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BlackAtlas用ステンブレス

BlackAtlasの標準ブレスが「なんかコレジャナイ」ということで購入したモノのレビュー的な物。

手首囲のサイズ

手首の周囲の長さ(外周)の事を「手首囲」というらしい。

paro2day.blog.fc2.com

NATOストラップの記事で自分の手首囲を明記するのを忘れていたが、自分の手首囲の実測は16.5cmだった。
40-44歳の平均は17.2cmということなので平均を下回ってる。細腕野郎でどーもすみませんwww(←まったくすまなく思ってない)

ノーブランド 5行(エンジニアブレス)

  • amazon.co.jpにて2,800円。
  • 金属が削れた匂い。
  • φ1.5mmのバネ棒が入らない
  • コマのリンクの固さバラツキがある。
  • なんかチクチクする・・・

「5行」=「5連ブレス」ということだろうが、中国語圏ではそう表現されるんだろうか?
コマの断面が台形になっていて細かいものを「エンジニアブレス」と呼ぶそうだが、サイズの調整がしやすそうということで選んでみた。

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なんかかわいい箱に入ってきた。

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ピン抜き、バネ棒、バネ棒外し付き(ダブりまくり)
到着した時点で「もしかしたらTurtleにも使えるかも」と淡い期待を寄せていたが、あきらかにカンの穴が細いので無理だった。というか、Atlas標準のバネ棒(φ1.5mm)が途中までしか入らない。ブレスに付属していたバネ棒は入るが、計ったらφ1.4mmだった。また新しいサイズが出てきたなぁ・・・。

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一部のコマのリンク(の締め付け)が固いものがあった。また、コマ一つ一つの角の面取がほとんどされていないものがある。特に腕に当たる内側
ブレスを平置きして、内側を指でなぞると、面取されていないコマの角が当たって痛い。「チクチクする」ことに気がついて一瞬金属アレルギーの可能性を考えたが、どうやらこれが原因に思える。
1コマが細かいので手首回りにはフィットしやすいはずなのだが、リンクが固いのでフィットせずに違和感が出る。

我慢して1日使ってみたのだが、チクチクとは別に金属臭がキツい。パーツごとの擦り合わせができていないから削れているのかもしれない。Bambinoにつけた安物ミラネーゼも金属臭はしなくはないがここまで酷くは無い。擦り合わせが終われば匂いは減るだろうが、全体的に不快感が酷く、結局この1日つかっただけで外してしまった。

全体的に工作精度が低いという印象。

Geckota チャレンジャー 5連ブレス つや消し 22mm幅

  • amazon.co.jpにて7,700円
  • 質感はなかなか良い。
  • やっぱり「ちょうど良い」長さが難しい。

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この包装はNATOストラップと同じだな。

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そうそう、NATOストラップの記事で書くのを忘れていたが、WatchGeckoはAmazon.co.jpで購入するとイギリス(UK)からの発送になる。発注から到着までおよそ7日間かかるので急ぎの感覚でポチるとわりとやきもきしがちになる。それに、Amazonて海外発送って関税はどうなるんだろう? 今回は大丈夫だったが、もっと高いモノを買ったら入国時に別途とられるんだろうか?

amazon.co.jpのバリエーション選択では「つや消し」となっているがマット仕上げ(ブラスト)ではなくヘアライン仕上げ。となると「ツヤ有り」はおそらくポリッシュだろう。

f:id:obally:20190615105618j:plain f:id:obally:20190615105632j:plain コマは一つ一つがかまぼこ状になっていて、腕に付けた状態での肌触りが良いし、外側を指でなでたときの感触がいい。エンジニアブレスのコマより大きいが、仕上げがきれいだしフィット感は高い。ただし、1コマが大きい分やはり調整は難しい。

総合的な満足感でいえば、やっぱりコレを選ぶ。

比較:純正、ノーブランド、Geckota

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Geckota、ノーブランド、標準ブレス。

一見、標準ブレスよりノーブランドの方が高級そうに見える。 特にクラスプは標準はプレスでノーブランドはサンドブラストでしっかりしてそうに見えるが、実際はヒンジにガタがあって適当に付けるとカチッと絞まらないことがある。その点、標準ブレスは物は安っぽくても精度が高い。Geckotaは当然、削り出しで精度もある。

時計本体と同様にブレスでも、上を見上げれば「ブレスの値段で時計本体が買える」みたいな高いものはたくさんみつかる。今回、「ステンブレスにおける価格差の傾向と比較」という意味もあって安物とちょっと高い奴両方購入したわけだが、2800円と7700円という2倍以上の価格差で比較すると・・・

  1. 表から見えない部分(内側、つまり腕に当たる部分)に大きな違いが現れる。
  2. ぱっと見やWeb上の写真では判断できない。
  3. 腕に当たる部分や着け外しの際に現れてくるので、安物は実物を確認した方が良い。
  4. とはいえネット通販では無理な話なので、根本的には「安物は避ける」のが無難。

わりと「んなもん当たり前だろ!」な結論になった訳だが。

Geckotaは「316Lグレード」とブレスの素材を明記しているが、ノーブランドはどこにも記載されていない。中国製品の金属素材についてはいろいろと怪しい話も耳にしていて、「SUS」とあっても「怪しいかも」という事を念頭に置いておく必要がある。

しかしそれより、基本的に素材云々よりは工作精度や仕上げの丁寧さに価格差が現れているように思える。
やはり、高い物は高いなりの、安い物は安いなりの理由があるわけだ。

標準ブレスの「コレジャナイ感」の正体

3本を比較していて気がついた。

元々の印象としてAtlasシリーズは小さめに見えるのだが、実際はMM200と大きな差は無い。しかし、実際に腕に装着したときの印象は、同じ標準ブレスのMM200よりもデカく感じる。これはなぜか?

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  • BlackAtlas標準ブレスのラグ幅は22mmだが、クラスプ側の幅は18mm。その差は4mm。
  • MM200のラグ幅は20mmでクラスプ側は18mm。その差は2mm。

ブレスの幅より小さい時計本体というのはほぼあり得ない。ブレスの幅が本体よりも細ければ細いほど、その分時計本体の「デカさ」が強調される。ブレスの幅が広く、本体の幅との落差が少なければコンパクトに見える。

つまり、初めの印象の「本体の小ささ」を引きずっていたため、本体の大きさが強調されてしまうブレスに違和感を感じていた、というのが自己分析の結果だ。

もちろん、単純に本体とブレスを手に持って見たのと、実際に腕に乗せてみたときの印象も変わってくるので一概には言えないだろうが、自分の腕は太くはないのでデカさが強調されるのはイマイチ。

スチールブレスに限らずNATOでもレザーでも、最終的に現物を腕に乗せないとその組み合わせが好みかどうかは判断できない。やっぱりバンド選びは難しいね。

ブレス調整の難しさ

「難しい」といえば、ブレスの調整自体も難しい。
今回立て続けに3本調整したが、調整の方針についてはこちらを参考にさせていただいた。

watch-mix.com

  • クラスプの可動部の前後のコマ数は同数にすることが基本。
  • クラスプの前後のコマ数が同数にできない場合、6時側を少なくした方が、重みで本体が外側にズレにくくなるため見やすい。
  • ギリギリまで妥協しない。

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なにが「難しい」って、「納得できる状態」にもっていくまでになんども本体からブレスを外してやらなければいけない事だ。今回はそれぞれ最低4回は着け外しを繰り返している。今後も気になったら手を入れるつもりでいる。正直めんどくさいのではあるけど、時計本体の大きさとブレスのコマのサイズやバランスなどバラバラなので、個別に詰めていくしか方法が無い。

  1. 腕に乗せて大まかなコマ数をチェック→コマ数を変更。
  2. クラスプを留めて、腕を動かしたり手首を返したり回したり振ったりして確認→コマ数調整とクラスプでの微調整。
  3. 2~3日つけてみて、それで違和感を感じないか→最終調整。

セオリーとしては最低3回は調整が必要になってくる。

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MM200でも、購入してから納得がいくまで購入時に2回、2週間使ってダメ押しで店頭に持って行って1回、合計3回は調整をかけている。調整に慣れた店員さんに見てもらいながらでも、しばらく使っていたら「もうちょっとこうしてほしい」というのはやっぱり出てきてしまう。もちろんビックカメラの店頭購入なので追加費用はかかっていないし、今のところはジャストだと感じているので今後は発生しないだろうけど、納得できないので毎回店頭に出向いて調整をかけるのはやっぱりめんどくさい。

同じく店頭で購入して普段使いしない「冠婚葬祭ファイブ」ことSNKE93J1は巻きブレスなので割ピン式の他の時計とコマの脱着方法はことなるが、これも(はじめに店頭で2回は調整したにもかかわらず)最終的には自分で調整している。

コマの着け外しについては今時は「ググれば出てくる」。安い奴から慣れていって覚えていき、最終的には、どんなブレスでも自分で調整できるようになって、「気になったら帰宅して調整する」ができるようになるべきだろう。

趣味であり自己満足の世界ではあるけど、「快適にする」という意味ではやっぱり妥協はしたくない。その時計を付けたいか否かというモチベーションに関わってくる。

SEIKO 5 Sports SKZ211J1

ツッコミを入れたいがために購入するという、おそらく今後は無いであろう購入理由。

これはネタか?

