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Honda PCX 4ヶ月レビュー

さて、Address110からPCXに乗り換えて、4ヶ月以上経過した。慣らしも終わり、通勤で使い続け、軽いツーリングもして、一通り乗ってきたので、ここらでPCXの感想をまとめてみる。
俺は乗ってきたバイクは多くないので、PCXを語るにあたって比較できる車種は少なく、その点についてはあらかじめお断りしておく。

エンジン、AGCスタータ


ふつう、エンジンの始動といえばセルモーターとセルギアの回る「キュルキュル」という音がつきものだが、AGCスタータの場合ジェネレータを回して始動するためセル音がまったくせず始動する。

非常にスムーズな始動にびっくりする。エンジンを切って止まったままの状態で時間が止まっていて、その時間の流れが戻ったような不思議な感覚。

むしろ、初めはちょっと気持ち悪かったw

アイドリングストップ


そして、AGCスタータを採用することになった大きな要因であり、PCXの大きなセールスポイントであるアイドリングストップ機能について。

はじめのうちは「信号待ちでのエンジンストール」を連想してしまいかなり不安だったが、なれてくると当たり前になってきた。慣らし期間こそアイドリングストップはOFFにいていたが、今ではONにしっぱなしにしている。

ハンドルの右グリップ側にアイドリングストップの切り替えスイッチがついている。走行中でも右の親指一つで切りかえることができるので、ワインディングと市街地でお手軽に切り替えられる。

アイドリングストップする条件は

  1. アイドリングストップスイッチがON
  2. メーターが0km/h以下
  3. スロットル開度が「全閉」
  4. シートに着座している
  5. (おそらく)水温が一定温度以上

この5つすべて満たしている状態で3秒ほど経過するとアイドリングストップが開始し、エンジンは停止、「STANBY」ランプが点滅する。

解除される条件は

  • スロットルを開く

これだけでアイドリングストップする前の状態に戻る。
この解除動作のレスポンスは良く、信号が赤から青に変わって再スタートするときにもたつくようなこともない。シグナルグランプリに参戦していない限り気にならないラグ。これは非常に良くできている。

アイドリングストップ中にアイドリングストップスイッチをOFFにしたり、サイドスタンドを出した場合、「STANBY」ランプが消灯して「キーはONになっているけどまだ始動していない状態」に戻る。つまり、再度スタータスイッチを押して再始動しなければ始動できない。


ちなみに、サイドスタンドを出すと点火カットされる。払い忘れ防止のためだろうけど、「信号待ちでちょっとサイドスタンドで立てておきたい」ということが無いこともないので、個人的にはお節介機能に思える。まぁ、センサーをゴニョゴニョすればキャンセルできるはずなので、そこらへんはそのうちやってみるか。

コンビブレーキ

コンビブレーキ*1が標準搭載されている。俺にとっての初めてのコンビブレーキは、8年前にHONDAウイング店で試乗したスペイシー100だった。このコンビブレーキは、左右のブレーキレバーをリンクで連結するタイプで、左(リア側)を握ると右(フロント側)も機械的にかかる仕組みだった。つまり左レバーを握ると右レバーが緩くなってガタガタするもので、「コンビブレーキはイマイチ」という刷り込みになってしまった。

PCX(というか今時の原付のコンビブレーキ?)は、左ブレーキをかけるとフロントブレーキの油圧ラインに働きかける仕組みになっているようだ。これは250ccクラスのコンビブレーキとほぼ同等の仕組み。これだと右レバーはガタガタせず、レバーの握るのに必要な力こそ弱くなるが、ガタガタはしない。フロント側に割り振られる力の配分もあってか、あまりコンビブレーキであることを意識せずに済んでいる。

足周りと走破性

PCXのタイヤ径は前後14インチになっている。一応、フロントとリアでサイズが違うのだが、どちらにしてもスクーターとしては細い印象。ちなみにフロントは90/90-14、リアは100/90-14。

原二スクータとしては大きめのタイヤ径と、ホイールベースの長さのおかげか、走破性はかなり高い。そして、径と幅が、燃費に寄与しているのも間違いないだろう。

しかし、この純正タイヤは滑りやすい。接地面積が狭いので摩擦抵抗は低いはず。せめてリプレイスで他のブランドが選べればよいのだけど、リアタイヤは純正指定のIRC SS-560以外に選択肢がない*2。自分は前後のブランドを統一したいタイプなので、リアだけSS-560ってのはちょっと避けたい。

PCXがリリースされてから1年以上経過しているけど、他社からでるという話は未だ聞かない。なんとかがんばってもらいたいところなんだけど。個人的にはダンロップとかミシュランあたりが出してくれればなぁ・・・。

