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BUCK Mini Strider SpearPoint 881SP

久々に。
一つ前の記事が1年半前なのには見て見ぬ振りしてナイフネタ。

「いいなぁ」とは思いつつも → 結局買う

久々に買ってしまった。
きっかけはやっぱり関市刃物祭り。そういやSkeltool CXを買ったのも刃物祭りだったけか。
以前よりショップサイトで見かけて気にはなっていたものの、そのうち在庫が掃けたのか見なくなってしまったため忘れていた。
ところが、今年、別件で立ち寄った刃物祭りでこれがケースに飾られていてふと思いだし、一晩悩んだ末、結局、翌日に出展していた販売店の店舗に赴き購入。

半分衝動買いに近いもんだが、やっぱり、現物を見てしまうとだめだな。すでに廃版で「もしこれを逃したら」だったのも大きいが、写真で見るより実物をみたときに「これは良い!」とストレートに思えてしまう。Skeltool CXでもそうだったな(買う前は高いCXではなく無印を買うつもりだった)。
俺はナイフの購入に通販もよく使っていたけど、写真では良さげだった物が実物がきたら「うーん・・・」となってしまうことは良くある。逆も真なり、ってところか。

ネットショップもやっているところだが、在庫は店舗と共通。このとき在庫は2本で、状態の良いものを選ばせてもらった。多少値段が高くても、こういうものはやっぱり実店舗で買う方がいい。

レビュー



さて、前置きが長くなってしまったが本題。

BackとカスタムナイフメーカーStriderのコラボモデル。Striderっていうとタクティカルナイフ(定義がいまいちわからんが)業界では有名らしくネット上でもちょこちょこ見かける*1

これは「Mini」Striderであって「ミニ」じゃないノーマルサイズのモデル(880SP,880T)もあるが、ブレード長が自分にとっての最適の長さに近いから。
・・・という理由をつけてみたが、実際のところブレードとハンドルの長さのバランスが「ミニ」の方が好みだったってのが本当の理由。

「881SP」の末尾の「SP」はスピアポイントを指し、タントーポイントは「881T」となる。
つまりこの時期のこのシリーズはノーマルサイズの880とミニサイズの881があり、それぞれにスピアポイントとタントーポイントがあるので都合4タイプ存在することになる。
さらに後継モデルっぽい「Buck Strider 889」というシリーズも出ていたよう(こちらも廃版)だが、ハンドルのデザインが881/880のストレートを基調としたものから変わっており、特にハンドル後端(尻側)の形状があまり好みではない*2。(あとから見たら889のハンドルも悪くはないかなぁと思わなくもない・・・ブレードのデザインがクリップポイントかタントーポイントっぽい感じで長めなら、バランスが取れていいんじゃないかなぁ)

初めて手に取ったときの感想は「小さいのにゴツい」。なんというか「カタマリ感」があるな、と。
ブレードの厚さは4mm、これを挟むチタンライナーとG10ハンドルをふくめて、ハンドルの厚さは15mm。
ともかくガッシリ感は半端なく、今まで買ったフォールナイフの中で一番丈夫なんじゃないかと思う。


Lux Proと厚さを比較。


ブレード。
スピアポイントで緩いホローグラインド。表面はマット仕上げ。ブレード自体は特別凝った形状ではないが、ブレードスパイン(峰)から中子(なかご)の先まで延びていて、肥後の守の「チキリ」みたいになっている。このチキリの根本の先の丸い部分が円筒スペーサに当たって止まるわけだが、チキリ部分にサムノッチが入っていて、グリップ感は抜群。

ところが、持ち方(人差し指の位置)によってはブレードオープンの際にチキリ部分とライナーの間で・・・




指の肉を挟みそうになる。というかちょっと挟んだ・・・
ライナーもブレードも面撮りされてなくて角が立っているのでちょっと痛い。緩めのグローブだと切れる可能性がある。なれるまでは注意が必要か。


鋼材はATS-34。今の高級モデルって言うとS30Vが多いが、このモデルが発売されたときに高級モデル向けとして多く採用されていたらしく、現在でも結構見かける。ちなみに日立製鋼(旧・安来製鋼)のブランド。
熱処理はBOS印。BOS焼はこれで3本目か。


コラボ先のStriderのエンブレムとBuckお約束の製造年マーク。モデルナンバー「881」ではなく「SB.2」とある。「SB」はそのまま「Strider Buck」なんだろう。後ろの「.2」はMiniモデルを指すのか、スピアポイントを指すのかは不明。880系と比較しないとわからないな。
製造年マークは開いたところが下向きの「コ」で2001年を表す。