車とかバイクが欲しくなる理由は人により様々だと思う。自分の場合、バイクについては圧倒的に「一目惚れ」が多い。

時計だとどうだろうか。

俺はこの時計をネットで見つけたとき、

「これはネタなのかマジなのか」

と割とマジで悩み、そして結局購入した。

自分にはこの腕時計が「ツッコんでくれ!」と叫んでいるように見えた・・・のかもしれない。

SEIKO 5 Sports SKZ211J1 「BlackAtlas」

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Amazonにて 21,200円にて購入。(最近見たら値段下がってやんの)

カラーバリエーションはブルーダイヤルの「SKZ209」、ホワイトダイヤルの「SKZ207」が存在する。

ニックネームは「BlackAtlas」。このシリーズは他にも「Gadget」「LandShark」というのもある。この時計の雰囲気としてはGadget(ガジェット)というのはわりと的を射ているような気がするが、Atlasの方がメジャーっぽいのでここでは以後「BlackAtlas」と呼ぶ。Blackと付くのはもちろんダイヤルカラーから。カラーバリエーションの違いで「BlueAtlas」「WhiteAtlas」になる。ネット上で言及されるのはブルーとブラックが圧倒的に多い。

末尾は 「J1」「JC」(国産)と「K1」(海外製)いろいろがあるようだが、どうも情報が錯綜気味ではっきりした事がよくわからない。SEIKOのリファレンスNoは本体に記載されていない1が、裏蓋に「Made in Japan」が刻印されているのでこれは「J1」または「JC」であろうことは間違いないだろう。

このシリーズにはダイバーのような逆回転防止ベゼルに加えて内転式リングの2つの回転ベゼルが載っており、今まで探した(後継モデル以外)モデルにも存在しないこのシリーズの最大の特徴になっている。 後継モデルの「SKZ221」「SKZ229」「SKZ2251」「SKZ231」は二重回転ベゼルは同じだが、機能は異なる(後述)。

ダイヤル、針

f:id:obally:20190608220018j:plain ブラックにホワイトのインデックス、針はイエロー(notゴールド)でコントラストが高く視認性が最高に良い。 高級感が無く玩具っぽくはあるものの、黒・白・黄の配色からなかなかタフな印象を受ける。 時針はバトン針、分針と秒針はアロー。アローの先端から細い針が伸びている。伸びた先端は秒目盛にキッチリ届いている。アナログ時計は針が短いモノが多いが、時計としての視認性を考えれば針は長い方が好みだ。

蛍光の盛りは薄くムラが目立つ。よく見ると「12」の「2」の折り返しの所だとか「6」「9」の線が繋がる部分が薄くなっている。当然他のダイバーズのように明るくはないし持続時間も短いが、それなりに見れる範囲だろう。

デザインに関して自分のお子様的感性に従ったストレートな感想を述べると、すげー格好いい。すなわち、「子供っぽいかっこよさ」である。

ケース

f:id:obally:20190608220352j:plain 4時位置のリュウズと9時位置の内転リングのリュウズにはリュウズガードが付いている。4時位置側はTurtleと同じようにケースに埋没するような形だが、9時位置は飛び出すような形で左右非対称になっている。9時位置側のリュウズガードの上面にリベットらしきものがあるが、これはどうやら装飾っぽい。

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この時計のケースの表面仕上げは変則的だ。

  • ラグ足上面:ヘアライン
  • ラグ内側:ポリッシュ
  • 側面:マット
  • 裏面・裏蓋:ポリッシュ

腕の皮膚に当たる部分はスムーズなポリッシュで統一されているのはダイバーズと同じだが、この時計は3面で仕上げを変えている。目立つ側面のリュウズガード付近がマットなのは形状が複雑なため研磨コストを嫌ったためだろうか。
マットとポリッシュだけだと仕上げ面の継ぎ目で「急に仕上げが変わる」感じになってしまうが、間にクッションとしてヘアラインが入ることで全体的に違和感が少ない。
マット仕上げの時計って珍しいのでは?ミリタリー系では見かけるけど。

Cal. 7S36

普通のSEIKO5に付いている安いムーブメントで、手巻きも秒針ハックも無いデイデイト。 「巻き上げが軽くて効率がすごぶる良い」というのがこのキャリパーの評価・・・らしいのだが、たしかにローターの回りは早いので巻き上げは良さそうだ。SEIKOのムーブメントの系譜を書いたサイトがどっかに有ったと思うが、それをサラッと読んだ記憶では「7S系を改良して6R系になった」ということだったと思う。キャリパーの採番もおそらく何か法則性はあるんだろうが、無いようにも思えるな。

ねじ込み式リュウズを完全に緩めた状態(他のセイコーカニカルダイバーズと同様バネでポップアップする)を0段としたとき、

  • 0段引き:フリー(手巻き無し)
  • 1段引き:カレンダー送り(日→時計回り、曜→反時計回り)
  • 2段引き:時分針送り(時計回り、秒針規制無し)

手巻きが無いため、巻き上げは時計本体を水平に振って自動巻きローターを回してやることで行う。自動巻きであればどれも同じだが、ダイバーズのようにねじ込み式リュウズの場合はねじを緩めたり締めたりするのが面倒なので、巻き上げだけの時はMM200やTurtleでもこれをよくやる。

バックハッキング(back hacking)

SEIKO5はこれで3本目だが、「back hacking」というものを最近知った。

7S系は秒針規制(秒針ハック)が無いため、2段引きしても秒針は進み続けるし、それに伴って分針時針も進む。しかし、リュウズを逆回しすることで秒針や分針時針を逆方向に(無理矢理)進めることができる。

以下は、一応の方法だが、本当にこれで良いのか、ムーブメントにダメージを与えない方法なのか確証はとれていないため、自己責任で。

  1. 2段引きの状態でちょっとだけ反時計回りに回すと、分針と秒針がちょっとだけ戻ろう(逆回転)とする。
  2. リュウズに掛ける力を緩めると、また時計回り(正方向)に進む。
  3. リュウズを反時計回りに回して戻ろうとする力と、ゼンマイが秒針を進めようとする力が釣り合っているとき、時分秒針が静止状態になる。
    1. 場合によっては手を離しても静止状態が保たれることがあるが、条件はよくわからない。
    2. 手を離しても静止したままの場合、ちょっと正方向に回すか、リュウズを押して0段まで戻すと正回転を再開する。

リュウズを逆回転させるとき一気に回してはいけない。感覚的なモノだが「1秒間に0.2mmづつ」ぐらいの感じでジワりと回すと進んでいる秒針の速度が低下、遅れていき、やがて静止状態になる。さらにリュウズに逆回転させる力を強めていくと、秒針と時針分針が逆走しはじめる。

この「静止状態」を利用する。

  1. 設定目標の5分前ぐらいに分針を合わせる。
  2. 前述の方法で時計の秒針を無理矢理「静止状態」にしつつこれを保ちながら、設定先時刻の秒が時計の秒針に追いつくのを待つ。
  3. 設定先の秒数と一致した瞬間に、秒針の進行を再開させ、設定先時刻の秒と時計の秒が一致させる。
    • リュウズに掛かっている力を抜く(手を離す)。
    • 静止状態が保持されているなら正方向の回転を掛ける
  4. リュウズを時計回りに回して分針をゆっくり進めて、設定先の分と一致させる。秒針が0秒を通過するタイミングで分針が目標の分ちょうどを指すように合わせれば「目標の分の0秒ちょうど」に近づけることが可能。

これで「分」だけでなく「秒」も設定先に合わせることが可能になる。逆回転をかけることで、秒針だけで無く分針時針が秒針の戻り分より多めに戻ることがあるので、「数秒遅れ」程度の時には合わせにくい。

この「バックハッキング」の最大の難点は、「精神的な抵抗感」だ。7S系キャリバーの具体的な構造を把握しているわけでは無いが、「滑らせてズラしている」感じ、つまり構造に逆らって無理矢理動かしているように思われる。これがムーブメントに負荷を掛けてる感じがするので積極的にやりたくない。
また、ゆっくり慎重に行う必要があるので、忙しい朝とか焦っているような時にはやらない方がいいだろう。

現在、時計の「姿勢差」による日差傾向を調べるため手持ちの機械式の時刻合わせのためにバックハッキングで合わせているが、傾向が把握できたら「1分ぐらい早」程度のざっくりした合わせ方で使うつもりだ。本来のSEIKO5という時計のコンセプトの場合、そこまで神経質に合わせるようなモンでは無いだろうと思うし。

標準ブレス

  • ラグ幅:22mm。
  • バネ棒太さ:φ1.6mmかφ1.5mm2
  • コマは疑似三連の削り出しヘアライン仕上げ、他のSEIKO 5 Sportsシリーズと共通と思われる。
  • 各コマの摺動もスムーズで実用上は問題なさげ。

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ラグ足のヘアライン仕上げがそのまま弓カンへそしてブレスへつながり一体感があって良い。良いんだけど、決して仕上げが悪いとかということではない・・・だけど、この標準ブレスはなんかちょっとコレじゃ無い感じがする。

クラスプ(バックル、中留)の伸びる部分(?)は削り出しでは無くプレス板。本来このクラスの時計に付くブレスならこういった細かいところの質感は妥協すべきだろうが、それでもコマは無垢だし、カンは削り出しのフィッティング(バネ棒を抜くと外れるタイプ)になっている。なんかちょっと惜しい。
前例としてMM200の標準ブレスを見ているので、それと比較するとどうしても「ちょっと安っぽいなぁ」感があるのは仕方ない。それを考慮してもこの疑似三連ブレスはこの時計には合わないような気がする。何が「違う」のかは、うまく表現できないんだけど・・・。

ブレスの長さ調整

いつもは店頭購入した時計屋で調整してもらうのだが、今回は通販なので未調整で届いている。
良い機会なので自分でやってみることにした。安い奴から実験台になってもらって、いずれは高いブレスでも自分で調整できるようになっておきたい。未使用の状態なのでピンが抜けない(ゴミが詰まってるとか錆びてるとか)ことは無いだろうし、最悪破損して使えなくなったらいっそベルト交換で楽しめばいい。22mmのNATOストラップはたくさんある(苦笑)

標準ブレスは割ピン式で、調べた限りでは一番簡単な奴らしい。

Amazonで購入した一番安価な工具キットにハンマー式とねじ込み式のコマ抜き、固定する台(?)が入っていたのでこれを使う。

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時計屋で店員さんがやってみるのを見ていると、ブレスを時計につけたままやっている所をみるが、自分でも真似してみたら時計のケースが机に当たって邪魔になるので、本体からブレスを外した状態の方が固定しやすくてやりやすい。素早く行う必要があるプロではなく素人のお遊びなので時間をかけて確実に行った方が良い。

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4個抜くとキツいので、微調整で1/3コマぐらい広げてみたり、3コマ抜きに戻してみたりといろいろやってみたが、どうしてもジャストにならない。
微調整はクラスプとブレスの付け根のコマをバネ棒外しで押して外して付け直す。やることはラグのバネ棒と同じだけど、こちらの方がサイズが小さいクラスプ専用らしい。
微調整で外側に広げると、クラスプの12時側の伸びる奴(なんていうんだコレ)がコマの途中まで押すので手首に沿わずに広がってフィットしない。内側にすると2コマ分の長さと合うのでこの部分だけで行けばフィットはするが、全体の長さが広がる。それならと6時側を一つ詰めるとジャストよりちょっとだけ絞まる。

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具体的にどうしたいかと言えば、6時側に「半コマ」が一つ欲しい。一つ一つのコマが大きいとその分手首のカーブに沿いにくくなる。コマ細かくしていけばカーブに沿う形になり、さらにコマを細かくしていった最終形はチェーン状になったミラネーゼブレスになるわけだが、アレはちょっと上品すぎてこの時計には合わないだろう。

後にブレスを購入したので、次回の記事にする予定。

最大の特徴「回転ベゼル+内転式リング」

いよいよ、おそらくこのシリーズ最大の特徴に触れる。

アウターベゼルとインナーベゼル(チャプターリング)両方とも回転し、機能が割り当てられている。
もちろんインナーベゼルはベゼル用リュウズ、アウターベゼルは直接操作で、それぞれ独立している。つまり回転ベゼル機能を2種類搭載していることになる。

はたして、こんな腕時計って他にあるのだろうか?

