前回の記事、キャンプツーリング準備で、車載工具関連一式をセンターキャリアに積んでいた。
いざというときに荷物を下ろさなくても取り出せることや、ニーグリップできるという利点があるからだが、そもそも車載工具関連一式が重いという理由もあった。
車載工具といえば緊急用であって、簡易的で軽量でごく最低限なものだが、どうしてこうなった。
車載工具
自分でそろえる
まず、そもそもCT125に車載工具は(少なくとも国内版には)標準装備されていない。
・・・
たしかに、シート下に六角レンチが1本収まっている。が、これはツールボックスを開けるための工具であって・・・工具箱を開けるのに工具が必要ってなにそれ。そしてこのツールボックスには最初何も入っていない。
今時のバイクは外装を外すにしても複数種類の工具が必要になるため「つかそもそも車載工具程度じゃなんもできねぇよ」ということかもしれず、それなら最初から何も付けていないということなのかもしれないが、それはそれでこっちは困る。
どうやら時代と供に車載工具が省かれていく傾向にあるようだが、何一つ付いていないというのは(街乗りメインとなるスクーターを除いて1)CT125が初めてだ。
ともかく、付属していないなら自分で準備するしかない。いや、まぁ俺はそもそも常に自分で車載工具をそろえるけど。
CT125については、とある理由により「多少過剰と思えても良いから十分な工具をそろえる」というスタンスで選定した。
選定方法はクソ単純。
- 弄るときに車載工具袋内から使用する
- 車載工具内に無く、自室の工具箱から取り出した物=車載工具にないもの
- 2.で使用した物を買い足して車載工具袋にin ※トルクレンチとケミカル除く
つまり、今まで使った(弄るときに使用した)もの全部入りということになる。
緊急用である車載工具ということなら普通はモンキーレンチである程度カバーできるが、どうしても大きめのトルクをかけざるをえない箇所(前後アクスルシャフトなど)はメガネレンチを、ダブルナット使用箇所(ミラーなど)についてはモンキーレンチとの組み合わせの都合上スパナを個別に用意せざるを得ない。
また、最近のバイクは六角レンチが必要な箇所が多いため当然ワンセットは入れておくことになるが、意外と高トルクが必要だったり、奥の方にあったりするのでボックスレンチとエクステンションと供にソケットでそろえた。
もちろん、今のところ使用してはいないが普通に考えて必要になると考えられるプラグレンチも最初から用意している。汎用工具であれば入手性は低くないが、車種ごとにサイズが異なるプラグレンチは在庫していない店も多いからだ(それでもカブ系のCタイプ=16mmならそれなりに売ってそうだが)。標準的な車載工具にプラグレンチが含まれているのもこれが理由だろう。
ともあれ、現在の車載工具は以下のようになっている。
- スパナ
- モンキーレンチ
- スポークレンチ
- 9.5mm角用ソケットとプラグソケット
- 9.5mm角ラチェット、Tバー、エクステンション
- 差し替え式ドライバ
- ニッパー
- プライヤー
- バネ式先細プライヤー
- 金属定規(15cm)
- 六角レンチセット
- バルブコア回し
- シクネスゲージ
- マーカー
(タイヤとパンク修理関連は別項にまとめた)
ほぼ同じものを自室の工具箱に汎用として用意しているので完全な重複になる。このほかサードパーティ製パーツを付けたことで外した純正のボルト・ネジもまとめて一緒に積んでいる。
基本的によくある汎用工具ばかりでホームセンターで入手可能なものばかりだが、スポークホイールのバイクは初めてなのでスポークレンチは改めて購入する必要があった。これについてはまた別の機会に。
作業灯
工具というよりもうちょっと汎用な道具としての作業灯。工具よりもすぐに使いたいことが多いので、工具袋とは別に一七式特殊荷箱に入れている。
選択肢としては小さいヘッドライトなども挙げられるが、バイクに積んでおくならマグネットとクリップが付いた棒状のライトの方が使い勝手が良い。
こうやってキャリアの縁にマグネットで取り付けると夜のチェーン清掃作業がはかどる。
ボックス内に放り込んでおくとイザ使いたいときにボックス内を漁らなければいけない。ボックスを開けたらぱっと取り出せるところ、例えばボックスの蓋の裏などにセットできないか検討中。
この辺に固定できるならボックスを開けたときの照明代わりに使えそう。
パンク対策
CT125は前後ともチューブタイヤのため、NM4に積んでいたチューブレス用の修理キットが使用できない。GP-22交換の時にも書いたが、チューブのパンク修理は自転車ではなんどかあるし、チューブタイヤのパンク修理は3回は自分で行っているためそれなりに自信はあるが、バイクのチューブの修理はまだ未経験。なのでより過剰気味になりがち。
パンク修理関連
