Horize用のグローブを買いにワークマンプラスにふらっと入ったら売ってたので思わず。
やっと出回るようになった?
去年の時点でFUKUさんのこの動画を見た後『お、結構良さげやん?』ということで近所(ただ一番近いというだけ)のワークマン(平日の昼休み)に行ったら「それ昨日に1本だけ入ってすぐ売れました」となり、結局、ワークマンにはその1本だけ入ってその後音沙汰が続いていたのでそのまま忘れていた。
どれだけ宣伝されて良さが解ったところで、入手できないならそりゃ醒めるわっていう。
で、今回本当にまったくたまたま寄ったワークマンプラスのキャンプコーナーにポンと2本おいてあったということで、自転車グローブと同時に購入。
ワークマン フルタングナイフ
これについてはワークマン公式にも製造メーカーの高儀にも情報が出ていない。・・・売る気あるのか?
大まかなディテール
- オーソドックスなトレーリングポイント(か、ほとんどドロップしてないドロップポイント)。
- スカンジグラインド(チゼルグラインド)
- フルタング
- ヒルトにフィンガーガードがないストレートに近いハンドル
ひとことで言えば、いわゆる「ブッシュクラフトナイフ」のデザインラインほぼそのままの印象。ブレード長は10cm(エッジ部分)、刃厚は3mmでまぁこんなもんだろう。
ちょっと変わってるところといえば、ハンドルのスパイン部分が若干オフセットされているところか。これならバトニングの際にハンドル側を叩いてしまったとしても、ハンドルを叩いてしまって固定ピンが弛んでくるなどダメージをうけにくい。まぁそんなところヒットしてしまったらブレード側に負荷がかかってしまうので良くないことは解っているものの、薪にブレードが食い込んでしまって抜けないときとかハンドル側を叩くことは偶にある(扱いが雑)。
スカンジグラインドやフルフラットグラインドは、研ぐ際にはフラット面に押しつけながら研げばいいので楽⇒メンテが楽という印象がある。スカンジやフルフラットでも、小刃(マイクロベベル)が入っていてこれを立ててやれば十分なので、実際にそこまでガッツリ研いだことが今までに無いから「印象」でしかない。
今回の物も、やはりごく細いベベルが入っている。とはいえ非常に細い「ほんの気持ち」ぐらいな感じなので、もしかすると本当にバリ取りした程度のものかもしれない。
箱出しでの初期刃付けは十分。あとはこれがどこまで続くか。
鋼材:420J2
最近はあまり聞かないが、一時期は廉価グレードのナイフ鋼材として「420J2」をよく見たけど、最近はナイフ系ではあまり見かけない?(最近あんまり買ってないので自分が見つけてないだけかもしれない)
変に新しくも古くも無い鋼材で、素性の良いオーソドックスな鋼材という印象。ステンレス鋼のなかでもわりと炭素鋼に近い性質らしいが、個人的にはいっそハイカーボンでもいいんじゃないかとは思う。
ハンドル
特にハンドル回りだが、ほんのり、キッチン包丁の雰囲気がある。ハンドルの素材は「合板」とのこと。この辺は包丁のノウハウを流用して作られている可能性がある。
付属シース
付属のシースはブラックの牛革。一見安っぽそうにみえるがモノ自体は意外と悪くない印象。縫製はしっかりしているし、厚みも十分あるためしっかり造られているように見える。ただ、ぱっと見だと合皮に見えるんだけどパッケージには牛革とあるので牛革、なんだろうな。
まぁ、細かいことを言えば、ハンドル部分までシースがカバーしていてこれは不要・・・というかピッタリとハンドルに沿わせる形に成形できず中途半端に広がってしまっている1のが正直好みでは無いとかいろいろあるにはあるが・・・特に、このナイフをブッシュクラフトナイフとしてではなく「たき火の友」としてつかう・・・つまりベルトループで腰から下げたりせずに使うのであれば、シースとして必要な要件は十二分に満たしているな、と。
シースについてはカイデックスか本革で自作する手段を習得しているので「まぁダメだったら自作するかぁ」程度には考えていたが、とりあえずは付属シースを継続使用することにする。
テスト
