エンジンルームとの「渡し」配線を引っ張る前に、車室内のスイッチを付ける。
スイッチ取付
まず物理的にスイッチを取り付けておく。
フォグのスイッチを取り付けるには、ステアリング右側にあるこの蓋(?)に付けるのが手っ取り早い。蓋は引き抜けば素直に外れるので、こいつに角穴を開けてスイッチを填め込む。蓋にあらかじめ溝が入っていてこれに合わせて開ければ入りそう。もしかしてこのスイッチって何かの共通規格みたいなものがあるんだろうか?
溝に合わせてドリルで小さな穴を開けていき、穴をニッパーで切って繋げばおおよその形に切り取れる。不要なリブなども除去。リュータで削って馴らしてスイッチが入るまで広げ、ペーパーヤスリをかけて完成。ミニ四ファイター世代なら当然身につけているはずの技能である。1
純正っぽくかなり良い感じに収まった。
イルミ配線調査
スモールと連動するイルミ配線を捜す。
スイッチの回路図再掲。
今回はイルミ配線とマイナス(フレームグランド)を捜してスイッチにつなげて動作確認まではするので、ともかくイルミ配線を見つけないといけない。
もちろんパジェロミニのサービスマニュアルなど持っていないので現物調査するが、ともかく確実でわかりやすいところから追っていくことにした。
メータパネル
まずは、間違いなくどう考えても連動しているはずのメータパネル。
スピードメータケーブル(90年代は四輪でもデジタルパルス式でなくてまだアナログ式なのか!)をメータパネルから抜くとパネル本体を引っ張り出せるようになり、裏返せばコネクタと回路パターンが現れる(カーステのマイクの位置が邪魔になり仕方なく剥がした)。
メータイルミのバルブ交換は紺色のキャップを外して行うが、最悪はこの端子に挟み込むことで拾うことができなくは無い。もちろん最後の最後、本当の最終手段にしたいところだが。
回路のパターンを追っていくとメータのコネクタの「白緑」と「黒銀」に行き着く。この2本から他のバルブへも渡っているのでこれがメータパネルでのイルミ電源だとわかる。常識的に考えれば「白緑」がプラス、「黒銀」がマイナスだろう。
メータパネルはスイッチの設置位置に近いが、安全性に関わるメータ付近はなるべくなら手を加えたくない。
センターダッシュパネル
次にセンターダッシュボード付近から捜していく。
センターパネルを外すとリアウィンドウヒータとハザードのスイッチのケーブルが引っ張り出される。これにもイルミが入っているので候補のうちに入る。だだし、コネクタから直接スイッチユニットに刺さっているので、取り出すとなるとハーネス側を弄る必要がある。
カーステ関連の配線から何か拾えないか捜してみたが、それっぽいものはみつからない。カーステ側のケーブル(汎用変換ケーブル)にはイルミネーション信号を受け取るような端子が出ているが、汎用品なのでカーステ側が対応しているかは調べていない。そもそもどういう意味がある物なのか。前照灯点灯に連動してカーステのイルミ照度を変えるとかだろうか。
他に使えそうな所は無いか、運転席側の足下から頭を突っ込んだりライトで照らしながら見回してみる。と、なんか想定外の配線が2組。
右側はシガーライターソケットの給電。もう一つなんなのか思いつかない配線が。
これ、なんだっけ?
灰皿の照明
答えは灰皿の照明。
そうそう、組込の灰皿の内側を照らす照明だ。自分は喫煙者だが最近はこの灰皿を使うことが無いので、そんな照明があることをすっかり忘れてたわ(今時の車にはそもそも組込の灰皿がついていないので若い子は知らんだろうなぁ)。
この灰皿の位置ははっきりいって使いにくい。シフトレバーをパーキングに入れるとレバーが邪魔になるし、運転しながらだと位置が低すぎて(正面から視線移動が大きくなる)灰を入れ損ねることがある。そんなこんなで灰皿は別に付けているのでこの灰皿は使わない。
おっ!この灰皿照明からタッピングして拾うのが最高じゃ無いか?
ハーネスから出たバラ線でつながっているだけなので配線タップを噛ませれば簡単。自分は可能な限りエレクトロタップを使わない主義だが、この線ならメータパネルやハザードスイッチのように安全性に影響を与える部分でも無いから、最悪切断してしまっても走行に大きな影響が出ない。
イルミ配線接続
ということでエレクトロタップを買ってきた。ちょうどマイナス側もセットできているのでダブルコードでマイナスも一緒に渡してしまうのがお手軽。0.75SQのダブルコードが在庫切れだったので一緒に補充。
注意事項: センターパネルのハザードスイッチのコネクタを繋げておかないとウインカーが動作しない。ウインカー両方を点滅させるスイッチなのでウインカーの回路に割り込んでいるのは明白な訳だが、タップを買いに行こうとセンターパネル外したまま公道に出そうになって慌てた。
灰皿照明への配線色は「白緑赤」と「黒赤」。常識的に考えれば「白緑赤」がプラスだろう。ダブルコードの赤を「白緑赤」、黒を「黒赤」に接続。
適当な長さでスイッチの穴から引っ張り出す。エンジンルームへの「渡し」配線があるので配線の完全固定はまだしない。
平型端子メスを配線に取り付け。 何も考えずに配線カバーも付けたが、そのままだとスイッチボックスに当たるので適当に短くカットする。
配線図どおりにプラス(赤)を1番、マイナス(黒)を4番に接続。
スモールを点灯した状態でONにするとLEDインジケータが点灯。成功。
フラッシュを炊いた状態で撮影したのでこの程度の明るさに見えるが、夜に点灯させる車内イルミとしては正直かなり明るい、というよりまぶしいレベルの光量になった。普通のインジケータであればまぶしすぎて使いづらいのだが、目線との間にステアリングホイールが被るので消し忘れ防止という意味でこの程度の明るさはあった方が良いと思う。どうしてもまぶしければLEDの抵抗を増やすことも検討する。
見た目だけは完成
走行しながら操作してみたが、このスイッチの位置はなかなか絶妙で良い。スイッチ自体の感触も悪くなく操作感は良好。安物だが壊れてもスペアがあと3つあるのも心強いw。
フォグとスイッチが付いたので見た目だけの「張り子の虎」は完成。あとは「渡し」配線を繋いで機能させる“だけ”でほぼ完了。
まぁ、その“だけ”が問題なわけだが。