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「一七式特殊荷箱」とサイドバッグサポート

バイク屋さんに入荷した「一七式特殊荷箱」を引取に行くついでに、パジェロミニでちょっとした林道調査を行って、バイク用品店に寄る。
CT125のセンターキャリアに固定する時に使用するの固定ワイヤを買うためだったが、消耗品や工具などほかに必要な物はあったかなぁと。

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これこれ。小さいセンターキャリアには1mぐらいがちょうど・・・・

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・・・だって売ってたんだもん

デイトナ CT125サイドバッグサポート

これまで選択に悩んで手を出せなかったものはいくつかあったが、サイドバッグサポートもその一つ。候補としてはデイトナ製とキジマ製の2種類。

デイトナはリアショックに添った斜めの形状で手が入れやすそう(掃除が楽)、さらに目立ちにくいのでノーマルルックを崩さない。キジマは頑丈そうな太めのパイプで構成されているため、むしろデザインとしてはこれもアリ。どちらも捨てがたい。
巻き込み防止という点ではおそらくどちらも問題ないだろうが、やはり実物を見る機会がないと決定打にならない。そんなときに店頭で見つけたのがデイトナ製だったので、「これはもう買うしか」ということに・・・。

取付

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付属品はボルト一本とマニュアルのみ。
取付箇所はリアショック固定用のシャフトと、テールランプステーの横のネジ穴、それぞれに共締めする形になる。リアショック側は既設のワッシャと入れ替える形でサイドバッグサポートを入れる形。テールランプステー側は付属のボルトに差し替える。

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リアショックのボルトにアクセスするために、キャリアの下まで伸びているエアダクト(シュノーケル)のカバーを外す必要があり、これにはちょっとコツが要る。ゴム製のダクト自体は外さなくてもちょっと曲げればOK。

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それぞれ差し替えたうえで、指定トルクで締め付ける。最後にダクトを元に戻して完了。

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f:id:obally:20210622130445j:plain 取付はこれだけ。

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使った工具は5mmのヘキサ、17mmの10mmソケット、ラチェットとエクステンションバー、トルクレンチ。 トルクレンチは 53N・m と 10N・mで2サイズ必要になった。5mmのヘキサはエアダクトのカバーひ外す他、標準のツールボックスが邪魔だったので一時的に外すためにも使用。

・・・正直なところ、強度的に「本当にこれで大丈夫なんか?」という不安が残る。さすがにリアショック側に力が掛かってどうこうってことはないだろうが、もう一方のテールランプステー側と2カ所だけで横渡の補強的な物が無いってのが気持ち的に引っかかる。
構成しているパイプもそんなにガッチリしたものではない。他のデイトナ製サイドバッグサポートとそんなに変わらない太さなので実用上は問題無いとは思うが・・・。

「一七式特殊荷箱」

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CT125を注文する段階で発注をかけたので去年の10月ぐらいか。およそ8ヶ月かかってやっと届いた。受注生産らしく、ある一定量発注が溜まらないと生産されないっぽい。さらにCOVID-19の影響もあると思われるが、まぁなんとか入手できた。
今回発注したのは通常版より2000円高いバージョンで、ボックスの底に敷くウレタンとステッカーが付属するもの。別に無くても良かったのだけど、こっちの方が早く届くというアナウンスがあったためこっちにした。

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一見スチール製に見えるが実際はFRP製。ミリタリーテイストのエンボス加工、縞板風天板、溶接跡や巻き締め缶風に見せるなど、ディテールへのこだわりが素晴らしい。見た目だけ無く、天板が縞板状の平面なのでこの上にも積載できる。

CT125のキャリアの横幅とぴったりだが、これはもともとSTDカブやクロスカブのキャリア幅とツライチになるような設計だから。つまりCT125とSTDカブやクロスカブのキャリア幅が同じということだ。「防水では無い」とあるがパッキンとしてウレタンスポンジがはいっているし、雨ぐらいなら問題ないレベルだろう。鍵付きのラッチは電気設備のキャビネットなどに使用されることが多いタキゲン製。ヒンジもしっかりしたもの。

