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BUCK Vantage Avid Small 341GY


BUCK Vantage Avid


ちょっと(ちょっとか?)間があいてしまったが、ともかく続きを更新。

そういえば、初めての木製グリップ。

ここまでLux Proの身代わりとして、値段が安くてそこそこのモノを買ってみた。が、やっぱりどこか物足りないというか、微妙に「違う」感が拭いきれずにいた。

で、ちょっと条件を変更してみる。
どうやら、Luxと同等な感覚にするためにはフリッパ*1が必要っぽい気がしてきた。そこで、

  1. ほぼ同サイズ
  2. フリッパがついている。
  3. ライナーロックまたはフレームロック
  4. 10000円以下
  5. ハンドル素材は問わない

こんな感じで探してみる。

で、いろいろみた中で、こいつが気になって購入したと。

いままで色々とナイフを買ってきたが、こういう木製グリップは、実はこれが初めてだったりする。

レビュー



全体的な印象として、今まで購入したモノより「ゴツい」。グリップがラバーや樹脂でなく木製のおかげで多少は高級感はあるが、シルエットはあくまで実用的な印象。逆にこのグリップとコーティングなしのブレードのおかげで、オーソドックスで柔らかめの印象をうける。
(あくまで今まで中では)異質な感じがする。




ブレード。

エッジにストレート部分が長く、その分ポイント近くのカーブがきつめ。幅が十分にあって汎用用途ならばっちりな感じ。調理から工作までってところか。



素材は「13C26」。Sandvikというメーカーの鋼材らしい。これにBOSブランドの熱処理が施されている。このコンボで「S30V」に近い性質になってる・・・らしいのだが、やっぱり「硬めだな」という以上の実感はない。「硬めだな」という印象でいえばS30VのLux Proよりも強い(「154CM」のLETHERMAN Skeltool CXのメインブレードに近い)のだが。

硬さ感や幅の広さだけではない「頑丈さ」があって、コレはなんだろうと他のナイフと比較してみたら、ブレードの厚みが他よりも分厚かった。

モデルによって多少前後するが、今までのは2mm前後、Vantageは3mm。
ジェントルメンズフォールダであればここまでのブレード厚は不要なんだろうが、そういう意味ではVantageはよりフィールドでの実用寄りのナイフと考えていいだろう。おそらく、Vantage Small系ならAvid以外のモデルも同じだと思われる。






Luxと同様、フリッパがそのままヒルトになる構造。
サムスタッドはなく、楕円のサムホールが採用されているが、オープン時の一発目はフリッパを使うのでサムスタッドはなくても十分。

もちろん、フリッパを勢いよく押しながら軽く振ることで一発オープンも可能。頑丈さのおかげでLuxと違ってわりとラフに扱っても気にならなかった・・・のだが、フリッパを押す(弾く)指の爪が伸びていると、ハンドル材の背の部分をひっかくことになり、ハンドルの背が削れてしまった。

表面のコーティングというか、樹脂が削れてざらざらになってしまった。適切な補修方法がわからないので現状ではそのままにしてあるが、まぁハンドル材全体に影響はないと思うので、このままでもいいか。目立ってきたら木工ニスかなにかを塗ってみよう。




そのハンドル。

BUCKの現在のロゴがインレイされている。
木材でステンレスライナーを挟んでいる。写真では黒一辺倒に見えるが、ちゃんと木目も見える。樹脂でコーティングあるいは樹脂を浸透させている(詳しくは判らん)ようだが、プラスティッキーな安っぽさはなく、有り体な言い方をすれば暖かみがあり「ウッドハンドルもなかなか良いな」と思わせてくれる。

公式サイトには「Charcoal Dymondwood (R)」とあるが、Dymondwoodというのは社名(ブランド名)らしい。最近のBuckでは他のモデルでもこのハンドル材を使っているものが結構あるようだ。チャコール=木炭ということは、腐らないように炭化させているのだろうか?