買った当日に包丁代わりとしてジャガイモやらベーコンやら(ジャーマンポテト作った)を切った。刃厚3mmのスカンジグラインドなので、料理包丁やフルフラットグラインドのナイフのようにスムーズな切れ味とはならないのは仕方ない。それには慣れている(包丁のような切り方はできない)ことをさっ引いても、調理用ナイフとしてそこそこ悪くない「刃の通り」(?)でわりとマジで汎用的にいけそうな感じがする。
あとは、バトニングなど荒っぽく使ったときにどうなるかだが、これは実際にやってみないとなんとも言えないところ。
しゃーないので薪買ってきたわ。
・・・なんか高くね?前500円ぐらいで買えた気がするんだけど。
普通にバトニング。
ブレード長が10cmで刃厚も3mmなので割れる薪の大きさは低いが、まぁ一応できなくはない。
その分、細かい作業はしやすいので1本でなんでもやるなら十分って感じだろうか。
ちょっと使ってみた程度なのでアレだけど、この程度では流石に刃潰れなど発生しない。
使ってみた感覚としては「バトニングするにはやっぱり小さい」。特に刃長が短いので刃を入れても先端が出る長さが短いのでハンマー代わりに薪を叩ける部分が短くなってしまう。
そもそもがブッシュクラフトナイフということで「これ1本で工作から料理からなんでもやる」という、ある意味で縛りプレイを楽しむようなものだ。汎用ナイフとしては良くても、薪割をするならもっと大きい鉈とか斧を使った方がいいのは当たり前。しかし少なくとも前に使っていたBushmanよりは刃厚がある分「割り」はやりやすいと思った。
ホームセンターで買って全然使ってなかった2000円ぐらいの剣鉈でバトニングしたらすげー使いやすいでやんの・・・。
とりあえずしばらく使うつもりではいる・・・
ブッシュクラフトナイフを探せばブランド物が8000円以上でいろいろと出てくる。それを考えるなら約4000円程度で購入できるならかなり良いと思う。
で、そのうえでの話で。
このナイフを「ブッシュクラフトナイフ」として使うならともかく、「焚き火の友」つまり薪割りとして考えると、やっぱり使い勝手が悪いので、最終的には別のナイフというか鉈かなにかに置き換えることになるだろうと思う。
というのは、ナイフに関してはブッシュクラフトのように「1本でなんでもやる」という方向性が自分には無い。ナイフも薪割り用とは別にLethermanのSignalと、バックアップブレードとしてBuck MiniStriderを持っていく。薪割りをメインにするなら鉈の方がいいとなればやっぱり鉈を使いたい。そもそも薪を半分に切るときにのこぎり使ってるわけだし。
それから、ワークマンに限らずだけど、この手の商品というのは『これいいな』と思った物に限ってモデルチェンジもされずに収束してしまうことが多い。それにワークマンの場合は「出たよ」と紹介されても出回らず結局見つからないことがかなりある。このナイフを知ったFUKUさんの動画でこの後にもワークマン製品の紹介がちょいちょい出てきていて、それに対してコメントを書いたこともあるけど、「紹介されても買えないなら意味が無い」。キャンプブームも終局にむかっている今時に品薄商法されてもね。
ちなみに、このナイフはワークマンで販売しているが、製造は高儀。高儀といえば工具や農具系メーカーで国内では実績のあるメーカーなので、本気で安定供給をめざすつもりならできるはずだ。
商品検索結果ページ – TAKAGI – 株式会社 高儀(タカギ)
商品検索結果ページ – TAKAGI – 株式会社 高儀(タカギ)
高儀は「KANUCHI OUTDOOR」というオリジナルブランドでアウトドアギアを出しているが、20024/08 現時点でこのフルタングナイフはラインナップに入っていない。これはワークマンやFUKU氏に絡む部分だからなのかもしれないが、公式サイトに「KANUCHI」でブランドページがないのでまだ展開準備ができていない可能性もある。
とりあえずしばらくは「ブッシュクラフトナイフを使ってみる」程度のつもりで、いつも通り適当なパラコードでランヤードをつけた。次回のキャンプで実用する予定。
- 本革は水を染みこませることである程度成形できるはずだが、なんかいまいち水を吸ってくれないというのあって、合成皮革だと勘違いしていた。↩