IWCのアクアタイマー IW329001が「インナー/アウター」ベゼルだが、これはアウターベゼルを回すことでインナーベゼルが同期して回る(しかも逆回転はフリー)という、これはこれでかなり凝った仕組みだが、あくまでダイバーベゼルとしてだけの1種類の機能だ。

このシリーズ以外で、同じように二重の回転ベゼル(2つの機能)を備えた時計はあるのだろうか?と探してみたが、なかなか見つからない。「あった!」と思ったら・・・

item.rakuten.co.jp

SEIKO5ではないが、このシリーズはSEIKO5の上位シリーズ(現在のSportsに相当?)らしく・・・ということはやっぱSEIKO 5じゃねぇか!

結局、現時点でSEIKO以外で同様の時計を見つけることができていない。
さらに不思議なことに、このシリーズが「二つの回転ベゼルを一つのケースに載せた」という点について明確に突っ込みを入れているサイトとかブログが(とりあえず日本語では)みつからない。

いや、俺これかなり特異な時計だと思うんだよね。どうして両方載せようと思ったのか。
また、ほかのモデルでは二つ載せたモデルが存在しないのか。まぁ、「両方載せる意味が無いし逆に使いにくいから」なんだろうけど。

アウターベゼル:ダイバー(経過時間)

軽いタッチの逆回転防止ベゼルになっていて、60スタートで経過時間(分)を測定できる。MM200のようなしっとり感は無いが、まぁ値段なりってことだろう。

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そうこのベゼル、普通のダイバーには付いている「▼」の開始位置(0分)のマーカーではなく代わりに「60」の表記になっている。「60」の次は「5」なのでカウントダウンではなく間違いなく経過時間計なのだが、なぜ「▼」ではないのだろうか?

おそらくだが、

  • ミニッツマーカー(分のインデックス)の外側に回転式インナーリング(後述)がある。
  • キッカリ「▼」で合わせようにもリングの幅の分だけ離れているから合わせにくい。
  • 「ならもうそこキッカリさせる必要なくね?『だいたいこのへん』ぐらいで」

って事じゃないだろうかと想像する。
たしかに、ベゼルに載っているのは経過時間の数字だけでバーもドットも無い。ここら辺のデザインでいけばそれらと同じく数字にしてしまった方がすっきりしていて良い。
普段使い、例えば「昼休みの経過時間」程度の話でいけばそこまでキッカリ0位置を指定する必要は無いので、まぁこれはこれで悪くは無いんだが、なんとなく「そこはもうちょっとなんとかしてもらえまいか?」な感じがする。「60」でなくて「0」表記とかさ。

インナーリング:簡易方位機能

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9時側リュウズを回すことでインナーリングが両方向に回転する。リングには方位が記載してあって、下記の方法で南が判明したら「S」をその方向に合わせることで、各方位がわかる、というもの。

SSC137P1のリングと同じで、逆回転防止でもないしちょっと触れるだけですぐ動いてしまうので「方角をホールドする」という使い方もできない。

っていうか、そもそもの話として時計をつかった方位確認は「大体の目安」でしかない。
やっていることは、言ってみれば「日時計の逆算」だ。

citizen.jp

xn--kckb0b8923bek2a25k.biz

  1. 時計を水平に持つ。
  2. 太陽の方角を時針に向ける。
  3. 正午(12時)と時針の中間の位置が「おおよそ南」であることがわかる。

これは北半球の場合で、南半球で測定する場合は、「太陽の方角を12時に向ける」になる。太陽を直視しないようにキッチリ時針を向けるためには工夫が必要だったりするが、それでもわかるのは「おおよそ南」だ。「簡易方位機能」が無くとも正確に時刻を合わせたアナログ時計であればここまではできる。
そのうえで、この「簡易方位機能」を使うと以下の効果がある。

  1. だいたい判明した「南」方向にリングの「S」を合わせる。
  2. 方位の「S」を合わせたなら、その他方位(北・東・西)も示せる。

・・・

・・・

・・・

そりゃね、「南を向いたら背後は北」、「北を向いたら右手が東、左手は西」ってのはそうだよね。小学校で教わったよね。

「おおよそ南」が判明した時点で、わざわざ他のカッチリした方角を示す必要って、ある?

カッチリした北・東・西を示すにしても、その基準となる「南」が「おおよそ南」でしかないわけで、これを基に得られる方角も「おおよそ北」「おおよそ東」「おおよそ西」でしかない。
腕時計に盛り込まれる機能は、計算尺にしろタキメーターにしろGMT機能にしろ「手間(暗算・変換)を掛けずにパッと解る」ことが魅力3だと思うんだが、「簡易方位」については「おおよそ南」を測定するための手間の多さを考えたら、このあと「他の方位が解るだけ」のために文字盤に何か手を加えることようなのは「別にそこまでする必要ねえんじゃねぇの?」となってしまう。
そこまでするなら(上記のカシオのサイトの言うとおり)素直に電子コンパス付きの時計を買うなり、別にコンパス(リストコンパスなど)を持った方が4手っ取り早い。

結局、後継機種(「SKZ221」「SKZ229」「SKZ2251」「SKZ231」)ではこのインナーリングの機能は変更された。「Map Meter」のニックネームの通り、リュウズをホイールとして地図上で転がすことで、1/50000 縮尺の地図のマップメジャー(英語圏では「マップメーター」?)として使えるようになった。腕時計にマップメジャー(キルビメーターとも呼ばれる)を載せるというのもかなり新しいと思う。マップメジャーって安い奴だと精密な割にプラスティッキーで壊れやすい(なのにそれなりに高い)し、コンパスよりも所持する際の優先順位は低いから、いざって時に便利かもしれない。実際に使った事は無いから「Map Meter」が使いやすいかどうかは解らないが。
で、アウターベゼルはやっぱり簡易方位になっている。まぁ、「地図・フィールド行動に特化」という意味では良いのかもしれないけどさ・・・。

話をAtlasシリーズに戻すと、インナーリングについては装飾上のアクセントとしての役割しか無いと感じるが、色々盛り込んだガジェット感を演出するには十分で楽しい。これが先に挙げた「子供っぽい格好良さ」の中身である。

「WATER 200M RESIST」?

ネットショップの説明では「ダイバーズ」と表記されていることもあるようだが、それは「ダイバーズ風」の事なのか、本当の意味で「ダイバーズ」なのかが不明・・・いや、やっぱり「ダイバーズ風」だろうな。

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ベゼルがダイバーベゼルっぽくない回転ベゼル(0点マーカーが無いが)だが、雰囲気的にはダイバーズっぽいデザインが見受けられるし、ダイヤルに書かれた防水表記も「20BAR」ではなく「200M」となっているが「DIVER'S」ではなく「WATER RESIST (防水)」だ。

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ちなみに裏蓋の刻印には「20BAR」とあり、真面目に考えたら『結局どっちなんだよ!』とまたツッコミを入れなければならんのだが、まぁ「DIVER'S」という表記が無いからやっぱり20気圧の生活強化防水5なんだろうなぁ。

たしかに、スクリューバックの裏蓋はスケルトンでは無いため耐圧性は高いだろう。リュウズはダイバーズ風にねじ込み式になっている。ここだけ見ればたしかに200m防水もありえなくはない気がする。

ところが、だ。このモデルには内転式リングが備わっている。インナーリングを動かすために9時位置リュウズから繋がったシャフトがケース内へ貫通しているはずだ。いくらねじ込み式リュウズとかスクリューバックがしっかりしていたとしても、防水性の観点から言えばどう考えてもこのシャフトの隙間からの浸水の方が可能性が高い

なんというか、

「門と玄関はしっかり施錠しました!・・・裏口はあけっぱですけどね~(てへぺろ☆)」

みたいな詰めの甘さというかうっかり加減みたいなものが見えてくる。いや本当に大丈夫!?みたいな。

思い切って蛇口の流し水で洗ったりしてみたが、今のところ浸水の様子は無い。少なくとも10BAR程度は確保されていると見ておけばいいか。同じ内転式インナーリングのSSC137P1やSSC419P1も10BARは確保しているわけだし。

まとめ

今回、なんやかんやで色々とDisりばかり書いているが、このBlackAtlasが嫌いかっていうと決してそういうことはない。むしろデザイン的には好みすぎる。最近標準ブレスをサードパーティに交換(後ほど記事にする)したら、装着感も上がって快適になってしまい、平日の出動率が増えてMM200やTurtleの出番が減って本末転倒な状況だ。

ダイバーズのようでダイバーズではないとか、いろいろと盛り込み過ぎでそれぞれが中途半端になってるところとか、思い切りが良いんだか悪いんだかわからないところもキワモノ感がある。
よく見るとごちゃっと感があって玩具っぽさはあるが、それはG-SHOCKなどにありがちな「ゴチャっとした感じを意図的に盛り込んだようなもの」とは違う。「それぞれ真面目に盛り付けてつじつまを合わせようとしたら結果的にそうなった」といった類いのカオス感に近い。どうしようもなさ、とでも言うべきか。
ともかく特徴的な2重の回転式ベゼルとリング。これは相当エポックな時計だと思うのだが、ネット上でそこに対しての突っ込みが見つからないのも本当に不思議で仕方が無い。

以前「ゴテゴテしたのがわりと好き」と書いたが、おそらく遠目から見るとこの時計がゴテゴテしているようには見えないだろう。
航空機の計器のようなものだろうか。機能の意味が分からないと「なんだかよくわからないもの」だがわかると「そうなるのね」ってもの。いや、「そうなるのね」とはならないな。知らない人には一見解らない、わかったら「何でだよ!」ってなるツッコミ待ちのギャグ漫画のようなもの。それがこの時計の魅力だと思う。


  1. SEIKOに限らず、リファレンスNoが本体に記載される腕時計は無いのかもしれない。購入したボックスに貼ってあったり、保証書に記載されているところから判断するしか無いが、保証書のリファレンスNoは店舗が書いていることが多いようなので、ある意味「店舗を信じる」しか無い。

