passive log strage

バイク , モバイルガジェット , アウトドア用品 , 腕時計 ・・・等。

1年目のPCX その1

去年の3月にPCXを納車してから1年半経過した。
PCX関連での最近の出来事をつらつらと書いてみる。

トラブル:バッテリー上がり?による始動不良

6月末、佐川急便の営業所に通販の荷物を行った帰り道。
荷物を引き取って、エンジンをかけて走行開始、2つめの信号待ちが終わって発車しようとしたらアイドリングストップ状態から復帰しなくなった。

キーを回せば通常通り電源が入るものの、セルスイッチを押すと一瞬回りかけて「ストン」と電源が落ちる。

  • システムを起動するだけの電圧はある。
  • かろうじてセルを回そうとすると、電圧降下。
  • FIなので、システムを駆動するだけの電圧が足らなくなった瞬間にシャットダウン。

地元のバイク屋さんに電話したところ「おまえ、アイドリングストップ入れっぱなしじゃね?」

PCXの納車は去年の3月。
あぁ、そういえば、慣らしが終わってから、アイドリングストップスイッチはつねに「ON」のままで使ってきた。
でも、それは去年度はほぼ毎日通勤のためにエンジンをかけてきた状態であって、今は通勤に使っていないので週に1回程度。
バッテリーはエンジンを回して充電されなければどんどん弱っていく。

さらに、アイドリング中の端子間電圧を測定したところ13V程度しか電圧がかかっていない事が分かった。鉛蓄電池は14Vあたりから充電されはじめるので、つまりPCXでアイドリング状態ではバッテリーは充電されなということになる。

で、最終的には念のためバッテリー交換することに。

ACGスタータの欠点?

それにしても、なんでこんな設計なんだろうか。

PCXのエンジン始動はセルモータの代わりにジェネレータをモーターとしてクランクシャフトを回す「ACGスタータ」が採用されている。
基本原理は「モーター軸を回すと起電力が発生する」という事の逆の発想で、ACG=ACジェネレータ=オルタネータに電圧をかけて、モーターとして使い、クランクシャフトを回すことでエンジンを始動する。

利点は多く紹介されており(まぁふつう欠点は紹介しないが)

  • セルモーター式のようにセルとクランクシャフトの間にギアがない。
    • 噛み合いによるロスがない。
    • ワンウェイクラッチ等*1による空転がない。
    • 結果的に回転開始から始動までのレスポンスがよい→瞬間的に始動するのでアイドリングストップシステムと相性がいい。
  • オルタネータとモーターが一体化されている。
    • 省スペース化、軽量化が可能。

ここらへんがFACTBOOKに載っている内容。


欠点については・・・ここからは思いっきり素人考えだが。

ジェネレータの発電容量を増やそうとすると、コイル巻き数などを増やすことが考えられる。
が、ACGスターターではオルタネータをモーターとして使っているので、コイル巻き数が増えれば、モーターを回すだけのパワーがその分必要になるはず。「ジェネレータの出力」と「スタータとして利用する際の必要入力」は比例すると考えられる。

ACGスタータの仕組みでは発電量が増える=始動時の必要出力が増える。二輪車に搭載するバッテリーの容量は大きくなく(原付二種程度ならなおさら)あまりジェネレータの発電量を大きくしようとすると始動に負担がかかる。

つまり、ACGスタータを採用する以上、あまりオルタネータの出力は増やせない・・・ということになるはずだ。

エンジンが大排気量になれば、エンジンを駆動するために必要な電力は増える。と、同時に、その分内部抵抗や燃料圧縮に必要な力が増えることになるため、クランクシャフトを回すのに必要な力=始動に必要な力が増える。
エンジンを駆動するための電力を確保したければ、オルタネータの出力を上げるしかないが、オルタネータの出力を上げるためには・・・。


というのが俺の予想(ドヤ顔)

まぁ、実際にはもっと複雑な話だとは思う。オルタネータの出力が低くてもアイドリング回転数を上げれば電圧は稼げるはずだし、バッテリーサイズを上げればカバーできるはず。これらとそれに伴う燃費低下や容積・重量増、価格とのバランスの結果、採用されているのが125ccクラス程度どまりってことなんだろうなぁ、と。

そもそも、アイドリングストップするならアイドリング中の充電はできない訳なんだし、走行中の電圧で充電を補うならはじめからアイドリング中のオルタネータ出力は最低限で良いと割り切ってしまったんだろう。

つか、アイドリングの回転数でバッテリー充電できるレベルのバイクはたぶんそんなに多くないんじゃないかな。


いづれにしても、アイドリングストップが有効なのは、ストップ&ゴーを頻繁に行う毎日の通勤だとかなので、休日しか乗らない今の生活でアイドリングストップは不用。ということで、俺個人の方針としては「今後はアイドリングストップをONにしない」で行こうと思う。



長くなってしまった。続く。

*1:エンジンが始動したらすぐにセルモータとクランクシャフトを切断しなければいけない。