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エンジンオイルの話

オイルに関連した小話。

※本記事にはOballyのエンジンオイルに対する雑な認識が多分に含まれております。

省燃費車のエンジンオイルの話

四輪の話。

最近、新型のスバル レヴォーグ乗りの友人とのチャットの中で、指定オイルが純正の「0W-16」という粘度グレードと知った。そのときまで自分が把握していた一番低い粘度は『0W-20』『16』という中途半端な値なので最初は誤植だと思ったんだけど、調べたら今は実際にこういうグレードが存在すると。

『0W-16』を採用するのは最近の省燃費車用。フリクションロス軽減を突き詰めたがゆえ「0W-20」よりさらに粘度の低い『0W-16』が必要になったということだろうか。「0W」ということだから、低い温度域から高温域まで粘度が低いまま変化しづらいという性能といえる。

一般的にオイルは温度が高くなれば粘度が下がる、つまりシャバシャバになっていくが、最近の低燃費車のエンジンはオイル自体のオイルの堅さすらもロスとしみなして柔らかいものを使うらしい。当然柔らかくなりすぎればオイルに求められる潤滑性能が落ちてしまうので、高温になっても潤滑性能が低下(いわゆる熱ダレ)しないような調整が可能になったと考えられる。簡単に言えば昔に比べてオイル自体の性能が上がっているということだろう。

20~30年前のバイクしか知らなかった自分からすると「ほぇ~そういう時代なんだなぁ」と。

ちなみに、現在パジェロミニ(H56A)に使用しているのはPenzoil 部分合成 10W-40。20年前の車だしターボ車はどうしても高負荷かつ高温環境になるため、ハイスペックバイクみたいなオイルを使っている。暖機運転はどうしても長めになるが、設計が古いエンジンなので最近の省燃費エンジン向けオイルは適用できないだろう。

新しいホンダ純正オイルの話

で、バイクの話。

去年、ホンダ純正の二輪用オイルがリニューアルした、のは知っていたが、何が変わったのかまでは把握していなかった。前述のオイルの話を聞いて「そういえばどうなったんだろう」と調べてみた。

young-machine.com

変更点

湿式クラッチ向け(MA)の「G」シリーズで行くと、

  • Ultra G1 鉱物 10W-30 ⇒ 部分合成 5W-30
  • Ultra G2 部分合成 10W-30 ⇒ 部分合成 10W-40
  • Ultra G3 100%化学合成 10W-30
  • Ultra G4 100%化学合成合成 0W-30

特にG1の変化が大きいように見える。G3とG4には変化なし?
G1は元々「10W-30」だったものが、冷間側のレンジが10Wから5W広がっている。最近のバイクにも要求されるようになった省燃費性能を踏まえてのようだが、これを達成するために鉱物油から部分合成油へと切り替わっている。
G2は以前から部分合成だったはずだが、10W-40 にレンジが広がったのが変更点らしい。
元々全合成だったG3やG4についても添加剤などにより性能が上がっている可能性はある。

(乾式クラッチ・スクーター向け(MB)については省略)

ホームセンターでの実売価格

ホンダ純正Ultraシリーズはホームセンターでも購入できるという入手性の高さも選択の上で特徴だが、実売価格はどうなっているのか調べに行ってみた。
東海圏では店舗数の多い「ホームセンターバロー」のうち、近所の店舗で棚に並んでいたのはG1、G2、G3の三種。

  • Ultra G1 1255円
  • Ultra G2 1255円
  • Ultra G3 1800円

G1とG2は標準価格の差がほとんど無いこともあるが、同額になっているのは面白い。旧G1は1000円以下で販売されていたこともあるので値上げではあるが、性能向上という面を考えればG2に価格が近くなるのは仕方が無い。

費用面も加味したG1、G2、G3の違い

ホンダのバイクの設計時はG1を基準としているようなので当然だろうが、おそらくどのホンダのバイクに入れても(少なくとも最近の設計の車種なら)問題ない標準的なオイルと考えられる。5Wとなったことで冷間(始動時)からのフリクションロスは低減されているだろう。

G2は10W-40ということで、G1より高温時の粘度低下が結果的に低くなる、はず・・・だが、それは元々が堅めだからであって、粘度低下がしづらいとは限らない。
その点、G3は10W-30だが100%化学合成で高温時の粘度低下しづらいと考えられる。

費用面で言えば、G1とG2は実売価格は同額で、同じ部分合成なので対応温度の範囲が主な違い。G1・G2よりG3が高いのは部分合成か100%化学合成かという性能面の違い、といえるかもしれない。しかし、実売価格ではG1・G2との差は500円程度。G3がめちゃくちゃ高いとは思えない程度の差。

CT125 に入れるなら?