  2. まだノギス新調してませんw

  3. 言ってしまえばタキメーターもGMTも、経過時間や現在時刻がわかれば、手計算なりなんなりで求めることができなくはないので、究極的にはそれが載って無くても対処はできる訳だが、そういった手間をとらず「瞬時に解る便利ツール」というのがそれぞれの魅力というか一種の「ロマン」だと認識している。

  4. ロマンでいけば実用性を考えるだけ野暮なんだろうけどね。これはあくまでロマンだから。

  5. 「10BAR」「20BAR」といった気圧表記→生活強化防水。ただしこれは国内向けだけの話で海外向けのSEIKO 5シリーズではおそらくそういった表記上の制約はないと思う。

電池交換してみる

長らく放置してた電池交換ネタ。

お約束だが自己責任でどうぞ。

必要な物。

  • 裏蓋をあける工具。裏蓋の種類により何種類かあるが、今回は2本ともスクリューバックなので1種類のみ。
  • 交換用の電池。蓋を開けないとわからない事が多いが、キャリバーがわかってたらググったら大概出てくる。
  • 失敗しても泣かない覚悟。

今のところ自分の中での重要度が低い時計なんで気軽にやってみたけど、スタメンの時計では流石にやる気はしません。

Wancher Gurkha

初出記事。

obally.hatenablog.com

普通のクオーツなので開けて電池の型番を確認してそれを入れ替えるだけ。キャリバー不明なので電池の型番は裏蓋を開けてから入手する。

f:id:obally:20190407181556j:plain スクリューバックなので「カニ型オープナー」を使う。東急ハンズで買っておいたもの(2000円)だが、100円ショップにもあるらしい。失敗したな。

f:id:obally:20190407181930j:plain 裏蓋の凹みの位置に合わせて、「フン!!」と瞬間的に力を入れるように回す。
f:id:obally:20190407181957j:plain 開きました。

f:id:obally:20190407182038j:plain 白いスペーサー的な物が電池を押さえているのでこれを外す。

スペーサーを外した時点でリュウズが通ってる軸「巻き芯」1が露出するので負荷を掛けないよう注意。

はい、この写真で一つ「禁じ手」をやってます。
金属製のピンセットを使っている。電池や回路を触りかねない状況で本来コレはアウトです。特にコイルが露出してるので鋭いピンセットの先端で線を傷つけるとマズい。
樹脂ピンセットなどを使いましょう。今回は接触・短絡しないようにやったけどね。もし無ければ先を尖らせた割り箸とかを使うべきかと。
まぁ、今回は素人仕事なのでこんなもんです。

f:id:obally:20190407214553j:plain 電池の型を見ると「SR626SW」は汎用の電池。 f:id:obally:20190407214622j:plain 近くのコジマ電気まで自転車で走って無事入手。

f:id:obally:20190407214756j:plain 早速電池を交換。
新しい電池を入れたら、動き始めていることを確認(写真は撮り忘れ)。 あとは 逆手順で戻す、と、電池交換完了。

当面使うつもりは無いけど、まぁ気分的にやっときたかったってだけだ。

あ、キャリバーを控えとくのを忘れた・・・。
MIYOTAのものだろうけど写真からだとはっきり判らないな。

SSC137P1

初出記事。

obally.hatenablog.com

これはソーラーの二次電池なので専用品が必要。前回、小島商店でTurtleのバネ棒と一緒に発注して入荷済み。 二次電池の型番はムーブメントの型番「V172」をググれば出てくるが、代替品に変わっていることもあるので発注時にリファレンス(「Ref.」モデル名の事)とキャリバーを併記したほうが良い。電池の型番と部品番号(発注番号)が違うこともあるので。分かる情報はすべて伝えた方がスムーズに進む。 f:id:obally:20190601132809j:plain まずはスクリューバック付近の掃除。

こんなケミカルを使ってみた。 f:id:obally:20190601133025j:plain

f:id:obally:20190601133506j:plain イオンで汚れを分解して浮かせるらしい。ケースとスクリューバックの間の所を念入りに清掃。

f:id:obally:20190601133938j:plain で、Gurkhaと同様に「フンッ!!!」と・・・

「フンガッ!!!!」と・・・

・・・

・・・・・・

開きませんでした。

これは一応10気圧防水でそれなりの防水処理が施されているはず。しかも購入して期間が経っているのでゴムパッキンが劣化して固着している可能性が高い。
ともかく固いので、ケース側を固定するか、工具を大きなものにするか。
手持ちの工具は簡易的な物っぽいので、現状は手が出せない。

かといって、新しい工具を買ってまでどうしても復活させたいかと言われるとそこまで本腰いれるモチベーションも無い。

ということで、保留。

ダメ元でリュウズを引いたり戻したり、最近買ったMUJIのLEDスタンドライトをしばらく当て続けたら秒針が動き始めた。
f:id:obally:20190603001901j:plain
クロノグラフも動作したが0位置が変なことになっている。

二次電池がどこまで持つかわからないがしばらく様子を見よう。


  1. 「巻き芯」は機械式の手巻きの場合、ゼンマイを巻くための芯というような意味なので、クオーツでもそう呼ばれるのかはイマイチ自信が持てないが、とりあえずここではそう呼ぶ。

バネ棒はどこで買えるの?

バネ棒はどこで買えるの~♪
 バネ棒はどこで買えるの~♪

SEGAの迷作「赤ちゃんはどこからくるの?」の節で歌おう!

バネ棒単体で(なかなか)売ってない

予備のバネ棒が欲しい。
この手の細かい物は、破損したり紛失しやすい。これから頻繁にバンド交換を行うことを考えるとスペアをストックしておきたい。

ところがだ。

売ってるには売ってるが・・・

必要とは言え、何十本も必要になるわけじゃ無い。なので数本買えれば良いのだけど、そういう取り扱いを行っているお店が少ない。Amazon.co.jp では幅広いラグ幅のものがワンセットなっているものならマーケットプレイスで取り扱いがある。また「2本1000円」みたいな値段が付いていたりして『いや流石にちょっと高くね?』となる。
それに、バネ棒の太さが明記されていなかったり、φ1.5mm だけのものだったして、φ1.8mmが少ない。そんなにマイナーなサイズなんだろうか?

長さはともかく太さがよくわからない

あきらめてまとめて買うにしても、手持ちの時計のバネ棒のサイズがわからないとどうしようもない。ということで、手持ちの時計のバネ棒の太さを計ってみた。

f:id:obally:20190419000639j:plain
これまた再掲

いや、「なんでも汎用工具袋」に入れおいたこの携帯用ノギス、工具袋に入れっぱなしにしておいたせいなのか、どうも精度が怪しいんだこれが。
1mm以下はバーニア目盛で見ることが出来るが、計る個体によって0.1mmぐらい微妙にズレがでる。たかが0.1mm、されど0.1mm。レザーバンドやNATOストラップならまだしもメタルブレスだと入らないものも出てくる。

セイコーダイバーズ用が明らかに太いのは目に見えて解る。大きめの時計もケースサイズが大きい=重い=太いバネ棒が必要ってのは理解できる。

細い奴については、φ1.5mmとφ1.6mm両方存在するのか、サイズ的にはどちらかしか存在しないけどバネ棒側の工作精度が低くてバラツキがあるのか、あるいは単にノギス側の精度が狂っているのか。
バネ棒の太さについてググってみたがよくわからない。1.5mmとして販売しているものがあったり1.6mmとして販売している物があったりする。そもそもバネ棒としての規格があるのかどうかすらはっきりしない。

かと思えば、セイコーダイバーズ用として「φ2.4mm」が売っていたりする。ん?つまり俺の測り方がおかしくて誤差が出てるって事?

つーか、バネ棒より先に精度の高いノギスを買うべきなんじゃね?

バンドに付いてくるのでわざわざ買う必要が無い?

バンドを購入するとそのラグ幅のバネ棒が付いてくるので、細い物であれば追加購入する必要が無い(というか現時点で相当な量になっているんで逆にどうしたもんかって感じになっちゃっている)。しかし、付いてきたからといってそのまま使おうとすると、ラグ側の穴の太さと合わない場合がある。
付属している物は大概がφ1.5mmかφ1.6mmだが、SSC系やSEALANEなどφ1.8mmのラグにはめるとバネ棒の方が細いのでガタが出てしまう。遊びが大きいとその分摺動して削れてしまう可能性が考えられる。
また、バンドに付いてくる物は大概は先端につばの付いた、Y字のバネ棒外しを使うタイプの奴だ。時計によってはラグの穴から押して外すタイプの奴もあって使えない可能性がある。

と、考えていくと、基本的には時計側に元々付いていたバネ棒を使う方が得策だろう。

なにはともあれ、φ1.8mmをどうにかして入手しなくては。

φ1.8mmをヨドバシで買ってみた。

会社帰りに開いている時計屋といったらもうビックカメラかヨドバシぐらいしか思いつかない。

ビックカメラに電話で問い合わせると「単品売りはしていません」けんもほろろ
ヨドバシカメラに聞いたら「ご要望があれば一応お売りできますが・・・」とダメでは無いっぽいんだけどなんかイマイチ歯切れの良くない反応が。2本で540円だそうな。値段はともかく取り急ぎ必要なのでφ1.8mmの22mmと20mmを2セット購入。ついでにMM200用にバンビ製NATOレザーを買ってみたり。

なんだ、別に問題なく買えるじゃん。と思いきや、帰宅してレシートを見て気がついた。

f:id:obally:20190420140327j:plain

 「テクノタイムサ(ービス)」
 「ソノタトクシュシュウリ」

「その他特殊修理」つまり、バネ棒単品販売は「修理」扱いだった。

これはあくまで想像の話だが・・・

540円というのは、「持ち込みベルトの交換」の工賃とほぼ同じだ。つまり「ベルト交換をした体」で売り上げを発生させているのではないかと思われる。ベルト交換の時にバネ棒が損傷してたら交換するだろうし、それと同じ程度って事だろう。もちろん、ヨドバシで購入した腕時計なら無料で調整してくれるし、交換バンドを購入すれば無料で取り付けてくれるから、そもそも「バネ棒だけ販売」なんてこと想定していないんだろう。

