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バイク用ライトトレーラー - (1)構造について

今回は戯れ言・妄想です。

トレーラーといっても、バイク「を載せる」方じゃなくてバイク「引く」方の奴ね。
最後に説明するが、頭の中を掃き出そうとして書きかけのまま放置していたメモをベースに記事を書いているので、あまりまとまっていない。図も(無いとわかりにくすぎるから)OpenOfficeのDrawを使って描いてはみたが、正直めんどくさくなってかなり適当。

バイクの積載量大幅アップの(最後の)手段

・・・として面白いんじゃないかな、と。

単に面白そうというのもあるが、災害時の代替輸送手段として活用することもできるし、この際いろいろ調べてみようと。

トレーラー自体の構造

バイクで引くトレーラーの場合、大体以下の2種類になる。トレーラーを曳くバイクのことを一般的な名称で以下「トラクター」と呼ぶが、今回はバイクに限った話なのでそのままバイクと表現する。
図中の水色の部分はスイングアームなどの可動パーツ、赤色は可動部品の軸を表す。

1軸2輪タイプ

1軸の両側に1輪づつ、これで「1軸2輪」。簡単に言うと「リアカー」を考えれば良い。この図ではスーパーカブでリアカーを引くときのように、車軸(サス下)ではなく車体(キャリア)に締結する想定で描いている。あと、名称や図は「1軸」で表現しているが、別にアクスルシャフトが通っている必要はなくて、左右の車輪の車軸が同一線上に並んでいるものもこのように表現される。実際、リアカーで左右で同じアクスルシャフトを通しているものはほとんど見かけない。

このタイプの何が良いって、流用できるベースとなるトレーラーの種類が多いこと。つまりリアカーを改造すれば比較的簡単に作れそうってこと。リアカーをベースにするなら外せばそのままリアカーとして人力で曳けるので災害時の汎用性は一気に高くなる。まぁ、リアカー自体がそんなに安い物では無いから、バイク専用に改造してしまうのは気が引けるが、基本的な構造としてそれなりにしっかりしたモノが最初からあるという点では手を付けやすい。

冒頭に挙げた「災害時の代替輸送手段」ってのもリアカーを原付で引っ張る事例の話だし、一昔前の田舎(うちの実家あたりの事だが)では、近所の爺さんがスーパーカブのキャリアにリアカーの引き手をロープでリアキャリアに繋いで畑に行く様子がよく見られた。
ただ、これらはあくまで「非常時」だったり「のどかで素朴な昔」という「現在の平時」ではないから許された訳で、ツーリングとして使うならちゃんとしていないといろいろとマズかろう。ゼロから作成するにしろ、ベースを改造して仕立てるにしろ、ヒッチでしっかり車体と固定し、どうせなら脱着可能なものを考えてやる必要がある。

1軸2輪タイプの欠点は、バイクとしての機動性の1つ「車幅が狭い」=「狭いところでも通れる」というバイクのという利点を無意味にしてしまうというところ。
なんせ左右2輪の間に貨物を積載するので、その分の車幅は確実に必要になり、この「トレーラーの車幅」というのは、イコール、トレーラーの左右の安定度であり、積載量に直結する。狭すぎると横転しちゃうし、載せられる荷物の大きさも限られてしまう。かといって広すぎると狭いところを通れない。

ヒッチ構造:ボールジョイント

1軸2輪トレーラーは路面に対して平行を保とうとするのに対し、曳いているのはバイクなのでコーナーリングでバンクする。左右の回転(ねじれ)方向に対しても可動するタイプのヒッチが要求される。四輪のトレーラーヒッチではボールジョイントが一般的(トレーラーとトラクターでねじれ方向にかかる角度が変わる)で、これに近い物はジョイントを汎用部品として入手可能だが、自在継手のように左右回転可能なものなら転用できるだろう。

汎用部品としてはこんなものを見つけた。

www.monotaro.com

1軸1輪タイプ

「 バイク ライトトレーラー 」とか「 moto trailer 」で検索すると結構多く出てくるのがこれ。
トレーラー側は一輪で、主な加重はトレーラー側の車輪とトラクター側で分散することになるが、1軸2輪と異なりかならず前後に分散させなければならないのは必至なので、必然的にトレーラーの車軸は荷台よりも後ろにしなければならない。
トレーラーの幅を広げることができないが、二輪車の走行感覚に影響を与えにくく、バイクの走行感覚重視で選べばこちらの方が良さそうだ。

バイクのライトトレーラー向きの構造だが、裏を返せば汎用性は落ちるということになる。
バイクから切り離して人力で曳くことを考えると、工事現場の一輪車、いわゆる「ネコ車」のように人間が左右のバランスをとって曳かなければならない。

