購入順にこだわるのやめようと思う。使用頻度や特徴によって書ける内容の濃さが変わってくる。今後は書ける奴から書いていこうと思う。
スーツ用が無い
PROGAUSは普段の仕事で使っているが、スーツの時にはやっぱりちょっと大きいと思う。一回り小さいケースサイズの時計が欲しい。普段使いで重さはあまり気にならないが大きさはちょっと気になる。 ケースサイズが小さいといえば冠婚葬祭ファイブがあるが、これはあくまで冠婚葬祭用。白ダイヤルより黒ダイヤルの方が落ち着く。
スーツ用に買うならやはりバーインデックスがいいか。
MM200は万能選手だが、だからといってスーツ専用時計を持たないという選択肢はない。
Bambino (Orient Bambino SAC0004B0) はスーツに似合いそうでケースは薄いが、やや大きい。デザインも少しクラシカルすぎる。もうちょいモダンなデザインだなぁ。
無難オブ無難、そんな時計が必要だ。
(以上、言い訳終わり)
SEIKO Mecanical SARB033
[セイコー]SEIKO 腕時計 MECHANICAL メカニカル SARB033 メンズ
- 出版社/メーカー: SEIKO WATCH(セイコーウォッチ)
- 発売日: 2008/06/20
- メディア: 時計
- 購入: 2人 クリック: 220回
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- Amazon.co.jpにて 35,800円(タイムセール)
- Cal. 6R15D
- 今は無き「Mecanical」ブランド
Amazon.co.jpのタイムセールでちょいちょい安くなっていて、気になっていたSARB033。
レビュー評価も高いし他のBlogでも概ね好意的に取り上げられている。
曰く『機械式入門モデル』『プアマンズGS』。
現在はカタログから消えている「Mecanical」というシリーズで、このモデルも10年ほどまえに発売された物だそうだが、現在もなぜかAmazon.co.jpに在庫が入るし、ムーブメントも最近の物にマイナーチェンジされているらしい。カタログ落ちしているのにまだ販売されているとかなかなか不思議な状態だが、そう考えるととても気になってくる。
こちらの記事によるとカタログ落ちは2018年3月。定番商品(長く売れ続けるということはその分ある程度製造ストックしても問題ないハズ)だったようなので、ある程度の在庫がSEIKOの倉庫にあってそれが小出しに出てきているのかもしれない。あるいは海外向けとして残してあるのか。
見かける度に「あータイムセールで4万きってるなー」と思ってすぐに売り切れになるというのを繰り返していたが、カタログ落ちしているということは国内流通には出なくなるのも間違いないことでさすがにもうそろそろなんでは?ということで今回思い切って購入してみた。
もちろんタイムセールで3万台になっている時にね。
買ってみた
アンボクシング。
化粧箱はSEIKOの普通の奴。
裏スケなのにJIS第1種耐磁時計(4,800A/m)をクリアしている。また10気圧日常生活強化防水なので普段使い(雨や手洗い)で気にすること無く使える。
シリアル番号確認したところ先頭2桁は「95」。
この記事によると先頭1桁目は製造西暦の下1桁、先頭2桁目は製造月ということらしい。
このルールに沿うと「2009年5月」か「2019年5月」となる。SARB033の発売開始は2008年らしいが、上記の記事(2017/10/03の記事)の人の製造年は2017年でCal. 6R15Dの最新キャリバーとのこと。自分のはその後に新品で購入したもので同じくCal. 6R15Dで、2009年製造分が今更出てくるのはちょっと考えづらいので「2019年5月」だろうと思われる。しかし、2019年11月現在、カタログ落ちが2018年3月だとするとカタログ落ちしてからも結構最近まで製造されてることになりそれもなんだか考えづらい。うーん、2009年のデットストック分が出てきたのか、はたまたカタログ落ちしても製造していたのか、どっちなんだろうか?
ケース
リュウズ含まない幅は38mm。フィット感が良い。
MM200、冠婚葬祭ファイブとの比較。冠婚葬祭ファイブよりちょっとだけ大きい。こうして並べるとやはりダイバーズは大きいな。
お仕事用PROGAUSとの比較。やっぱりPROGAUSは大きい。サイズだけ考えると38mmはジャストサイズに思える。
ケース上面はサテン、側面以下とベゼルはポリッシュ。この辺はMM200と同じ標準的なデザインの系譜。
ケースのラグから側面にかけて段がついているちょっと不思議な形状。段の凹み部分のポリッシュはめんどそうな形だが、これはなにか意味があるんだろうか?