Buckの製造年マークについては(未来の製造年含めて)こちらで詳しくまとめられている。
http://pmphotography.com/Links/buck_knife_date_codes.htm
http://blog.goo.ne.jp/kelu-cafe/e/7ecb9a4f68114b35510dcf204bad104e
元々はBUCKの公式サイト上で公開されていたものがベースらしいが、いつのまにか公式のほうから消えてしまっていた。



オープン・クローズは比較的固めの印象。ピポッドに入っている銅ワッシャーは最近主流のシリコンワッシャーではなく銅製が3枚。このうち2枚入ってる側のハンドル側は円形ではない。
見てくれこそ「タクティカル」っぽいけど、変なところで古風な感じがする。ま、シリコングリスよりも入手性が高いミシン油が使えるならそれに越したことはない。こういうのは嫌いじゃない。

ロック解除は固い。ロッキングバー(ロッキングライナー)の堅さというより、ロッキングライナーとブレードとの接触部分の摩擦によるものか。チタン独特のジャリジャリとした摺れる感じがあり、気持ちよくクローズという訳にはいかないが、もちろん個体差もあるだろう。買ったときにはこの「ジャリジャリ」は酷くなかったが、一度オイルを足してから酷くなった。もしかするとなにか埃を噛み込んでるのかもしれないということで、一度パーツクリーナーを吹いて再注油を行ったらスムーズさが戻った。が、素材が素材だけにこのジャリジャリ感が抜けることはないんじゃないだろうか。まぁロックはしっかり効いているし、無理にどうこうする必要性は感じない。開け閉めを繰り返していればこなれてくるだろう。

サムスタッドは片側だけで左手でワンハンドオープンは正直厳しい。
やるとするならスパインのチキリ部分を親指で押して途中まで開け、人差し指をサムスタッドに掛けて起こすって感じかな。




こんなかんじで。
できなくないが積極的にやる気はしないな。


G10ハンドル全体に施されたチェッカリングがいい感じに手のひらに食いついてかなり滑りにくくなっている。ハンドル後端の斜めに切り落とされている部分が手のひらにフィットしてとてもいい感じ。

小さいのに無骨、そこがいい・・・

「Mini」を選んだ理由として、「ハンドルの厚さは大差ないのに小さい」ってのもある。小さいくせにゴツい。ギュッと圧縮された感じがたまらない。以前書いたBuck Vantage(341GY)もそうだけど、自分にとって安心感のあるフォールディングナイフってのはこういう感じのものなのかもしれない。上品さ二の次、みたいな。

正直、これについてはキャンプで実用云々は考えずに買った。サイズ的にも(俺ジャッジでは)実用ナイフの範疇だが、初めて2万円オーバーの買い物*3なので「もったいない感」の方が強い。

でもいいの。この頑丈っぽさがあれば。


Spec

  • メーカー : Buck Knives
  • モデル名 : Mini Strider Spearpoint 881SP
  • 製造年・ロット :2001年
  • MADE IN : U.S.A.
  • ロックタイプ :ライナーロック
  • ポイント形状 :スピアポイント
  • ブレード素材 :ATS-34 (BOS)
  • ブレード長 :74mm
  • ハンドル素材 :チタン(ライナー)、G10(ハンドル)
  • ハンドル長(折りたたみ長) :110mm
  • 重量 :111g
  • 購入価格 :21,000円

※ここでいうブレード長は、ポイントからピボット中心を結ぶ直線上で、ハンドル端までの長さ(つまりリカッソの長さを含む)。

余談 : 選択肢フリーダム化

さて、このMini Striderの入手でもってナイフ集めは一息・・・とはならず、よけい酷くそして変な方向になってきた。
オーソドックスなものに関しては満足して安心。逆に今まで手が出なかった「変なもの」「変わり種」が気になってくる。

ということで、次回以降は「なにこれ?」がきっかけで入手したナイフをメインに順不同で紹介していこうと思う。あくまできっかけが「なにこれ?」であって、その中でも気に入ったものは結構あるが、中には本当に「どうしようコレ」な物も・・・。


むしろコレクション趣味的にはここからが本番・・・なのか?

余談2 : はかりを買ってみた

記事のために買ったわけじゃないけどね。

*1:ストライダー」ってぇと、これまでは「飛竜」か「エイリアン謹製三本足の機動兵器」だが。

*2:あと製造が中国に移行した時期であまり質がよろしくないらしい。実物を見かけないのではっきりとしたことはわからないが。

*3:実際に購入するときはセール中だったので、値引きしてもらってなんとか2万は切ったんだけどね。いいタイミングだったな。