ヒッチ構造:水平方向

1輪なのでコーナーリングではバイクのバンクに合わせてトレーラーもバンクする。というか、バイクに追従してバンクしなければ曲がれないので、ヒッチは地面と水平方向に首振りするだけでねじれ方向には可動してはいけない。ボールジョイントなどより構造は単純になるが、その分ねじり方向の力に耐えるだけの強度がヒッチとトレーラー側に要求されるということになる。
減速時にトレーラーの慣性をヒッチ部分で受け止めることになるが、ボールジョイントのようにねじれ方向に自由に動かないためトレーラーが暴れにくくなるのではないかとも考えられる。

ヒッチの固定位置

加減速や外乱によるトレーラーの「暴れ」という点では、トラクター側のヒッチの位置による影響も考えられる。

バイクであるなら、ヒッチを取り付けられる位置は大きく2カ所に絞られてくる。真っ先に思いつくのがリアキャリア、もう一つはリアアクスルシャフト。この2カ所の違いというのはすなわち「サス下」「サス上」かという違いになる。

「サス上」

リアキャリア・・・車体のフレーム側、つまり「サス上」でありなおかつ車体後端にヒッチポイントを設定するということは、トレーラー側から伝わる前後左右上下の力をサス上で受け止めることになる。上下動するトレーラーに合わせて車体が受ける力を受け止めることになるが、特にリアサスが受けとめる加重が通常より増すってことになる。ということはトレーラーを締結し、積載した状態でのリアサスペンションの調整が必要になる。
走行する期間でトレーラーを付けっぱなしであればまだ良いけど、せっかく分離可能なトレーラー式なのに都度セッティングを替えるというのも何だかなぁ・・・ってならない?

ヒッチポイント候補:リアキャリア

「サス上」であってもフレームの低い位置であればまだマシだが、やっぱり固定しやすいのはリアキャリアになるんじゃないかと。キャリアが無ければグラブバーなども考えられる。
リアキャリアということはフレームにかかる位置としては結構高い位置になるわけだが、これはそれなりのリスクが発生する。

1軸2輪のリアカーを繋ぐことを考える。
基本的に積載物の加重はトレーラー側の車輪で受け止めることになるが、トレーラーの車軸よりも前側に重心を寄せて車両側と分散させることもあるようだ。というのも、完全にトレーラー側にしてしまうと、減速時や登坂時にトレーラーの重量によって車軸を中心にトラクターのヒッチを上方向に引っ張る力が発生してしまう。それはバイクからしてみればリア側を「吊り上げる」力が掛かりやすいということ。

これまた極端な図だが、要因が重なるほど危険性は高くなる。

  • 重心が車軸より後方
  • ちゃんと荷台に固定できておらず後方にずれる
  • 上り坂
  • トレーラーの総重量に対してバイクの重量が軽すぎる、バイクの重心が前方すぎる

車軸のセンターに重心があってもちょっとした前後バランスの変化(加減速)により重心が後ろに移動することになる。 こうなると、リアタイヤに対する加重が減少→トラクションが減少、リアブレーキも効かなくなり危険な状態に陥る。そう考えるならトレーラーの車軸より重心が前になるように積載するか、専用設計するなら最初から荷台(デッキ)を車軸より前方にするのが良いだろう。

こんな感じが考えられる。

「サス下」

通常のバイクの感覚で行けば「サス下」を軽量化することでサスの動きが軽くなり路面追従性が高まる
バイクとトレーラーが完全に固定されてトレーラーが車体のみで支えられていればこの通常の感覚はそのまま適用できるかもしれない。が、実際はヒッチという可動部品でつながっているし、しかもトレーラーもタイヤで地面に接地している。加減速時にはバイクにかかる慣性とは独立したトレーラーにかかる慣性がヒッチを通じてバイクに伝わることになる。
ラクターであるバイクの加重は最終的にフロントタイヤとリアタイヤが地面に伝えて支えているわけだが、このバイクの車体とは独立した力(外力)をバイクの車体で受け止めたときも同じだ。
トレーラーからトラクターに伝わる加重のほとんどは、後方から最も近い位置にあるリアタイヤが受け持つことになるのだが、前述の「サス上」にヒッチを固定すると言うことは、直接は「サス上」である車体(フレーム)で受けることになる。
ということは、トレーラー側からの力によって車体を揺さぶられることになるが、サスペンションの摺動(スイングアームの上下)と車体(フレーム)の軋みによって幾分か吸収されることになる。