風防
この値段でサファイアクリスタル。自分の手持ちだとMM200(10万)とPROGAUS(7万)がサファイアクリスタルだが標準価格47,250円(実売35,800円)でコレっていうのは、SARB033が破格なのか他の時計がぼったくりなのか。まぁ、MM200は200m潜水防水、PROGAUSは耐磁シールドがあるので単純に比較は出来ないけど。
同じ黒ダイヤルのBambinoとの比較。ボックス風防は雰囲気は良いが映り込みやすい(曲面なので多方向からの光を反射しやすい)が、フラット風防なのでそこら辺は問題ない(ただし映り込む時には全面に映り込む)。実用性ならやっぱりフラット風防がいいな。
こうしてみるとBambinoとあまりサイズ変わらないのね。
ダイヤル・ハンズ
バーインデックスはアプライド。3時位置はデイト窓があるためアプライドではないが、デイト窓の右側に申し訳程度だが線が引いてある。バーインデックスの内側に夜光が薄く塗布されているが面積が狭いのもあって暗い。見返しリングのミニッツマーカーにはさらに細かく線が引いてある。ちょっと遠目から見ると細かい方の線は気にならなくなるのでデザイン上の意味以外は考えにくい。とはいえ、この時計の「几帳面さ」みたいなものを感じることは出来る。
時針分針はドーフィン針だがセンターに白線が引いてある。分針秒針の針先は見返しまでキッチリ伸びていて好み。ハンズにも夜光が載っているが、インデックスよりマシだがダイバーズと比べてしまうとやっぱり暗い。秒針の菱形のカウンターウェイトはネット上では評判はイマイチらしいが自分は嫌いじゃない。
PROGAUSに慣れていると机上でPCの横に立てておいてタイムキーパーとして使うにはちょっと小さく感じる。
リュウズ
大径で回しやすい3時位置リュウズ。
リュウズには「S」マークが掘られている。リュウズにロゴは入っているのって自分の手持ちだとPROGAUSとBlackAtlas(これは9時位置の内転ベゼル用)ぐらいか。
裏蓋(シースルーバック)
自分は裏スケにはこだわらないが、MM200が同じ6R15なので、「MM200の中身はこうなってんだろうなぁ」と思いながら眺めたりする。
ローターだけコートドジュネーブ加工がほどこされている。ローターだけであって「申し訳程度」感はするが、なんの加工も無いSEIKO 5とはやっぱり印象は違う。
耐磁のためには磁気シールドとしてメタルの裏蓋が必ず必要だと考えていたので、こんな状態でも耐磁性があるというのはちょっと意外だった。
ステンブレスだと裏蓋ガラスに傷が入るのが気になってくるが、そこはなんとか当てないようにするしか無いか。あるいは保護シートでも貼ろうか?
Cal. 6R15D
MM200と同じCal. 6R15D。最近(最新)の6R15は全て末尾記号「D」らしい。ネット上の評判では6R15は精度はあまり良くないとのことだが、「D」になって精度が良くなったとか。MM200で精度が低いと感じることは無い。末尾記号「D」まではっきりと解るのは裏スケのおかげ。
操作系はMM200と同じだがねじ込み式ではないので、
- 0段引き:巻き上げ(時計回り)
- 1段引き:カレンダー送り(時計回り)
- 2段引き:分針時針送り(時計回り)
リュウズの巻き感はMM200より「巻いてる感」が強くなっている。防水処理が強いダイバーズより動作音は良く聞こえる。
まだ精度は測っていないが、時計スタンドに12時上で立てた状態でおおよそ日差+10秒程度、昼間着けていてもおおよそ同じで全体的に進み気味の歩度調整になっているようだ。遅れるよりは進み気味の方が調整はしやすい。エイジングでまた変わるかもしれないが。
標準ブレス
MM200に近い疑似三連ブレス。ピンも同様で自分で交換するのは今回初めてだがやり方はすぐに解った。というか内側にピンにテンションをかけるパイプがあるだけで基本的に割ピンタイプとほどんど変わらず、「矢印の方に抜く」「矢印の逆側から入れる」だ。
フラッシュフィットは削り出し無垢だがBlackAtlasの標準ブレスと同様にバネ棒を抜くと外れるタイプ。
バックルはダイバーズのようなものではなくシンプルで短い普通の奴。バネ棒もよくある1.5mmのもの。
交換中に気がついたのだが、片側のバネ棒の先が曲がっていた。まっすぐな新しいバネ棒に交換したらラグ側のバネ棒の先が入る凹みにバネ棒の先が収まらない。この状態でフラッシュフィットを6時側と12時側を入れ替えると逆側が入らなくなるのでフラッシュフィットの穴がズレていて、凹みに押し込むために曲がったということか。腕時計のコスト削減のあおりは真っ先にブレスに反映されるようだが、時計本体の構成を考えるとこの辺が限界なのかもしれない。現状で曲がっているバネ棒を流用中。
