装をいったん剥がして、今度は塗装が剥がれないようプライマーを吹く。アルミ用のプライマーとして「ミッチャクロンマルチ」が使えるらしいということで買ってきた(高い)。
染めQ プライマー スプレー ミッチャクロン マルチ 420ml
- メディア: Tools & Hardware
塗装はハンドルバーに使った物と同じホイール用塗装。さらに今回はコーティングとしてクリアを吹いた。
同様にスイッチを貼付けている側のアングルの表側も塗装。外して塗り直さなかったのは単にスイッチを剥がしてまた両面テープで付けるのがめんどくさかっただけ。
これで塗装皮膜は固くなって以前よりは剥がれにくくなったはず。
あとから塗装前の脱脂を行っていなかったことに気がついたが・・・まぁ様子見だ。
初期計画分はとりあえず完了
これでCT125に最初から取り付けたかったものはトップケースを除いてすべて完了した。トップケースがいつ入荷するかまだ見通しは立っていないが、どうしても欲しいものはこれでほぼ終わったと言える。
今後は実走しながら必要な物を考えていく。