唯一の懸念点はカラーリングだった。Web上に上がっている写真だと色合いの判断が難しい。
「カーキ(khaki)」とは本来「土埃色」のことらしい。土埃色というにはややグリーンがかっているが「オリーブドラブ(OD)」というほどグリーンではない。「ODとカーキの中間からややブラウン寄り」といった感じか?
CT125の「マッドフレスコブラウン」は「デザートタン」に近い色で、身近なものに例えると「カフェラテ色」とでも言うべき色合いだが、実際にCT125に乗せてみれば「マッドフレスコブラウン」でも違和感が少ないと感じる。キャリアなどブラックが入っているのでこれが良いアクセントになっている。
中途半端に近い色だと逆に目立つが、タイ仕様の新色「サファリグリーン」1ならかなり近い色合いに見えるだろう。

あまりに車体に合わない色だと感じたら最悪は再塗装するつもりだったが、予想していたよりしっくりきたのでしばらくそのままのカラーリングで使うことにした。さらにデコレーションするなら白いステンシル風のロゴステッカーか塗装でミリタリーライクなのが似合いそう。どういう文字を入れるのかは難しいけど。

f:id:obally:20210622130832j:plain こうしてアイリスオーヤマのRVボックスと比較するとあまり大きくは感じないが、容積は増えている。

高価だが総合的には値段に見合ったトップケースだと思う。このボックスを知ったときには「CT125ならこれ以外考えられない」と思ったが、実際に到着したものを見て長期間待った甲斐はあったと感じる。

取付

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取付ネジ穴の位置が違うため、前側か後ろ側の片側は追加の穴開け加工が必要。そもそもSTDカブまたはクロスカブ(CC50,CC110)のキャリア用として設定されていることはわかっていたので穴開け加工は想定内。

さらに、CT125のキャリアの横幅にはツライチだが前後方向には短いため、ボックスの位置を「前寄せ」か「後ろ寄せ」かを決めなくてはならない。真ん中に載せようとするとキャリアの穴の位置が合わず4カ所穴開けが必要になってしまう。

後寄せ ⇒ キャリアのリアエンドとツライチ

  • キャリアのグラブバーにしっかり手が入る、降りたときの取り回しに有利、グラブバーを荷掛ループ代わりにできる
  • 着座位置の自由度が高い、背中に当たらない位置、下りのスタンディングなどで背中に当たりにくい
  • テントのポールや丸めたウェアなどなら隙間に納められる

前寄せ ⇒ キャリアのグラブバー部分にピッタリ寄せる

  • キャリア後端の隙間に手が入る、スタック時に後ろに引っ張るときの頑丈な把手がわりにできる
  • シュラフやテントなどの「太巻き」を後ろ側に固定できるスペースになる
  • ボックスにパッドを貼って背もたれにする?

どちらにするかの利点欠点はこんなところだ。
前後に寄せたときの移動幅は10cm程度だが、この10cmのスペースをどのように有効活用するかはわりと重要。加重が「センター寄り」だったり「リア寄り」だったりという違いもあるが、ボックスの大きさからすればそんなに大きな差はでないだろう。それを考えるならむしろボックス内に何をどのように入れるか(重い工具袋は前よりに入れるとか)の方に注意した方がいい。

最終的には「後ろ寄せ」に決定。林道走行することを考えて着座位置の自由度を取った。「後ろ寄せ」ということは、フロント側の取付穴を生かし、リア側に穴を追加する作業となる。

穴開け加工

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毎度お約束の現物合わせだ。フロント側を仮止めした状態でリア側のキャリアの穴の部分を鉛筆で写し取る。

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キャリアの穴を写し取る意味は、前後位置のを確定するため。穴の横方向の位置はプレートの幅で確定してしまうので変更しようが無い。つまり「既設の穴の位置から後方に伸ばした先にある、キャリアの穴に一致するところが穴開け位置」で確定できる。

固定はプレートで挟み込むように締め付ける。キャリア側の穴は広いので、ある程度ずらしても固定することができる。つまり、ぶっちゃけ精度は高くなくて良い。

位置を決めたら、φ1.5mmで下穴を開けた後、φ6.5mm で本穴開け(既設の穴はφ7mmだったが手持ちに無かった)。

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穴開け完了・・・。穴の回りが欠けて、グラスファイバがうろこ状に割れている。

FRPの成型方法は、型にグラスファイバを貼り付けつつ樹脂を塗って重ねていく。つまりグラスファイバの繊維の層がミルフィーユ状に形成される。今回穴を開けたことにより、ミルフィーユが剥がれるような割れ方をしてしまった。鉄工ドリルよくなかった?。樹脂・木材用を使えば良かったか。あるいは穴開け面にテープを貼っておけば良かったか。