バイクに例えるなら・・・例えばだ。

バイクをメンテしていて、一カ所ベアリングの動きが悪いところを見つけた。
そこで俺はバイク屋に行って

「すんませ~ん、自分でグリスアップしたいんでベアリンググリスひと塗り分だけ売ってください。金はちゃんと払うんで」

・・・

あー、自分がバイク屋だったら、こんな面倒な客は相手したくねぇから適当に追い返しそうな気がする。

おそらくバネ棒は、グリスとかねじロック剤みたいに「メンテ時にちょっとづつ必要だけどそれだけを小売りするような物でも無い」類いの物なんじゃなかろうか。買うんならチューブ入りを買ってこい、と。

大量に出回るこの程度のものなら、原価的には1本数十円程度かそれ以下で、真面目に考えたら一本当たりの利益率もカスみたいなもんだろうし、仕方なく売ってるってことなのではなかろうか。小分けで売ってくれるだけまだマシなのかもしれない。

とはいえ、無ければ無いで非常に困る物なのだよなぁ。とりあえず当面は良いとして、φ1.8mmをまとめ買いできるタイミングがあったら購入するか。となると、小売店よりはやっぱりネットショップになるだろうなぁ。

セイコーダイバーズ用を専門店で買う

セイコーダイバーズのバネ棒に関してはヨドバシでも取り寄せとのことだった。まぁ、サイズがまったく違う専用品っぽいし仕方ないだろう。

どっかで単品販売してないかと、都内のセイコーの部品取扱店を探したら・・・あったよ、バネ棒だけでなく補修部品も取り扱っていて、個人向けに小売りしてくれる問屋さんが。

www.kojimashoten.com

東日本では唯一のセイコー部品の取り扱い店らしい。また本体の修理も受け付けているようだ。
さっそくWeb上の問い合わせフォームから問い合わせたところ、5本セット1袋が最小単位で1080円。一本当たり200円弱と考えれば非常に良心的に思える。
電話番号は小売店向けなので個人の場合はすべてWebフォームからメールで行う。また基本は業販の会社なので土日祝日はお休みなので注意

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1回目にMM200用の20mmを発注。

f:id:obally:20190518144804j:plain f:id:obally:20190518144900j:plain 2回目にTurtle用の22mmとSSC137P1用の二次電池(そのうち交換予定)を発注。銀行振り込みの翌日にはネコポス便で届いた。
担当の方には非常に丁寧に対応していただいた。近場にこういうところがあってありがたい限りだ。

気にしすぎ?

この手の細かい部品でスペアをほしがるのは気にしすぎなのかもしれないが、無いとストラップが着けられず時計として意味を成さなくなるので、自分でいじれる範囲では準備だけはしておきたいし、出来ないならそれなりの方策は考えておきたい。

自分の中では簡単なメンテも含めて趣味の範疇と考えている。もちろん限界はあるけども。

NATOストラップレビュー

NATO(タイプ)ストラップを知ったのはSSC137P1を購入してからなので5年前か。
以降、何本か試したので、そこらへんをまとめてみることにした。

これからの季節はNATOタイプが良さげ

俺がNATOタイプのストラップを使う理由は、

  1. 脱着が容易なので時計から外して丸洗いできる。
  2. レザーより蒸れにくい。水に強い。
  3. 安価で強度があるので雑に扱える。
  4. 柔らかいので、外してポケットに入れるときに折り返して風防の保護ができる。
  5. カラーが豊富なので気分を変えられる。

こんなところか。
特にこれからの季節は1.の丸洗いできるというのは大きい。元々はSSC系など潜水防水ではない時計のメンテがやりやすいというのが発端だが、スタメンがダイバーズになって防水性は高い時計ばかりになったとはいえ、洗剤をつけて本体ごとバシャバシャ丸洗いというのはまだちょっと気が引ける。完全に外してしまうことでラグの内側など、バンドを装着したままだと掃除しにくいところに手が届くのもよい。

ここに挙げてないファッションブランド(BEAMS など)もあるようだが、現時点で積極的に選択する理由が今のところ無いので購入していない(店頭販売などで現物を見て良さそうなら買うかも)。

ブランドごとの微妙な違い

一口に「NATOタイプ」とはいっても、ブランドごとに微妙に仕様が異なる。

  1. ストラップ自体の質(織の細かさ、厚さ)
  2. 金具類など部品の違い
  3. 各部の長さ

f:id:obally:20190520002419j:plain 並べて比較するとわかりやすい。

それから、縫製(縫い目の細かさ、折り返し縫いされているか等)の違いは単価に反映されがちなところにも注意が必要。

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左:CASSIS、右:CIVO

CASSISは二重にボックス縫いしてあるのに対してCIVOは一直線に縫ってある。この差が即座に切断に繋がるわけでは無い(この金具が取れたとしても時計が脱落することは無い)だろうが、どちらが長持ちするかは言わずもがな。
やっぱり「安い奴は作りも雑」というのが個人的な見解。

色合いに注意

品質そのものだけでなく、同じ色であっても微妙に色合いが異なる事にも注意。
同じいわゆる「JB(ジェームズボンド)」カラーと称される「ブラック+グレー」であっても、例えばCalmeとZULUDIVERの二本を比べるとグレーの色合いがまったく異なる。

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左:Calme(22mm)、右:ZULUDIVER(20mm)

好みかどうかになってくるが、自分はMM200に合わせるならZULUDIVERの方が好みだ。

自分が思ったような色合いかどうかについては、店頭で買えるなら現物を確認するか実際に購入して試すしかない、というのが実情。このため、「買ってみたはいいけどやっぱり自分の時計とは合わなかった」ということで使わないストラップが大量に貯まることになりがちなので注意。

そうそう、ストラップのカラーだけで無く、金具類のカラーリングも考慮した方が良い。
個人的な見立てで行くと、金具類の色(シルバー、ブラック、ピンクゴールド)は、時計のケースに合わせるのが無難だと考えている。シルバーは市場に豊富に存在するが、ブラックメタリックやゴールド系は種類が少ない。
もちろん、バンド幅はラグ幅に合わせる必要があるので、それらも含めて選び出すことになるが、これらを考慮すると意外とドンピシャな物が見つからなかったりする。

NATOタイプブランド別レビュー

独断と偏見が多分に入り込んでいる点にご注意を。

Phoenix NATO G10 Strap

www.chronoworld.jp

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仕様書を模したパッケージになっています

  • 本物。オリジナル。
  • 4100円とそれなりにお高い。
  • 取扱店がクロノワールドのみ

なにはともあれ、とりあえずこれは挙げねば。

いわゆる「NATOストラップ」の本家本元。正式名称は「G10 Strap」で、NATOの規格を満たしたオリジナル。Phoenix社がオリジナルで、その他のブランドは「NATOタイプ」とか「G10レプリカ」のような表現がされる。なので「NATOタイプ」に含めるのはちょっと違うだろうかねぇ。
f:id:obally:20190522231725j:plain オリジナルとはあるが、実際に軍に納入されている「そのもの」なのかどうかは怪しいと思っている。なぜなら手元の現物は「Phoenix」のロゴが尾錠に入っているが、本当に軍納入品ならそれはちょっと考えにくいから。しかし部品は多少違ったとしても、作りが異なることはないだろう。

f:id:obally:20190522231658j:plain 作りにおいてレプリカとの一番の違いは、縫製では無く熱融着で留めてあること。これなら糸のほつれが無く破れることが無い。なにせガチなのでそこら辺に抜かりは無い。 ただし、ガチ軍用がベースなのでカラフルなものは無いし、色気もへったくれも無い。熱融着部分は固まることで硬質化しているのでその部分は柔軟性に乏しい。ベルトの末端処理もカットがナナメになっていたりして、実用性で問題が無いところは徹底的に手をぬいてある。
ミリタリーって本来そういうものなので、ファンならこっちの方が良いかもしれないが、普段使いするにはちょっとスパルタン過ぎる印象。

そもそも、国内での正規取り扱いがクロノワールド1社しかなく入手性は低い( Amazon.co.jpに出店してるけど )が、ここまでガチな奴を使いたいユーザは極少数だろうし、1本4100円は正直高いしお気軽では無い。やはり「本物」にこだわる人向けだろう。

NATOストラップとは本来こういうもの」が解ればそれで十分かな、ということで、自分はブラックの一本だけを所有している。

バンビ NATOタイプストラップ

https://www.bambi.jp/products/list.php?category_id=306www.bambi.jp

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  • 1500円前後(サイズにより違いあり)。
  • ビックカメラ、ヨドバシ、街の時計屋、ネット、どこでも購入可能。
  • 品質に安定感あり。
  • 雰囲気がいまいち。

バンビと言えば時計バンドブランドとしては国内では鉄板中のド鉄板。レザーバンドやメタルブレスなど、わりと安価で実用的な物が多い印象だ。

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この尾錠みたことある奴だわ
NATOタイプを細かいところで見ていくと、おそらく他のスポーツ用ベルトや汎用の金具(尾錠)を流用していると考えられ、カラーリングは色が薄いというか浅い感じだし、ストラップの織りも荒い。頑丈そうではあるが全体的に「NATOっぽい」雰囲気が重視されておらず無く作り込みが浅い。
スポーティな腕時計であればガシガシ使い倒すのも有りだが、オシャレな時計に付けたいかと言われれば、好みが分かれるところだと思う。販路が広くどこでも買える、安価で気軽に買えるというのが一番のアドバンテージかもしれない。

CASIS TYPE NATO

www.cassis-watch.jp

www.mano-a-mano.jp

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一番上のは長らく使い込んだSSC137P1用

  • 1500円前後(取り扱いショップによって若干差がある)
  • ネットショップまたは一部の時計屋(TiCTAK等)のみ。
  • 現時点で高い安定感とコスパ
  • 入手性が微妙。

バンビと同じく国内のバンドメーカー。バンビより高級路線というかちょいオシャレ系な感じのが多い印象。

NATOストラップについてはSSC137P1で長期間愛用してという事もあって、個人的には評価は高めにせざるをえない。以前の記事の写真でわかるとおり、かなりくたびれてはいるがほつれなど発生せずトラブルも無く使えている。
縫製はしっかりしており、織りも細かく肌に当たる部分も滑らかで付け心地が良い。

Amazonだとラインナップされていないカラーがあったり、店頭在庫が極端に少なかったりするので、楽天市場の正規取り扱い店(MANO-A-MANO)をあたるしかない。つまり微妙に入手性に難がある。
楽天はあまり使いたくないんだよなぁ・・・。

と思ったら、最近はMANO-A-MANOの公式からAmazonPayで購入できるようになったらしい。なら断然こっちだわ。

ZULUDIVER、Geckota

www.geckota.com

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間違えて同じJB2本買っちゃったZULUDIVER(1本は友人にプレゼントしました)
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おしゃれめなパッケージ(Geckota)
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上からGeckota、ZULUDIVER(JB)、ZULUDIVER(ブラック・金具マット)