サスペンションについて、フロントは気にならないが、リア側は小さな段差に乗り上げたとき、やや蹴りあげられる感じがする程度にはアブソーバが堅い。もうちょっと走って柔らかくなったらかわるかもしれない。

リアサスペンションはYAMAHAマジェスティ125(いわゆるコマジェ)と同じく左右二本。プリロード調整機能はない。すでにいくつかのサードパーティからリプレイス品がでているので、これに変えるのも手かもしれないが、二本セットなのでお高めになってしまうのは否めない。

灯火類

「お高い」といえば、ぱっと見は単眼にみえるヘッドライトも実は二灯なので、交換費用は高くなる。ただし、そのおかげでヘッドライトとしては十分に明るい。ヘッドライトの型は「HS5」でややマイナーだが、マツシマあたりがホワイトバルブなんかを用意している。

マルチリフレクタ式ヘッドライトの左右脇に、ウェッジ球のポジションランプが、気がつかないぐらい地味に配置されている。国内ではヘッドライトは常時点灯なので存在意義は微妙なところだが、海外ではヘッドライト消灯時にも点灯しっぱなしになっているはず。手軽なカスタムとして
これをブルーのLED球に変えるってのもいい。が、個人的にはフォグランプとしてみたいのだけど・・・法令上は問題無いんだろうか?

インパネ

インパネのスピードメーターは、自発光式ということもあり、非常に視認性が良い。青色の線の必然性は分からないが、目盛りも針もはっきりしていていい。バックライト付き液晶の距離計と燃料計も見やすい。
ウインカーインジケータ、STANBYランプは大きい。
ディマ(ハイビーム)はまぶしい・・・いやヘッドライトがまぶしいのは当たり前で、そうじゃなくて青いインジケータが・・・。日中の切り忘れを防ぐためだろう。

難癖つけるなら、「せっかく広いインパネなのにもうちょっと情報量を増やしても良かったのでは?」という感想。

そして最大の疑問点が「時計ぐらいつけてくれてもいいじゃない?」という点。

まぁ、コストなんだろうな・・・。

足下の一体感


個人的に一番PCXで良かった点。
スカートガード*3から手前にせり出す・・・あるいはフットスペースがスカートガードのなかにめり込むような形になっていて、一体感があって好きだ。

足を一番前に出すと、つま先がカウルのせり出しに隠れるような形になる。アメリカンのように足を前に出せるこのポジションは、長距離走行時に効いてくる。

逆に足をおもいっきり手前にもってきて、バックステップ的なポジションにもできる。タンデムステップを出さなくてもくるぶしに引っかけられるぐらいの盛り上がりがあるのでわかりやすい。

まぁこれはあくまで気分の問題だけどね。ニーグリップできないのにバックステップって正直スクーターでは、俺はあまり・・・。

なくなって気が付いたコンビニフックと小物入れのありがたさ

原付二種スクータではなく、ビッグスクータの縮小版ということで、インテリアはビッグスクータに近い。たとえば、バスケットが無くなってグローブボックスになっているとか。
そして、一番大きな違いが「コンビニフックが無い」ということ・・・。

「そんなもん、大して変わらないだろwww」と思うでしょ?いや、これが結構不便なのよ。

Address110にもレジ袋を下げられるコンビニフック*4があったけど、PCXには無い。コンビニに入って、買い物して、自宅までちょっとの距離なのに、メットインを開けなければいけない。

メットインに入れるところまではいいとして、レジ袋みたいな袋だと、メットインに入れて走ると中でごろごろ転がって、取り出すときに袋に入れ直さなければいけない。
たかだか1kmしない距離なので、フットスペースを占有されたとしてもあまり気にならない。なにかしら代用品がほしいところ。

一応、アフターパーツで後付けのコンビニフックがあるが、車体側に穴を開けてネジ止めする必要があるので躊躇している。
ハンドルバーにつけるヘルメットホルダーを流用するのも手かも・・・いや、ステアリングに影響しちゃうからまずいよなぁ・・・。リアキャリアにつけるとか?それも走行中にバタつきそうで微妙だ。

同様にフロントポケットも無い。というか形状的に難しい。あ、Address V125はフロントポケットはオプションだったっけ?
一応グローブボックスはついているが、大きなものではなく、冬用の厚地のグローブを入れるとふたが閉まらない。やはりこれはシガーライターソケットや財布や携帯灰皿みたいなものを入れとくのが正解なんだろう。