ダラダラと文章で書いてみたが、めっちゃ端的に表現すると乗り心地と操作性が悪化する。

だったら「最も地面に近いリアタイヤの中心に結合してしまうのが最も効率がよくなりそう」というのがこの形式ってこと。

利点をまとめるとこうなる。

トレーラーからの外力(加減速の前後、上下動)を受けた際のサスペンションによるボトム/リフトが少ない。

これは車高が高いバイク(スポーツバイク等)ほど恩恵は大きい。

ヒッチポイント候補:リアアクスルシャフト

すでに答えが出ているが、リアタイヤにもっとも近い位置となるとリアアクスルシャフトに共締めがもっとも合理的な位置ということだ。
ヒッチの位置が低く、加減速時の前後方向の慣性はそのままリアタイヤに直結、ギャップによる上下動もある程度トレーラーに積載して加重がかかっていればヒッチがアクスルシャフトを軸に回転するような力で分散される。トレーラー側のタイヤにサスペンションが仕込まれており、積載物へのショック吸収と路面追従性を高めることが可能。
バイク用・自転車用問わず、多数の既製品(ヤフオクで販売されている自作品含む)のがこの形式となっていることからもわかるとおり、おそらくこのタイプがバイク用トレーラーとしてもっとも完成度が高いと考えられる。

kipmoto.com

これなんか完全にオフロード向けのタイプ。

ただ、この形式にもいくつか課題無いわけでは無い。

  1. トレーラー側からの応力はアクスルシャフトに対する剪断応力へ集中する
  2. トレーラーの切り離し時に毎回アクスルシャフトを抜く必要がある
  3. 貫通式のアクスルシャフトではない車種(ユニットスイング式のスクーターやプロアームの車種)では適用できない

バイクのコンディションを気にする人が一番心配になるのは 1. だろうか。
そもそもが走行に対して重要部品なのでここをつかうのはどうかと。まず完全に車体の設計想定外の力が掛かることになるので、破断のリスクは常にあるものと考えなければならない。
まぁ、標準のアクスルシャフトの長さでは足りないだろうから長いものに差し替えて取り付けることになると思うので、常に元の状態に戻せるようにアクスルシャフトを積んでおくぐらいのことはしたい。もし破断したとしても折れるのはシャフトだけだろうし、まめに点検していけば予兆は気がつくだろうし。

気軽にトレーラーを切り離すことを考えるなら 2. も気になるかもしれないが、専用に長いアクスルシャフトを使うなら、最初からこの部分に脱着可能な仕組みを付けておくのがいいのかも。

3. については次項につながるが、左右から後方にアームを伸ばすような位置が想定されるので、非対称の場合は別の方法を検討しなければならない。

ヒッチポイント候補:スイングアーム

アクスルシャフトでなくとも「サス下」という点ではスイングアームに固定できそうな車種もある。

左右ダブルサスペンションの車種ならサスのスイングアーム側ボルトに共締めするとか。
ほかにもスイングアーム自体に固定できそうな部分があれば流用できそう。例えば、

CT125のタンデムステップを外したボルト穴なんてちょうどよさそう。

どこにするにしてもアクスルシャフトから離れてしまうので、スイングアームに強固に固定できるかどうかが乗り心地と運動性能向上のカギになる。

スクーターなどのユニットスイング式懸架や片持ちのプロアームの場合、片側に固定することも検討に値する。
自転車用の1軸2輪タイプだと、シャフトの片側に固定する「片持ち」アームの機種が存在する。

www.cb-asahi.co.jp

こういう奴。

これの応用で、例えばスクーターのドライブベルトケース(?)のどこかやサスペンションのボルトにステーを固定できればいけそうな気がする。ただし、片側だけではねじれに対して十分な強度が出ない可能性が高く、バイクと供にバンクさせる1軸1輪タイプでは結構厳しいような気がする。

「何」で「どうやって」引くのか

さて、ここまで一通り考えてみたわけだが、

  1. トレーラーの形式を考えるなら
  2. 重要部品のヒッチの位置と構造を検討する必要があり
  3. バイクによって適用可能なヒッチ構造は変わってくる

と言うことは、

  1. どのバイクで
  2. メインの用途はどちら(防災orツーリング)なのか(つまりベースは専用タイプなのかリアカーなのか)

を考えないと話がスタートしないということになる。

「どのバイク」といってもバイクは今2台しかないし、スポーツバイクであるFirestormで牽引する気はこれっぽっちも起きない。となるとCT125しか無いのだが、小型自動二輪以下で曳くとなると法令的制約が結構大きくなる。そこで法令に付いての考察が必要になってくるわけだが、それらは次の記事に寄せることにする。

すでに実行している例はネット上に多数挙がっているのでそれを参照とするとして、「正直どうなんだろう」の中身についても次回の記事にて。

続く。

obally.hatenablog.com