ここからは、思うところというか、愚痴というか、なんというか。
(元の情報ソースなどはあるが敢えてリンクしない)
今回は「嫌事」しか書いていない気がするので。でもぶっちゃけ、今回までの5回の記事は、この記事を書くための壮大な前置きといっても過言では無いかもしれない。
理想と現実
理想:『ラリーマシンの走行をリアルで間近に見ることができる!』
現実:見える時間短い、あっという間に終わる、距離が遠い、そもそも見えない
・・・
今回、自分が取れた2ステージのSSだけそうだっただけかもしれない、という前置きは一応しておく。
見える時間短い、あっという間に終わる→ディレイとキャンセル
クラッシュや天候、競技車両の故障など、どうしようもない理由でのステージキャンセルは本当にどうしようもない思う。
だがSS岡崎のディレイ、これは明らかに防げたはずだ。
発端は岡崎の河川敷をチャリで散歩する爺さんが、スタッフが制止したにもかかわらず走行エリアになんども進入を試み、もみあって転けて救急車で運ばれた件だと思われる。
この前日にも車両の不正侵入があってSSキャンセル、これにより
「管理体制に対するFIAのお怒り(どーなってんだ!)で管理レベルが上がってダイバーレスキューを呼ぶことになった」
という噂が本当かどうかはわからないが、もし本当だとしたら、そもそもコース進入に対するブロックが薄かった運営の不手際があったのは間違いないし、しかしFIAもFIAで「GO出した癖に後出しすんじゃねーよ」とも言いたくなるわけで。
不正侵入に関して「陰謀論」が出てたり出てなかったりするんだが、まぁ、陰謀論を唱えたくなる気持ちもわからんではない。「日本でWRCを失敗させたい勢力」がいくつか存在するはずで、これは初開催2004年の北海道の時点で俺も認識していた。そのうちの「とある一部」は今回に関してはなりを潜めている(反対する理由が無い)だろうし、実際「とある一部」らしい話題になることはなかったが。
その「とある一部」以外についても表立って活動しているようには見えないので、余計今回の件が「あいつがそうなんじゃねーの?」と考えてしまうのは、ね。
が、結局のところコースへの侵入者を防げなかった(岡崎に関しては阻止しようとしてもめた)のは揺るぎない事実で、さらなる対策が必要だったということは否定できない。
距離が遠い、そもそも見えない
ディレイとキャンセルにも関連する話だが。
日本国内でWRCを開催するにあたって『SSの観戦エリアは少ないんだろうな』『観戦ポイントはコースから遠いんだろうな』と最初から覚悟していた。
運営側が「観客を巻き込んだ事故だけは避けたい」というのはもちろん理解できる。海外のレースのようにコース脇のリボンギリギリからコースへ身を乗り出して観戦できるなんて考えてはいない。
SS01は夜間だしより安全性を考慮して高台からの観戦になるのは理解できる。そのかわり高所から見下ろすことができ、暗闇の中をライトポッドの光を曳いてエンジン音とスキール音を響かせながらランダバウトを一周する様は美しいと言えなくも無い。
で、岡崎SSですよ。
今思い返しても、やっぱこれは無ぇわ・・・と。
遠いにしても川を挟んだ対岸の時点で遠すぎるし、ダストでそもそも見えねぇっていうね。
上流側の橋上から見ている人がいて、一部で「チケット買ってねぇのにおかしいだろ!」という声が上がっていたようだが、観戦チケットを購入して対岸側の「正規の観戦エリア」から見ていたこっちとしてはそうでも言いたくなる。あの様子なら「むしろ橋の上からの方が見えていたかもしれない」と思ってしまう。
岡崎SSのステージのプロデュース側は、おそらく初の試みだったろうし、もっと準備期間が必要だったかもしれない。おそらく様々な制限があり、そのなかから最善のプランを選んだんだろうと思う。
だが、実際にその場にいて観戦していた人間としては「さすがに不平不満ぐらい出るやろこれは?」と言いたい。例えば次回同じエリアでSSSがあるとして、今年と同じ構成だったとする。俺は買うか?と言われたら、“NO”だ。