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MM200のNATOはこれがデフォになっております

  • Amazon.co.jp(WatchGecko)にて 3200円。
  • 渋めのカラーリングが特徴か。
  • 質も悪くない。
  • 価格については微妙。

ZULUDIVER、Geckotaと製品ブランドとしては分かれているのだが、おそらく同じ母体メーカーだろう。どちらもAmazon.co.jpにてWatchGeckoというショップの取り扱いになっている。

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邪魔になったら多分切ると思う

どちらにもブランドのタグが付いている。はっきり言って不要だが、他のブランドとの大きな差異にはなっている。
ストラップの質はCASSISよりちょっと滑らかで織りが細かいストラップを使っている。尾錠の形状はPhoenixオリジナルに近い。縫製もしっかりしていて悪くないが、CASSISの倍近い価格差を考えたときにそれが適正かどうかは正直なところ微妙な感じだ。

自分が持っているのはこのZULUDIVERが2本、Geckotaが1本。
色合い的に渋めのMM200に合いそうということで購入。JBのブラック+グレイ(最近の007で使っていたカラー)は渋めの色合いでお気に入り。グリーンっぽいストライプ(ジェームズボンドが映画で付けてた本当のJBカラー)もかなり複雑な配色が特徴でわりとMM200に合う。おそらくオリジナルとも違う特徴的なカラーリングなので、このカラーが欲しければ良いのでは。

CIVO

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Amazonで色が豊富なんでつい・・・

  • Amazon.co.jpにて1200円程度
  • 安かろう悪かろう・・・
  • カラーと在庫は豊富

ストラップ自体の質は悪くなくCASSIS製に近いのだが、縫製が手抜きっぽかったり、定革・遊革の金具がキッチリ正方形に成形されていない、個体差が大きいなど、作りの雑さや品質管理の甘さが目立つ。もう数百円足せばCASSISやバンビがあるので、正直コスパが悪いと言わざるを得ない。

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左:CASSIS、右CIVO。CIVOの金具の曲げが甘いのがおわかりだろうか?

ただ、CASSISはカラーによっては(Amazonでは)欠品が多いため、気になるカラーリングがあるとどうしても手が出がち・・・

CIVOというブランドは中国の時計ブランドらしい。Amazonだと時計本体とのセット売りを勧めてくる。

Calme

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上:JB(22mm)、下:ネイビー(20mm)

  • Amazon.co.jpにて1000円弱
  • やっぱり安かろう悪かろう・・・
  • CIVOよりは多少マシかな?

CIVOよりさらに安い価格帯(ぶっちゃけどんぐりの背比べだが)。金具はCIVOよりマシだが、やっぱり縫製は雑。
積極的に購入する理由は無いという判断。

ダイソー

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  • ダイソーで運が良ければ見つけられる。
  • さすがに100円はバカ安!
  • ダイソーなんだから継続的に購入できるとは考えてはいけない。
  • 幅20mmしかないが、工夫で乗り切れ。

すっかり忘れていた。
一時期ダイソーの300円時計に付いていたため、このストラップ目当てに時計を買う人も居たらしい。現在ではストラップ単体で購入できる。

なにより安い。なんせ100円で買える。
カラーは6パターンあるそうだが、オーソドックスなカラーに混じって「ネイビー+グリーン」なんて微妙なものもあったりする。自分が入手できたのは2色のみだ。
ダイソーは店舗によって在庫があったり無かったりが激しい(まったく在庫が無い店舗もある)。また商品の入れ替えが頻繁で1つの商品が長期間継続して売られる可能性が低いので、どうしてもほしければ早めに確保するしか無い。
バンド素材の厚みが明らかに薄く、ストレートに言えば低質。質が低くても100円なら許せるし、改造したり、”材料”として使うのもアリだ。幅が20mmしか存在しないが、加工して18mmのチプカシに取り付ける例もあったりする。CIVOやCalmを買う前に、こっちを使って検討してみてもいいかも。

俺も「なんでも汎用工具袋」に入れた奴はこっちに切り替えようかな。

MARATHON US MIL SPEC STRAP

item.rakuten.co.jp

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20mm幅エクストラロング(30cm)

  • MARATHONのオプション。
  • 米軍MIL SPEC準拠。
  • クロノワールドにて2300円にて購入。

これは米軍なので厳密にはNATOタイプではないが、近いのでこっちに書いておく。

NATOに対して、米軍は「引き通し」というのが大きな違いだ。NATOアメリカの気質の違いが良く現れている。

これもPhoenixと同じく「本物」ではあるが、そもそもがMARATHONにつけるためのオプションとして販売されている。ロゴなどが入っていたら他の時計に使うのはためらわれるが、さすがにMIL SPEC準拠なだけあってそういった物は入っていない。

購入したのは幅20mmのデザートタンの「エクストラロング」。30cmと長いストラップだが購入の際にバイクウェアの上から巻くことを想定したため(実は前述のPhonix G10も30cmでおそらくウェアの上に巻くことを想定していると思われる)。
ところが付けようと思っていたSSC137P1の22mmではなく、間違えて20mmを購入してしまったため出番が無く、「なんでも汎用工具袋」にSUNTOのリストコンパスを付けて長らく放置していた。

最近になって20mm幅を使うことが増えたことと、リストコンパスはバックアップ時計の方に付けることになったのでスタメン復帰となった。
とはいえ、20mmのMM200をバイクウェアの上から付けるのには抵抗があるし、そもそもバイクの時にはMOTO-Rをつけるのでやっぱり出番が無いという不憫な子状態。

コスパ的にはCASSISか

と、これまでに購入したNATOストラップを挙げてみた。

ブランドごとに差異はあるが、『何買えば良い?』と聞かれたなら「安価で安定した品質」「雰囲気も良い」という意味では現時点ではCASSISがオススメになる。
量販店で現物を確認しやすいのでバンビが次点、どうしても欲しいカラーがあるならGeckota・ZULUDIVER本物が欲しければPhoenix、といったところか。

本体の次は交換バンド沼が続く・・・

また試していないブランドはある。イタリアのバンドメーカー、モレラートのNATOや「パーロン」など。パーロンは夏場向きっぽいのでそのうち一本買ってみようと思っている。   今回はNATOのレザータイプは除外してナイロンベルトのみを挙げた。レザーNATOは使い始めて日が浅いので、秋口に本格的に使うようになってからレビューしようと思う。

NATOタイプに限らず、バンドに関してはレザーバンドやメタルブレスもいろいろと試してみたいところだ。本体をいじらず気軽に安価に雰囲気を変えられるバンドは楽しい。ただ、先に挙げたとおり、発注したカラーが自分の時計にドンピシャに合うかどうかは試してみないと解らないという部分がある。幸い、安くてそれなりの物があるので、それを色々とやってみるしかないのだろう。
ストラップが増えて余って、それに合う時計を探すのもいいかもしれない

本末転倒の極みだが。

チプカシをバックアップ時計に仕立てる

今回は腕につけないので厳密には腕時計ネタではないです。

「なんでも汎用工具袋」

突然だが、自分は「なんでも汎用工具袋」呼ぶ工具袋を持っている。

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中身はこうなっております〜

その名の通り、「とりあえず普段よく使いそうな工具を一つにまとめたらこうなった」という工具袋である。 バイク、PC、無線機、自転車、ナイフメンテナンス関連、仕事(工事)関連、さらに「ピンチ缶」1的なものまで全部まとめてブチ込んでいるため、一見構成が無節操な感じに見えるだろうが、それぞれの強度やサイズを鑑みてセレクトした物なので、「とりあえずコレがあれば大体なんとかなる」というスマートかつコンパクトな頼れるヤツ(自画自賛)だ。もちろんアウトドア系もカバーしているためキャンプツーリングにも対応している。
サイズ的にどうしても入らない物としてはガス式の半田ごてとエアゲージぐらいなもんだが、エアゲージはバイクに備え付けとしたし、ガス式半田ごては「ガス缶を用意しなければいけない」と気がついて諦めた。

う~ん、「なんでも汎用工具袋」だとちょっとやっつけ感があるかな。
なんかニックネームでも付けようか?

そうだ、「マクガイバー君」2と呼ぼう!

マクガイバーファンに怒られそう3だからやめようね。

「そうだ、バックアップ時計買おう」

もちろん、各用途ごとに専用の工具は持っているんだが、「何でも工具袋」は「バックアップ工具」という意味合いが強い。
ビクトリノックスを代表とするスイスアーミーナイフは、よく「ポケットに入る工具箱」と称される。自分の場合はビクトリノックスではなくLetherman派だがポリシーは同じ。
実際の所、Letherman Waveを補完する形で専用ビットホルダーやライト、スパナ等など・・・追加しているうちにここまで肥大化したのがコレだったりする。ベースはあくまでWaveとフラッシュライトだ。

ビクトリノックスにはハンドル内にデジタル時計を内蔵したモデル(「トラベラー」4など)がある。この時計をメインの時計にしている人はおそらく居なくて、バックアップ用の時計という意味合いが強いだろう。なんらかの理由で時計が故障したときの予備とか、メインが一時的に時刻が狂ったときの設定元であるとか、海外旅行で腕時計を現地時刻に合わせる時に母国時間を忘れないように設定しておくとか、ストップウオッチやタイマー・デジタル高度計などセンサー系をたまに使いたいなど、まぁ使い道はいろいろ考えられる。

で、俺の「なんでも汎用工具袋」にもバックアップ時計が有ったら良いんじゃ無いか。普段は使用頻度の低いタイマーやストップウオッチ付いた時計がバックアップに含まれているのは良さそうだな、と。

仕事で必要であれば、ストップウオッチ5を机の引出に入れているし、普段はスマホだろうが、キャンプツーリングなどで別体のストップウオッチやタイマーがあると便利かもしれない。

Lethermanのラインナップに時計付きのモデルは存在しないし、そもそもヘヴィーデュティー寄りなLethermanのポリシーにそぐわない。逆に「時計(ブレス)をツールにしてしまえ」ということでThread Tempoがあったりする訳だがちょっと特殊な位置づけであることは間違いないだろう。
閑話休題

工具袋に入れっぱなしにすることになるのでソーラーや電波はNG。ストップウオッチやタイマーが着いていて欲しいので当然機械式はナシだ。それに可動部の無い液晶デジタルの方が耐衝撃性の面で有利になる。それなりの精度があってなるべく安く。
ということで、チプカシを選ぶ。

これが例のチプカシってやつか

「チプカシ」という概念がブームになったのってもう3年以上前だと思うが、現在でもヨドバシカメラビックカメラの腕時計コーナーには夏場のゴーヤの生け垣みたいに大量にぶら下がっている。

とりあえず気になった2本を選んでみた。

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  • CASIO F-91W : いわゆる「チプカシ」の代表格。とりあえずオリジナルを見てみないとね。
  • CASIO F-201WA : F-91Wよりちょっと高機能版。F-91Wには無いタイマー機能がある。

ポンと気軽に買ってきたこの二本、メーカー希望小売価格とヨドバシの値札(実勢価格)に注目していただきたい。

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  • CASIO F-91W : 2900円→900円 (68.9% OFF!!!
  • CASIO F-201WA : 2000円→960円 (52% OFF!!!