やってしまったものは仕方が無いが、このまま取り付けたときに穴を起点にミルフィーユが剥がれていかないか心配だ。

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効果がどれだけあるかは不明だが、ミルフィーユの層に衝撃が入って剥がれが進まないように穴の縁を樹脂用接着剤で補強することにした。これは塩ビパイプを繋ぐときに使うものだが、カイデックスを貼り付けて仮固定するのに使っている物。

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穴の縁にしみこませるように塗るだけで無く、うろこ状の潰れを重点的に補強。念のため既設の穴も同様に補強。底になって見えない部分なので見た目を気にする必要は無い。
グラスファイバの粉末は吸い込まないようにマスクをしましょう。樹脂系の切削では基本的に同じだろうが特に繊維質のグラスファイバなので、多分、あまり体に良くないと思われる。

止水措置

取付穴にはどうしても隙間できる。そのまま取り付けたとして、梅雨時などは湿気が上がってくる可能性がが考えられる。

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5mm厚のウレタンスポンジでワッシャと同サイズぐらい(かなり適当)のパッキンを作成。締め付けることで圧縮され止水効果を狙う。

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新たに穴を開けたので、既設の取付穴はブランクになってしまう。これは裏表からダクトテープで完全に塞ぐ。樹脂やパテで埋めてしまう手もあるが、今後別のバイクに取り付けるときに流用するかも知れないので残す方針で。

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ということで念のための止水措置は施したが、バイクのトップケースは時々蓋を解放して換気した方がいいと思う。梅雨時とか結構湿気った匂いがするよ・・・。

固定

付属していた固定用のナットはファスナナットなのでネジロック材などは不要で緩み止めがかかる。ボックスのマニュアルに締め付けトルクは記載されておらず「ステーがたわむ程度で」とのことだが、たわみ始めてからガッチリと締め付けてナットが回らなくなるまでかなりの幅がある。ステーとボックスのFRPの弾性を利用して固定するものだと思うが、締め付けすぎるとボックス側のFRPが「バリッ」といきそうで加減がわからない。ガチガチに固定しすぎるのも振動によりボックス側に影響をあたえそう。

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最終的にボルトの先がナットから出るかで無いかぐらいで様子をみることにした。

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元々付けていたアイリスオーヤマのRVボックスから中身を全部移した。かなり余裕がある。

走行テスト

近所を走ってビビり音や各部に緩みなどが無いことを確認。

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作業してたら夕方になってしまったので暗いです。
やはりボックスを「後ろ寄せ」にして正解だった。キャリアのグラブバーを掴めるのは降りて押すときの取り回しに有利だ。

サドルバッグ取付

Amazonからサイドバッグが届いたので取り付けてみる。

レインカバーが不要な防水仕様で大容量の物がなかなか見つからなかった。レインカバーが必要って地味にめんどくさいんですよ。特に車両の下側なので泥はねなどもあることを考え、キャンプツーリング用として防水性と容量の妥協点がこのサイズになった。日本一周をするわけでもないので16Lで十分だろう。バイク用のバッグ類は小さすぎると入らないが、大きすぎるとバタつきが発生したりと難しい。

さっそく取付・・・・

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あ・・・

サイドバッグを吊り下げる所が無い・・・。

本来のベルトの取付箇所はキャリアの端の部分になるだろうが、キャリアとボックスがピッタリすぎて、隙間が無くなっている。横がキャリアとツライチで見た目が良いが、ピッタリさが仇となってサイドバッグのベルトを通せないとは。そこまで考えていませんでした。

さて、どうしよう?