俺が、それなりに値段のするSSチケットを買い、時間と手間をかけてステージへ赴いたのは、レース走行しているマシンを、この目で直に見たいからなんですわ。
レースをリアルタイムで見るというだけなら、ぶっちゃけ生中継でも良いわけで。実際、レースそのものを楽しむという面では最終日DAY4にスタジアム内で見ていた時の方が精神的な余裕もあって楽しめた。
だけど、ステージのその場所で、音・・・というよりも「空気の震え」、オイルや排気やゴムの焼ける匂い、それらと合わせてのマシンの動き。こういうものはやっぱりその場で観戦しないと得られない経験だ。
そういう経験だからこそ金を払ってでも見に行く価値があるのだ、と思っている。
勝田貴元
(「勝田」とだけ書くと、貴元の事なのか親父さんの方なのかおじいさんの方なのか、ということになるので、フルネームか下の名前で書く)
勝田貴元は、これまでの走りを見ている限り、ひとっ飛びに優勝をかっさらうようなタイプではないと思う。常時ポディウムに登ってはいないが、焦らず、それでもつねに4~6位につけ、地道に実力をつけじわじわとのし上がっていったが、それでもポディウムの経験は少ない。それだけ上位陣の実力が高いということだが、それでも虎視眈々と上位を狙い続け、波乱の起こりやすいレースではチャンスとばかり2位と3位を勝ち取っている。RallyJapan2022もまさにそんなステージだった。
これまで貴元に課せられていた最大のミッションは、インタビューでも度々本人から語られている「サービスに無事にマシンを返す事」だった。
これまではNext Generation、つまり若手育成枠でシーズンフル参戦し経験値を貯めるフェーズであった。その力量は本チームであるToyota GAZOO Racing(TGR)とは別に TGR NGとしての獲得スコアがMスポーツフォードの半分を占めている点からも見て取れる。フォードは2台出走だがTGR NGは1台、貴元1人が稼ぎ出したチームスコア。つまり本戦で一人分のスコアを稼ぐことが十分可能な一線級の人材だということの証だ。
そして、ついに来年からNGから本チームに昇格を遂げた。
シェアシート、つまり一台の車両を貴元とオジェという二人のドライバー(&コドライバー)とで共有する。一台の車両としては通年で走るが、乗るドライバーがつど変わる。これはドライバーからすれば必然的にチームメンバーとして参戦するチャンスが、個人スコアを獲得するチャンスが減る、ということになる。
貴元が本チームとして乗らない時は予備車にてドライビングするそうだが、その場合はチームのスコアにならない。限られた搭乗回数の中でチームスコアを稼ぐことを期待されるようになる。つまりこれからは「サービスに車を帰すこと」から「より多くポディウムを獲得すること」が彼のミッションとなる。
RallyJapan2022で3位に上がったのはとても良い区切りになったのではないかと思う。
いよいよ彼は本当のスタート地点に立つことになった。
「現役のWRCファン」ではない
っていうか、そもそもの話。
WRCに興味を持ち、最も熱の高かったのは高校~学生時代だ。回りに車好きも多かったし、1990年代はWRCにおける日本車優勢の時代(といいつつ自分はランチアが好き)でもあった。毎ステージごとにRally X Press誌を本屋に買いに走ったし、ミニカーやスケールモデル(ハセガワのトティップカラーのデルタは未だに組み立てていない1)も買った。実家の自室の壁にはポスターやデルタのタペストリーがまだ貼ってある。
それが社会人になってからはWRCはもとよりモータースポーツ全体に対する熱量自体が萎んでいった。
要因はいろいろあるが、一番の理由は、「観戦するよりは自分で(バイクを)乗っている方が楽しい。」ということに気づいてしまったからだろう。
「学生=時間はあるが金が無い」
「社会人=金はあるが時間が無い」
昔はよくこんなことが言われていたものだが、自分が社会人になったばかりの頃は、
「就職氷河期社員=時間が無い割に金(給与)も少ない」
という状況だった。そんな暇も金もない状況では自然と趣味も取捨選択していくいことになり、「モータースポーツ観戦」というのは自然と下火になっていくと。