この驚異の値引率・・・。

しかもなんか値段が逆転現象起こしてますよね。

なんなのコレ。

CASIO F-91W

「チプカシ」の代表格的なモデル。

自分が子供の頃の「デジタル時計」のイメージそのまま。俗に言われる「ビンラディンモデル」が有名すぎて「オバマモデル」というのはあんまり定着していない模様。

「チープ」がどうこうというよりもまず先に「クッソ薄い!」そして「めちゃくちゃ軽い!」。こんなペラペラの筐体によく収まるもんだよなぁと改めて思う。
チープに関して言うならフロントライトが暗く、光が照射される範囲が狭い。ストップウオッチはあるがタイマーが無く、必要要件を満たさないため今回はパス。
それに操作系に癖がある。
今の時計で時刻合わせをする場合は、時刻モードに切り替えて、アジャストボタン長押しすると時刻修正モードに入るものがほとんどだ。
ところが、F-91Wはモード切替を何度か押して切り替えていくと、アジャストモードに切り替わる。「長押し」しなくて良いのは利点だが、持ち運ぶ工具袋に入れっぱなしにしておくことを考えると、モードボタンが押されてしまって時刻が変わってしまう可能性を考えるとコレはナシだ。

CASIO F-201WA-9AJF

もう一つ、ほぼ同価格だったので買ってみたモデル。

まず、液晶表示が大きく視認性が良い。操作系はより一般的だし、タイマー機能が載っている。
全面発光LEDライトでF-91Wよりフロントライトが明るい(というかF-91Wが今時にしては暗すぎる)
マルチアラーム5本となっているが、こんなに使うことはそうそう無いだろう。

多機能である代わりに本体が分厚い。そして、F-91Wはチープさはあるが「潔い」のが特徴だが、F-201WAは全体的に「無理に盛ってる」ような印象をうける。

全体的なデザインについて、あくまで個人的な感想をストレートに言おう。

ダサい

いえね、デザインについては「好み」というものがありましてね、俺がダサいと思うモノでも格好いいと言われるモノはあるし、その逆も真なり、でしてね。どうこう言う義理じゃありませんですわ、ハイ。 ところが、この機種については「ダサい」「カッコ悪い」という素直な意見がいくつか目に入ったが「格好いい」という意見は見つかりませんでした。

ま、ダサかろうがなんだろうが、今回は腕に着けるわけじゃないのでデザインの善し悪しは必要要件に入ってません。ということでコイツにする。

バンド交換

工具袋に入れっぱなしにするとは言え、他の内容物と当たって液晶面に傷が付くことはさけられない。壊れたら本体を交換するぐらいの使い捨て感だが、わざわざ傷を付けるのも無意味な話だ。
腕に付けずにポケットなどに入れるときは、バンドをひっくり返して液晶側に回しておけばある程度傷は避けられるが、標準のウレタンバンドは折り返して風防面を保護できない。それにSUNTOのリストコンパス(もともと工具袋に入れている物)も付けておきたいが、標準ウレタンバンドではスカスカで外れそうだ。

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そんなこんなでNATOストラップに交換する。18mm幅のストラップが無かったので買ってきた。バンビ製NATOバンド1250円。

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本体よりストラップが高いってなんの冗談なのか・・・
黒/赤なのは、工具袋内で目立つことを目的としている。本当は黒/黄が欲しかったが、このときたまたま18mm幅で在庫があったのがこれしかなかった。

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F-201WAのバネ棒は普通のバネ棒なので、普通にとりはずせる。ただし、バネ棒と本体とのクリアランスがかなりタイトでバネ棒を着けた状態でストラップを通すことが不可能。

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やや力業

そこでバネ棒を外した状態でケースに当てて、バネ棒を押しつけるように無理矢理はめこむ。

なにせ本体より高いストラップに換えるんだ。ダサい時計も多少はマシに・・・

f:id:obally:20190409224040j:plain ん~

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じゃじゃ〜ん・・・

ごめんやっぱダセぇわ。

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うわぁ・・・これは本格的に腕に着けたくねぇ・・・。
丸いリストコンパスと合わせるなら、ほぼ同等機能で丸形のF-200Wの方がマシだったか・・・いや、そうでもねぇか。

ま、ともかく、この状態で「なんでも工具袋」の主となった。出番があると良いね!。
外したウレタンバンドは、ラグ幅が同じだったため、コイツに着けたと。

F-91Wの使い道

完全にダブついたF-91W、今更これを腕時計として実用する気はまったくおきない。

で、何かに使えないか考えたが、思い出すのが「F-91Wを改造してIED(即席爆発装置)の時限式タイマーに使った」という話。

radiolife.com

このラジオライフの記事では具体的な回路図を出していないが、アラームの接点をアンプで増幅してリレーを駆動しているらしい。リレーが駆動できるのなら接点として利用できる。これをうまく活用してやればRaspberryPiやArduinoの接点入力につないで、マイコン用の高精度な外部RTC替わり・・・時刻合わせは無理だろうが定時チェックやタイマー駆動ぐらいには使えるかもしれない。

今のところ半田ごてなどが無い(つかRaspberryPiが無い)ため試せる環境では無いが、気が向いたらためしてみる予定。


  1. 「ピンチ缶」についてはこの辺をどうぞ。

  2. 『冒険野郎マクガイバー』より。詳細はググれ。ちゃんとダクトテープも入ってるよ!

  3. うん、マクガイバーは「スイスアーミーナイフとダクトテープ、その場にある物を組み合わせたり工夫して問題を解決する」という部分が魅力であって、何でもいっぱい持ち歩くのは違うよね。うん。

  4. 話はちょっとズレるが「トラベラー」が含まれたセットで「Expedision Kit」というものが存在するが、これにに含まれている、コンパス・温度計・ルーペが載った定規、これ“だけ”欲しいんだが、単体で売っていないようだ。なんとか2~3個手に入れられないだろうか。

  5. 頻度は低いがUIのレスポンスタイムを計ったり、MTのブレストでキッチンタイマー替わり(普通は逆か?)に使う事はある。

SEIKO Prospex SRP779JC

増殖した・・・だと・・・!?

f:id:obally:20190508215444j:plain いや、もう何も言うな。

やっぱり「Turtle」が気になる。

ということで通称「Turtle(タートル)」だ。
シックなバージョンはMM200(SDBC061)があるので、カラフルなダイバーズがいい。となるとPepsiかCokeか(後述)。

よせばいいのに、検索したら出てきてしまったじゃないか。

  • Ref. SRP779JC
  • 赤青ベゼル(Pepsi)バージョン
  • シリコンラバーバンド。

(今回、あえてショップ名は出さない。後述。)

末尾は国内製造を表す「JC」だが、「K1」などの海外製造とクオリティ的にどの程度差があるかはSEIKO 5などと同じく不明だ。

しかも安い。国内の通販サイトを見ると3万台オーバーがほとんどの中、このショップは28,800円となかなか安い・・・お安いのよ・・・。

国内での販売価格は57,240円として半額の50%OFFという扱いになっている。
この定価価格(?)はおそらく 国内向けモデルのSBDY015(新Turtle) の定価が53,000円である所を根拠としているようだが、SRP7XX系は国内販売されておらず、海外逆輸入であって国内の定価は存在しないので、この定価の意味はあまり無いような気がする。
もちろん輸入費用などを加算した価格ということも考えられるが、それにしては標準価格するにはちょっとお高めだが、まぁ、定価が存在しない商品に対してどうこう言うことはできない。

海外(Amazon.com)だと $340(38,000円ぐらいか?) 近辺(ただしK1)でおそらくこの辺が標準価格だろうか。さらに海外からの送料なども加味しなければいけないことを考えれば、国内で3万を切るなら「激安」かどうかはともかく十分安い。
過去にSRP777JCをほぼ同価格帯で本数限定で販売していたようなので、客寄せ的に定期的にやってるのかもしれないし、そもそもがSBDY015が出てどうやらSRP777系はカタログ落ちっぽいところがあるので、在庫一掃セールってことなのかもしれない。

しかし、だ。SRP7XX系(Turtle)やSKX007系(BlackBoy)はセイコーカニカルダイバーズの中でも人気モデルと言うことで海賊版が多く出回っているらしい。このショップは「正規輸入代理店」ということ1なので、よっぽどのパチモンでは無いと思うのだが・・・。

ポチってしばらくして売り切れになったが、他の国内ショップと比べたら価格差が歴然なので当然か。

いや、本当に大丈夫なんだろうか?

そんなこんなで一抹の不安を抱えつつ、発注から2日後出勤しようとしたら到着。

新しく買うモデルで本物と確定できる実物と比較できていない、さらに初めて使う店、ということで完全に確証が採れたわけでは無いから今回は購入店を明かすのを見送っている。

一通り特徴をチェックしたが(チェック対象は他のサイトの本物とされる画像および偽物の画像)とりあえず海賊版ではなさそうなのと、ショップの判入りのメーカー保証書が添付されていたため、とりあえず大丈夫っぽそうということで、早速着けて出勤したりする。ひゃっほ~い(ルンルン気分じゃねーか!)