前回が去年の8月の2250km。今は3300km程度なので距離としては2000kmも走っていないが、半年以上経過しているので普通の交換サイクルで考えればそろそろ頃合いになっている。

obally.hatenablog.com

現在CT125に入れているのは「Penzoil Fastrac Titanium 4T 10W-40」、100%化学合成。納車時から使い続けていて性能的にはまったく申し分ないと思っている。林道での低速高回転で熱ダレ気味になることはあるが、どんなオイルでも発生する程度問題だ。あとFirestormやNM4でも使っていた経験では期間や走行距離による劣化が少ないというのもある。NM4では普通に1年サイクル・6000kmぐらいでの交換だったが、めちゃくちゃオイルが汚れてた、極端にシャバシャバになっていたみたいなことは無かった。つまり性能を維持する期間が割と長い、長持ちする。その点で行くと半年というのはまだ早い(もったいない)とも言えるが・・・。

問題点は二つ。

  • 高価格
  • 入手性の低さ

1L 4500円という値段は、(まぁモチュールなんかと比べれば)バカ高いとまではいわないまでもそれなりに高いオイルではある。この銘柄を購入しようとすると馴染のバイク屋に買いに行くしかないというのもネック(通販サイトでもなかなか見かけない)。
ということで次回は純正を試してみようと思う訳だ。

で、具体的にどれにするか。

前提として、標準オイルであるG1で大きな問題は発生しないだろう・・・普通に走るなら。CT125は通勤で使っていないので、ツーリング前にしっかり暖機運転をすることになるので5Wという冷間性能は必要ないとも言える。
となると、選択肢はG2かG3。ツーリングでの連続走行時や林道での低速高回転でさらされがちになる高温域での性能で選ぶことになる。

あぁ、「Penzoil Fastrac Titanium 4T 10W-40」はFirestormやNM4では良いと判断しているが、これらのバイクとCT125では大きな条件の違いがある。

  • 排気量の差、それにともなうオイルの量の差。
  • オイルフィルタの有無。CT125はオイルフィルタが無くストレーナのみ
  • カブ系エンジンは自然空冷エンジンFirestormやNM4は水冷エンジン1であること

オイルの量が少なければその分オイルに負荷が掛かりやすいし、オイルフィルタが無ければ汚れた状態(不純物が多い状態=想定の成分と違う状態)が長く続くことになる。
特に水冷か自然空冷かという違いは大きく関わってきそう。水冷は電動ファンのついたラジエータによる強制冷却がかかるが、空冷は走行風のみの冷却。つまり、自然空冷のCT125は低速高回転での温度上昇が大きいということになる。

CT125はオイルフィルタがない。となると、高いオイルを長く使うより安くてもそれなりに頻繁に替えた方が良いんだよな。そう考えると余計にホームセンターで安く買えるホンダ純正の方が良いのか・・・。

いや、だからどれにするの?

「どれ」っていうか、G2 or G3 の二択まで絞り込んでるよ。

高負荷にさらされ熱量が大きくなることを考えると10W-40のG2。昔ながらの考え方だが。
高熱になっても熱ダレしにくく進化しているようなら10W-30だけど100%化学合成のG3。

どちらにしても長く使うことは考えず早めに交換したとしてもトータルコストでは安くなるはずだが。

だからさぁ、どっちに決めたの!?

どっちにしようかなぁ・・・。

・・・

結局どっちも買ってんじゃねーか

さっさと替えーや。

いや、なんかいざとなったら、まだ勿体ない気がして・・・


  1. スクーターも多くは空冷(最近のPCXなどは水冷)だが、走行風をフィンで冷却する「自然空冷」ではなく、クランクシャフト連動のファンで吸った空気をフィンに当てる「強制空冷」。当然、低速域での冷却効率は強制空冷の方が高い。