表面に溝が掘ってありツルツルではない。そもそも、木目の繊維で微妙な凹凸があってハンドル素材そのものが滑りにくく、グリップ感はいい。

LuxやNoblemanのようなハンドルの板をスペーサで挟んだタイプに近い。ハンドル材 - ライナー - ブレード - ライナー - ハンドル材という感じでサンドイッチされている。
背中側はスカスカだが、バットは円筒のスペーサではなくブロック状。このブロックからポケットクリップが生えているのがLuxなどとの大きな違い。
ハンドル材とライナーあわせてもステンレス一体型ハンドルよりは軽いはず。さらにクリップも小型化されているから、このブロックでバット側を重くしてバランス調整しているのかも。



クリップ。

ステンレスクリップが大幅に小型化され、分厚いものを挟むことができなくなったが、その代わりに突起サイズが小さくなった。長さも短い。

Noblemanなどはベルトに挟んだりブーツナイフ的なキャリングが考慮されていたようだが、タクティカル向けでないユーザにはそこまで大型のクリップは必要ないと判断したのかもしれない(俺もそう思う)。公式サイトにはわざわざ「Charring system : pocket clip」と断っている。

クリップがバットから垂直に生えているため、胸ポケットに挟んだときに飛び出す部分がほとんどない。でも、俺はキャンプでワイシャツを着る機会がないから利点を見いだせない。

ジーンズの前ポケットならなんとか挟むことはできるが、やっぱり邪魔だろうな。ベルトに挟むのもキツいし、となると今までと同じようにフォールディングナイフ用のベルトシースか、ウエストポーチかレッグポーチにそのままinって感じか。いっそのことクリップを外してしまうのも手かもしれない。


やっと本命。


今まで購入したもの集合写真。

これだけ買って、最終的にVantage Avidに落ち着いた。
・・・長かったねぇ。


Vantageシリーズは派生モデルがたくさんある。最廉価のSelectから、
全体がブラックになったタクティカルモデルまで。ラインナップの広さを見ると、基本デザインはそのままで様々な派生モデルができた #110フォールディングハンターシリーズを連想する。
たしかに、バックロック+クリップポイントの#110は現在の主流型とは言い難い。もしかすると、#110系に変わるBUCKの新しいスタンダードモデルを目指しているのかもしれない。


Spec

  • メーカー : Buck Knives
  • モデル名 : Vantage Avid Small 341GYS
  • MADE IN : USA
  • ロックタイプ : ライナーロック
  • ブレード素材 : 13C26
  • ブレード長 :65mm
  • ハンドル素材 :CNC contoured Charcoal Dymondwood®
  • ハンドル長(折りたたみ長) :93mm

余談(その1)

ここまで散々「Lux Proがもったいないからその代用」ということで「Lux Proに近い感じのナイフ」を探してきた。

ここまでいくつか記事を読んできて、こう思う人もいるかもしれませんね。



『Lux Proに近い奴で探すなら、Lux AvidとかSelectにすりゃいいんじゃね?』




いやいやいや、確かにその通り。その通りなんだけど!
それじゃぁおもしろくないじゃん!
どうせなら他のシリーズもさわってみたいじゃん!
もしかしたら別なモデルでピッタリくる奴が有るかもしれないじゃん!


矛盾してるけど、この気持ち判る人には判ると思う。


・・・人はそうやって「コレクター」になっていくんだね・・・。

余談(その2)

しばらくイジっていて「やっぱりサムスタッドは有った方がいいんじゃないか」と思い、こんなものを追加してみた。






邪魔・・・

スタッド自体が大きすぎてブレードの背側に飛び出し気味になる。たしかにサムホールよりは指をかけやすく、オープンは楽にはなったが、ポケットやポーチから取り出すときに引っかかりやすくなった。安全面を考えるとあまりおすすめできないかも。
そもそもフリッパーもあるわけだし、サムホールなどの最近のオープン技ミックがないもの(それこそ#110とか)に付けるものであって、Vantageにあえて付ける必要は感じないな、と。

ちなみにこの製品、ブレード厚が3mmのVantageにはピッタリだが、これより分厚いブレードには使えない。サイズがいくつかあるようだ。
逆にこれより薄いものにも使いにくい。


結論:やっぱいらない。

*1:今まで「フリッカ(flicker)」だと覚えていたが、どうやら「フリッパー(flipper)」が正しいみたいだ。そりゃ確かにflick=引っかいてどうすんだって話だよな。