SEIKO Prospex SRP779JC

言い訳は終わりにしよう。

改めて、SEIKO Prospex SRP779JC、国内では俗に「復刻サード(3RD)ダイバー」。海外のユーザが勝手につけたニックネームは「Turtle」。これ以降Turtle(タートル)と呼ぶ。

www.seikowatches.com

末尾「JC」が見つからないが、「K1」が公式サイトに載っていると言うことは、まだSRP7XX自体は継続しているということだろうか。

  • 200m空気潜水防水。もちろんちゃんとしたダイバーズ。

Turtleの源流は1970年代(MM200の元ネタである1968年ファーストの2つ後)に発売された通称「サード(3rd)」。これをオリジナルに近い形で復刻したモデルがSRP7XX系となる。「サード」の頃から「Turtle」と呼ばれていたのかはわからなかった。

Turtleの前にSKX007・SKX009・SKX011の「Boy(ボーイ)」系があったが、これをさらにヘビーデューティ化したしたのがTurtle系の位置づけらしい。
先に挙げたように、「Turtle」系と「Boy」系はセイコーカニカルダイバーズとしては海外で相当人気のあるシリーズらしい。ちゃんとしたダイバーズウォッチとしては「安くて頑丈」だからだとか。SEIKO5に通じる物がありそうだ。

以上が、Turtle系についてざっと調べた結果である。どこかで認識違いがある可能性に注意。

前述の通り、SRP7XX系のモデル番号は国内ではリリースされておらず、海外のみ流通しているため、日本で手に入れようとすると、個人輸入するかか逆輸入で取り扱っている店を探すしかない。この辺はSEIKO5と同じだが、国内なら近いモデルが国内向けとして出ているので、SEIKO5より出回りにくいかもしれない。

SRP779は俗に「Pepsi(ペプシ)」と称される赤/青カラーのダイバーベゼルを載せたSRP777の派生モデル。ブラック1色と比べてポップな印象をうける。

SEIKOダイバーズに限らず、ダイバーズウォッチのベゼルカラーのパターンは、ブラック、青、赤黒の「Coke(コカコーラ)」、青黒の「Batmanバットマン)」、そしてこの赤青の「Pepsiペプシ)」が多い。

レビュー的な物は基本的にはMM200を基準としての比較となる。

「Turtle」

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まぁ、見たままの印象ではあるが、「膨張するような丸さ」。頑丈さを感じさせると同時に柔らかさを感じさせ、愛嬌がある。
太くて丸いラグを手足、盛り上がったベゼルを甲羅と見立てての事だと思うが、「Turtle」というニックネームを付けた人は本当にセンスがいいと思う。ベゼルの滑り止めはブロックパターンになっていて、これも亀の甲羅を連想させる。ダイバーにとって海亀は幸運の象徴みたいな扱いらしいので、ゲンを担ぐ意味もあるのかもしれない。

ベゼルの径より張り出したケースを“横からの衝撃をカバーする”という意味で「クッションケース」と呼ぶらしい。MM200も極薄く「微妙に」出ているものの、Turtleはほどではない。

ケースの表側はヘアライン仕上げだが裏側はツヤのあるポリッシュ。ベゼル側のツヤを抑えているのはケースが目に入る面積が広くなるので反射を抑えようとしているのかもしれない。

MM200にあったケースの「ダイヤコート」は施されていない。普及帯だと省かれるようだ。

ベゼル、風防、ダイヤル、針

ベゼル表面はすり鉢状に内側に下っていて、さらにダメ押しで風防が一段低くなっている。平らなテーブルならダイヤル面を伏せて置いても風防が接触しないような形状だ。

ベゼルの回りは軽く、音も軽やか。「チキチキ」という感じでMM200であったゴムパッキンが抑えているようなしっとり感はない。

風防は「ハードレックス」、SEIKOでは「無機ガラス(普通のガラス)」に強化処理を施したモノをこう称するらしい。普及帯の風防のほとんどがコレみたいだ。
MM200の「サファイアクリスタル」と比較すると強度が落ちるし、内面無反射コーティングも施されていないが、そこは定価で倍以上の差があるので仕方ないだろう。ガシガシ使って傷が入って消せなくなったら交換がセオリーか。

分針はアロー(矢印)、時針はペンシル。MM200とは逆だが、両方を交互に見ても時分を見間違えることはない。秒針はMM200と同様にシルバーだが、MM200よりTurtleはちょっとだけ太いためか、「主張している」分だけまだ見やすい。

インデックスの蓄光の色合いが白い。MM200はややクリーム色に近いのだが、Turtleは白なのでベゼルも含めると構成される色は黒・白・青・赤となる。NATOストラップを付けるなら原色カラフルな奴の方が似合うかもしれないな。

サイズ・重量感

デザイン的に膨らんだイメージがあるため重そうに見えるが、腕に載せても重量感にさほど違いは感じない。ヘッド(ベルトを外した本体)の重量でいけば実測(本体だけの重量の情報が無いため)で100g。MM200が98gなので実際にも大差が無かった。
MM200と同じく、ケース裏の形状のおかげで密着感があり、重さを感じさせない。 また、MM200を見た後にTurtleを見ると、写真で見るより大きめに見える(逆に言うと写真だと小さく見える)のだが、

  • クッションケースの横幅が張り出している → 相対的にベゼルが小径に感じられる。
  • ダイヤルのインデックスがより外側に付いている → ダイヤルは小さく感じられる。
  • 全体が小さいと錯覚してしまう。

実際にはダイヤルの径はMM200とほぼ同じだが、ケースとベゼル、ダイヤルのバランスで全体の印象が正反対に感じてしまう。

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横から見て比較すると、MM200はせり上がった形でTurtleはどっしりとした形なのがよくわかる。
高さ(厚み)は13.4mmと、MM200より1~2mmほど高い。まぁ、腕に着けていて特別分厚いという感じはしない。全体的な「デカい感」のイメージが強いので、厚みがどうこうという話は意味が無い。

ねじロック式リュウ

4時位置のねじ込み式リュウズはMM200と同じ。 ただし、回りがスムーズでなく渋い。ポップアップさせるバネもMM200より強めで、ねじ込み始め(引っかかり)がわかりにくい。やはり細かいところで「価格なり」な部分を感じる。
慣れるまで慎重にやっていたつもりだったが、ねじ込み始め部分でちょっと変な癖がついてしまった。ねじ込み始めの部分で一部ネジ山を切ってしまったらしい。 完全に締め込みができない訳では無いので当面はこのまま行く予定だが、折を見てクリーニングを試みようと思う。

Cal. 4R36

Cal. 4R36 手巻き付き自動巻き、デイデイト(曜日日付)。

ねじロック式リュウズを完全に緩めた状態(ポップアップ)を0段として、

  • 0段引き:手巻き(時計回り)
  • 1段引き:カレンダー送り:時計回り→日付送り、反時計回り→曜日送り
  • 2段引き:時分針送り(秒針ハック)

6R15のMM200とほぼ同じだが、曜日があるので1段目は反時計回りが曜日送りとして動作する。

この4R36という型番の一つ違いの 4R35 というキャリバーが存在するが、これは「曜日無し」という違いで、言うなれば「姉妹」版だ。 SEALANE SE54のNH53A は4R35のSII版、つまりブランド違いだそうだが、SEALANE SE54の中身とTurtleの中身は「従姉妹」版ということになるだろうか。

シリコンバンド

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純正シリコンバンド、これの装着感がすごぶる良い

柔らかいのでフィット感があるし、しなやかなので着け外しの時に変に力を掛けなくて良い。 遊環がメタルなので、ゴム系バンドによくある「遊環が千切れて無くなってる」という心配をしなくていい。いや、もしかするとその分バンド側にダメージがいくかもしれないが・・・。
欠点があるとすれば、ウレタンと違い埃が付きやすいこと。これはもうジャブジャブ洗ってしまうのがいいだろうが、細かいホコリだと落としにくい。

すぐにNATOかメタルブレスに交換しようと思っていたが、このバンドはしばらくこのままで行く予定。なかなか装着感が良いのでMM200に付けたいと考えた。Turtleラグ幅が22mmなのでそのまま取り付けできないが、これと同型の20mm幅を買ってMM200に付けようかと・・・

・・・う、うーん・・・さすがに純正。ちょ~っといいお値段するねぇ・・・。

MM200とTurtle

同じメカニカルダイバーズだが、並べると一目瞭然、そのキャラクター性はまったく異なる。

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どちらも元ネタを復刻したりアレンジしたりではあるが、源流としているモデルが違うので当然と言えば当然なんだが。

まず、MM200に比べてTurtleはベゼルの径が大きい。ケース全体のサイズはほぼ同じなのに単体で見るとTurtleの方が小さく感じるのは、ベゼルの占有率が広いからか。
リュウズ(クラウン)もクッションケースから完全に出ていて操作しやすいMM200に対して、Turtleはリュウズがクッションケースに半分埋まる形でリュウズガードになっていて堅固さを強調している。

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再掲

横から見るとベゼルのフチは、MM200はケースと一体感があるが、Turtleはケースから大きく張り出している。
天面は、MM200のベゼルは中心に行くほど盛り上がっている形だが、Turtleは逆だ。

ケースのフチはMM200のカーブはストレートでシャープだが、Turtleのカーブがキツめになっていて丸い。

TurtleはMM200には無い「コミカルさ」を持っている。今回、ペプシカラーを選んだのは正解だったと思う。

「シックなMM200」「コミカルなTurtle」
「収束のMM200」「膨張のTurtle」
「“静”のMM200」「“動”のTurtle」

これだけ雰囲気の違うので自分の中で自然と住み分けができる。もちろんダイバーズの堅固性はどちらもそなえている訳だから、その日の気分で選べばいい。

SEIKOのメカニカルダイバーズはコレクターが多いようだが、同じダイバーズなのにそれぞれ個性的でバリエーションが多いから色々集めたくなってしまうってことなんだろう。それがよくわかった。

さすがにこれで打ち止めっすわ

前回のBambinoもそうだが、MM200を買う前に「あれもこれも」で気になってたものだ。
結局どちらも手に入れてしまったが、まぁ、そういう運命(さだめ)なんだよきっと(何?)

『ダイバーズは増殖する』とはどこかのブログで見かけた文言だが、自分も危うい感じではある。
とはいえ、さすがにダイバーズで欲しい時計は(今のところは)もう無い。ついでに言うと、他の時計で欲しいものも、とりあえず今のところは存在しない。そもそも、名古屋や実家から持ち込んだ時計もあって、一気に腕時計が増えて置き場所に困っているのだ。 何か対策を考えないと。

時計本体の購入ネタはこれで一旦打ち止めとして、小ネタをいくつか上げたら、腕時計ネタも一息つくことになるだろう。

いや、次は本当に無いです。あったとしても当分後になる。マジで。

だって、流石にもう、資金的に・・・ムリ(これが正直なところ)


  1. 『国産逆輸入の正規代理店』というのもちょっとなんか変な感じがするが、YAMAHAの逆車をプレストコーポレーションが、KAWASAKIの逆車を(株)ブライトが正規代理店になっていることを考えればわかりやすい。