昔は「バイク好き=バイクレースも好き」みたいな構図があったようだが、プロ野球やJリーグの観戦好きがすべからく野球やサッカーをやるわけではないのと同様にバイクや車に乗るからといってモータースポーツのレース観戦が好きとは限らない。まぁバイク乗りの数は野球ファンやサッカーファンとは母数が違いすぎる(メジャーではないという意味で)毛色の違う趣味だ。「バイクに乗るのが好きなことが煮詰まって行き着く先はサーキット走行」っていうライダーは(特に1990年代までは)少なくは無いとは思う。自分はWRC、ラリー競技については国内戦を見るわけでももちろん自分で走るでもなくそのままになっていった。
熱量を失ったとはいえ完全に興味が無くなったわけでは無く、水面下でくすぶり続けていたのだろうと思う。WRCの情報はそれなりに追っていたし、おおよそではあるが今年までの経緯は把握している。
で、なんで自分がこれまで書いてこなかったWRCに関して、ここにきて取り上げることにしたかという理由を抽出して纏めたら、
- 地元愛知岐阜で開催される
- 勝田貴元が走るから
と、これだけ書いたらようはニワカみたいな理由にしかならなかったっていう(笑)
最も熱量の高かった当時からしたら、WRCというのは『海外で開催される』『北欧を中心とした海外ドライバーが走るもの』というイメージが大きかった。その状況が大きく変わったのは17年前のRallyJapan北海道からだが、やはり北海道に観戦に行くのはかなりハードルは高かったし、それでもフル参戦のトップカテゴリーの日本人ドライバーが、WRCとして日本のステージを走るなんて「あり得ない」と。
それが、まさか日帰りで通える距離で、日本人トップカテゴリの、しかもポディウムを狙えるドライバーが今年走る。となれば、さすがに自分も動かざるを得ない。
「動かざるを得ない」
これが前回、DAY4 SS19で勝田貴元の3位が確定した瞬間に感じた
『俺の役目は終わった』
の理由なんだと後から理解できた。
つまり、
「WRCという世界規模の舞台に日本人ドライバーが不在だったこと」
それがずっと、心残りだったんだと。
そして、ようやく今年、勝田貴元が、彼の母国のこの日本で、一番下だがポディウムに登った。これが俺の肩の荷が下りた、そう感じたと・・・。
勝手に気負って、勝手に納得して、勝手に気が楽になる。これってもう面倒でやっかいな老害オタクか、そうでなかったらただのニワカでしかねぇw
特定のチームのファンでもない、ドライバーのファンでも無い、気にしていたのは単に日本人ドライバーが居なかったことだけ。こんな今の自分はやっぱり「WRCファン」とは言えないだろう。
今後は(多分)ここに書くことはしない
ずっと悩んでいたことを、ようやっと自分の気持ちに整理を付け、ここに吐き出すことができた。そういうことで、今後はこのブログにWRCの事を書くことは無いと思う。
いや、正しくは「WRCの事を書くかどうか悩むことをやめる」というべきだろうか。
自分の場合、このブログの記事に起こすものは自分のなかで納得できた事か、あるいは事実を並べたメモであって、精神的に「保留中」のものはアップしない。実際のところ書きかけて止まっているネタはPOMERAの中に対流しているw。
自分として中途半端な記事にしたくないという気持ちが大きく、それゆえに「半端なファン」たる自分が書くWRCネタは対流の肥やしとなっていた。これらは完全に時期を外したものばかりですでに削除してしまっているが、今回の記事で1つ気が楽になったというのが大きい。
つまり「悩むのとかやめて書かないで良いや」といった感じに吹っ切れた、と。
しかし、これまでどおりWRCを追うことは止める気はしない。
なんせ勝田貴元にはまだ先がある。先にも書いたがこれからはさらに厳しいポディウム争いに立ち向かっていくことになる。面白くなるのはこれからだからだ。
これからも水面下で密かに勝手に貴元を応援していこうと思う。
- そういや去年買った1/24のCT125キットもまだ箱から出してねぇわ↩