燃費

納車してから現在までの燃費をまとめてみた。

日時 給油(L) オド(km) 走行(km) 消費量(L) 燃費(km/L) 増減 直前の走行イベント
2011/4/11 21:30 4.19 224.0 223.2 4.19 ---- ----
2011/4/14 19:20 5.00 453.0 228.9 5.00 45.78 45.78
2011/4/19 19:52 5.27 659.0 205.1 5.27 38.92 -6.86
2011/4/22 20:48 2.70 772.0 113.0 2.70 41.85 2.93
2011/4/23 14:24 3.58 917.0 145.4 3.58 40.61 -1.24 バイク屋 高山ツーリング
2011/4/24 18:57 3.95 1099.0 175.1 3.95 44.33 3.71
2011/4/30 21:09 5.00 1309.0 210.1 5.00 42.02 -2.31
2011/5/3 20:59 1.31 1362.0 53.0 1.31 40.46 -1.56
2011/5/4 14:27 3.07 1514.0 152.1 3.07 49.54 9.09 松本ツーリング
2011/5/5 14:00 2.28 1623.0 109.4 2.28 47.98 -1.56 松本ツーリング
2011/5/7 21:01 5.20 1874.0 250.5 5.20 48.17 0.19 松本ツーリング後の給油
2011/5/21 15:06 5.12 2079.0 205.6 5.12 40.16 -8.02
2011/6/3 21:35 4.87 2271.0 191.2 4.87 39.26 -0.90
2011/6/29 20:33 5.30 2479.0 208.5 5.30 39.34 0.08
2011/7/10 22:13 5.47 2716.0 236.7 5.47 43.27 3.93
2011/7/23 18:01 4.96 2925.0 208.9 4.96 42.12 -1.16

4月は慣らしのためにむだに多く走っていて給油回数が多いが、5月のツーリング期間以降は安定している。
見ての通り40km/Lを大きく下回ることは無い。PCXのタンクは満タンで6Lだが、かなり荒いアクセルワークでも少なくとも連続200kmは走れることは間違いない。これは非常に安心感がある。

リアキャリア

ふつうの原二スクーターなら当たり前についているキャリアが、PCXにはついていない。そこでオプションやサードパーティのリアキャリアをつけることになる。リアカウルのグラブバーに当たる部分、カウルを剥ぐと、中のフレームにはあらかじめキャリア用のネジ穴があいているので、その部分のカバーに穴を開けて取り付けられる。
このやり方は、250ccクラスのスクーターとまったく変わらない。

自分は「丈夫そう」という理由でキジマ製のものを選択したが、荷台の角度や大きさで複数種類を選ぶことができる。また、代わりにタンデムバックレストにすることもできる。

デザイン

デザインに関しては「好み」という問題がある。ホイール径の大きさと幅の細さでいままでのスクーターとは大きく違う印象のPCXだが、それだけにやはり好みに合わない人はいると思う。

個人的にこのバランスは「十分アリ!」なんだけど(でなきゃ購入に踏み切らないわな)、これからこういう系統のデザインのスクーターは出てくるんだろうか?出てくれると俺はありがたいんだけど。

まとめ:250cc寄りの原付二種スクータ

いままでまとめた内容から結論なんだけど、50cc〜250ccまでのスクータの中でのPCXの位置づけは、やっぱりこうなる。見たまんまで、なんのひねりもないけどね。


AddressV125(V100)が限りなく原付一種(50cc)スクータに近い原付二種スクータとすれば、PCXは限りなくビッグスクーター(250cc、150cc)に近い原付二種スクータ、と言える。
むしろ車格的には150ccでも十分通用するもので、当然AddressV125のような身軽さは無いが、直線やロングライドでの楽さはやはりPCXが上だ。そういう意味で考えれば、大きめだけど日常の「下駄性」も重視していたAddress110は原付一種と250ccのちょうど中間だろう。

これらを横に並べるとこんな感じ。


原付一種スクータ - AddressV125(V100) - Address110 - PCX - ビッグスクータ

おそらく、「コマジェ」もPCXの位置になるんだろう。

ところで・・・(その1)

車格的には十分150ccクラスでもいける気がするんだが、「PCX 150」の可能性はないんだろうか?

ところで・・・(その2)

今回、赤色を購入した事に関して、友人知人家族より

『赤色とかwwwwお前には似合わんwwww』
だの

『あーかっこいいよねーーバイクは!wwww』

などと散々俺をDisる方向らしいが、
んなことイエローのFirestormを買った時点ですでに散々言われまくっているのでその程度のことじゃ俺は凹まないのでザマァ見やがれコン畜生。

*1:リアブレーキとフロントブレーキを連動させる機能。

*2:このSS-560自体がPCXのために設定された銘柄らしく、ラインナップされているサイズ90/90-14と100/90-14のみ。

*3:ヘッドライトが入っている辺りのカウルの事を正式にはこう呼ぶらしい。

*4:まぁあれはオマケみたいなもんだったけど。