  1. ボックスをすこし浮かせてキャリアとの隙間を作る
  2. ほかにベルトを通せそうなところを探す
  3. キャリアの縁にベルトを通すループを追加する
  4. サイドバッグを付けるときにはボックスを外す運用とする

「1.」 は、バッグの加重を垂直に支えるという意味では確実な方法。だが、ベルトといってもそれなりに厚みがあるのでその分キャリアとボックスに隙間ができてしまう。それに完全に挟み込んでしまうので一度つけたら頻繁にベルトを外すのはむずかしくなる。使わないときに横からベルトが出てるのはなんかかっこ悪い。

「3.」は現物を見ながらいろいろ考えてはみたが、なかなかしっくりくるものが思いつかなかった。キャリアに穴開け加工をするなら簡単に追加できるが、強度低下が怖いし、そもそもの基本方針である「ノーマル状態に戻せる」が前提なので標準パーツへの加工はしたくない。

キャリアの裏側にベルトを通すためのループを付けられないか考えてみた。

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ちょうど取り外したデイトナマルチパーパスバーがあったので「こんな感じに付くと良いな」の絵図だが、裏側にこういった金具をぶら下げられそうなところは見つからなかった。吊り下げるためにはボックスを固定しているようにキャリアを挟み込むような形の金具を作ることだが、ボックスはぴったりとキャリア側に接触しているため金具を挟み込むだけの余地が無い。

次点として、ドアの把手や「アイプレート」「ロングアイ」と呼ばれるものを、薄手のステンレスバンドでキャリアの縁に括り付ける方法を考えてみた。

www.monotaro.com

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図1. こんなんで行けるか・・・?

[図1. 参照]こんな感じ。

ステンレスバンドがバッグの加重にどの程度耐えられるのかデータが少ないため、慎重にトライアルを繰り返す必要がありそう。それにキャリアに生えている荷掛フックの影響で括り付けられる位置が限られてしまう。

「4.」についてはせっかく良い感じなボックスを付けたのだから最後の手段にしたい。もちろん頑丈な標準キャリアを生かすために直接積むというのは選択肢としてはアリなんだが、キャンプツーリングで鍵付きの収納があるというのはそれなりの利点があるので、あくまでボックスは付けた状態で運用することを基本としたい。

ということで「2.」でもうちょっと頭をひねってみる。

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一旦ボックスを外して試行錯誤してみたところ、写真の位置になんとかベルトを通せそうなことが解った。

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キャリアの内側は周囲の角パイプよりすこし低くなっているため、ベルト程度の厚みであればボックスを固定した状態でも端が浮き上がらない。付けっぱなしでもベルトのバックルが外側に出ないので目立たないのも良い。

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今度はバッグを付けた状態で走行チェック。
バッグにはフレームが入っておらず、中に何も入れていないとふにゃふにゃまがって巻き込む可能性がある。よって今回は折りたたんだ焚き火台と丸めたレインウェアを入れて本番環境に近づけてみた。板状のものを入れるとバッグの形が作りやすい。底側にはループがついていて、なにかバンドのようなものでサイドバッグサポートに固定できる。今回はバッグに付属していた「ショートループ」を通してみた。
今のところ問題無し。たたずまいはなかなかサマになっていて良い感じ。

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だが、サイドバッグサポートに想定外の力が掛かっていないかが気になる。

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図2. サイドバッグサポートにかかる力の方向

[図2. 参照] 本来の想定では、バッグの加重は垂直方向にかかっているべき(a.)だが、ベルトをキャリアの内側に通したことで、サイドバッグサポートに内側方向の力がつねに掛かっている(b.)ことになる。

バイクで走行する以上、横方向への力は取り除きようが無い(バンクするから)ので、この程度の加重は設計上想定されているとは思う・・・思うのだが・・・。

すぐに破損するようなことはさすがに考えられないので、様子見をしつつ使ってみるしかないか・・・。

まとめ

これで最低限欲しかった物は揃った。これでやっとキャンプツーリングの計画が立てられる。って、もう梅雨に入ってしまうので実行は秋口になりそうだが・・・。

現状での懸念事項は、やはりサイドバッグサポートの強度だろう。
デイトナのサイドバッグサポートはノーマルルックに影響を与えづらい(目立ちにくい)のが良いが、実際に付けてみたら「これだけで本当に大丈夫?」感がずっと気になってしまう。そうそうに問題になることは考えにくいし、気になるのはむしろサイドバッグを付けていない時(サイドバッグサポートが見えている時)なので、使うときだけ取り付けるというのも手ではある。が、毎回エアクリーナーダクトを外してリアショックの固定ボルトを外して・・・というのもどうか。
それならいっそキジマの方が目に見えて頑丈感がある方が精神的によっぽど良くないか?

とりあえずしばらく様子見とする。


  1. 現時点でこのカラーが日本に入ってくるかは未定とのことだが。