一旦3コマ外し微調整外側で「珍しく一発でジャストフィットが出た」と思ったけど半日ほど着けていたら微妙に圧迫感があるような無いような。MM200が「ちょうど良い」になっているけどそれよりもちょっとタイト。3コマ外し微調整内側にするとちょっとダルダルになるが、圧迫されるよりマシなのででこれで様子見。
この標準ブレスで半コマなんてものは多分無いだろうな。そのためのバックルの微調整だがバックル自体の長さが短いため微調整は内側と外側の2段階しかない(MM200やPROGAUSは3段階)。SARB033は海外でも人気モデルなのでフラッシュフィット付きのサードパーティのブレスが存在するので、微調整が利かなかったらコマの小さいブレスを探すか。標準ブレス自体の質感は悪くないのだが、フラッシュフィットの件もあるのでこの辺はおいおい考えることにする。
ラグ幅20mmなのでレザーベルトは選び放題。MM200と同じなので使い回しが利く。MM200用にモレラートのレザー風ラバーバンド(ほとんど使っていない)があるのでそれを流用しようか。以前紛失したSNK809 にはBANBIの片開きバックル付き牛革バンドに換えていたが仕事で使うならそういうのもいいし、このデザインならクロコ押しとかでもいいかもしれない。逆にNATOだとカジュアルになりすぎな感じで似合わないだろうな。
ポジ要素
- 第一種耐磁時計や10気圧日常生活強化防水など、普段使いでまったく問題ないスペック。
- 4R系の上位ムーブメントであるCal. 6R15 搭載。
- シンプルだが視認性の高いダイヤル。
ネガ要素
- 質感は良いのに微調整が2段しかない標準ブレス。
- 標準ブレスのフラッシュフィットの精度。
- 夜光が暗い。
ひたすらオーソドックス
すごく高級感があるわけでも無いわけでもない。良くも悪くもない。
「オーソドックス」「普通」「平凡」「そつが無い」表現の仕方はいろいろあるが、そういう時計だと思う。
これは悪い意味では無く、標準的な形で変に凝らず基本を満たした時計という意味。ゆえに「機械式入門用」と呼ばれるのだろう。
ただ、「普通の時計が欲しい」だけならもっと安いクォーツ(似たようなデザインはいくらでもある)で良かったし、「デカい時計が欲しい」とか「ダイバーズが欲しい」という理由が機械式腕時計に繋がったので、こういう「普通の機械式時計」を自分が初っぱなから買っていたかというとそれは多分無い。
というか、時計に興味が無い人が入門(エントリー)としてこの時計を買うって、理由付けとしてはなんか弱いような気がしてならない。お金持ちならいきなりロレックスとかGS(グランドセイコー)に行くだろう。このモデルは『プアマンズGS』とはいいつつもそんなに高い時計っぽくはみえない。1本だけもつならソーラーGPS電波の方がメンテの手間がない分使いやすいはずだ。
「Mecanical」シリーズが無くなり機械式は「プレサージュ」に吸収されたようだが、この SARB033 に該当するモデルというものが現行モデルにはみつからない。
価格帯で近い SARY149 はCal.4R35だし、Cal.6R15を載せた SARX057 はチタンケースで13万円だ。 SARX035 はグリーンダイヤル、 SARX045 は紺色ダイヤル、数字が近い SARX033 は白ダイヤル(ならSARB035か?)で黒ダイヤルが無いし、これらも値段は1.8倍ぐらい高い。
そう考えると、プレサージュに統合されたことで全体的に値上がりした、と考えるべきだろうか。
エントリーモデルとしてのキャリバーはより廉価な4R系や7S系に譲り6R系は高級路線ってことだろう。そう考えるとProspexダイバーズも同様の価格帯になっているな。
Mecanicalブランドが今後復活するかどうかはわからないが、それだけ国内で安く作るということが難しくなったと言うことなのか、あるいは単に高級化(悪い言い方をすればボッタクリ)したいだけなのかはわからない。どちらにしても今後 SARB033とかSARB035(白ダイヤル)みたいなそれこそ「高コスパ」なモデルはSEIKOから出ないと考えた方がいいのかもしれない。
まぁともかく、コレ1本持ってて損はしないだろうということは間違いない。あれば使いどころは多そうなのでチマチマ小出しに使っていこうと思う。