タイヤ外し系は以前GP-22交換時にそろえた物そのまま。このタイヤレバーはコンパクトにはなるが力をかけるとこの長さでも手が痛くなるので、これはあくまで非常用と割り切った方がよさそう。ちゃんとしたタイヤレバー買わねば。
非常用ならリムプロテクタとビードワックスは要らないかもしれないな。パンクを直すという点では修理キットとスペアチューブは重複するが、もし残すとしたらスペアチューブだろうか。チューブの裂けは修理キットでは直せない。しかし、チューブを交換するとしたら完全に一発勝負で失敗できないという不安が残る。修理キットは大して重い物ではないので、やはり両方用意しておいた方がいいか。
パンク防止剤
完全にダメ押しだが、パンク防止剤を投入した。
ただし今回投入するのはリアのみ。結構なお値段がすることと、この手の防止剤をまだ完全に信用できていないため。前後どちらかに入れるかと言えば当然、かかる負荷が大きく、脱着の手間が多く、そしてパンクの可能性が高いリアになる。
1本279gなので、バイクで1本全部、スクーター(小径)でも同じく全部、自転車で半分ということか。スクーターでも同じ容量というのは意外。でも80/90-17のCT125なら1本全部ということで良さそう。
英文のオリジナルの説明(容器に張り付いている)には「ベビーカーとかネコ車(一輪車)にも使えますよ」的なことが書いてある。そりゃまぁ使えるとは思うが。
容器のキャップにバルブコア回しがついているけど、普通バイク乗ってたら誰でもそれぐらい持ってない?そうでもない?いやいいんだけど。
説明書の通りにバルブの位置を斜め上に合わせて容器を押してみるも全然入っていかない。チューブに残っている残存エアが悪さをしているのか?それにしては手応えがありすぎる。
・・・内蓋ありますやんそら入っていかんわ(内蓋については説明書に書いてません)。ちょっとだけ出たのは内蓋に小さい空気穴みたいなものが空いていてそこから漏れ出たものらしい。
中蓋外したらそれまでの苦労が嘘みたいにスイスイ入っていきますよ。5分ぐらい悩んだのはなんだったんだ。
「300mほど走って慣らせ」ということなので、センスタ立てた状態で回してみる。チェーンの張りとたわみからやはり偏って入っているようだが、しばらくしたら遠心力で広がったためか落ち着いた。スライム状なので走り始めは偏ってこうなるだろう。
この手の防止剤はモンキー(Z50J)で投入して以来だが、あまり効果があったようには思えなかった。そのときに使ったのは白っぽい粉と水を混ぜたようなシャバシャバなもので、パンクした穴から固まらずにもれてしまうようなものだった。今回投入した「Slime」はその名の通りスライムっぽい感じでモンキーに入れた物より粘性がありそう。
実際にパンクしてみないと効果は解らない。あくまでお守り程度だが様子見で。
エマージェンシーキット
発炎筒
発煙筒じゃなくて発炎筒ね。
ホームセンターで普通に売ってる奴。
四輪と違いバイクに発炎筒の設置義務は無いが、大してかさばる物でも高い物でもないので可能な限り準備しておく。自分が事故った場合だけじゃなく、他の交通の事故で必要になったときに手元から取り出せた方が良いだろう。サイズは二種類あったがあくまで念のためなので小型の方で十分かと。
これもボックスに入れっぱなしだとごそごそ探す必要があるので、作業灯と同じく一七式特殊荷箱の蓋側に設置できるようにしたい。検討中。
応急部材・応急用品
- サードパーティ製パーツのマニュアル、外した純正のボルト類
- 瞬間接着剤
- 結束バンド
- 針金
- ダクトテープ
- アルミテープ
- ビニールテープ
- 両面テープ
- エマージェンシーブラケット
- 作業灯用の単3電池4本
- 10円玉数枚
- フッ素グリース(AZ製)
折れたレバーやペダルを応急処置する、外れかかったカウルを仮固定する、外れた部材を取り急ぎ接着、最悪は純正に戻す・・・など応急処置用のあれこれ。こんだけあればなんとかなるやろさすがに。細かいモノは写真で結束バンドが入っているケースに納めている。
でもダクトテープとアルミテープは重複するだろうか。エキパイの排気漏れの応急処置にアルミテープってのは鉄板だが、ダクトテープはカウルの応急処置に使える。ダクトテープの耐熱性ってどうなんだろう?アルミテープと違って芯を抜いて潰しても固くてかさばるので切った割り箸にまき直して小さな筒状にしてストックしている。
体温低下を防止するためのエマージェンシーブラケットはスペースが余ったから。あと最近安いのが増えてきたんで追加購入。スペアの電池はそのままの意味。10円玉は携帯回線が使えない場合に公衆電話を使うため。
基本的にケミカル類は入れないが補修の際にどうしても潤滑が必要な場合が発生した際のためにフッ素グリースだけは追加した。フッ素グリースはゴム類を侵食しない万能だがコストがバカッ高い。なんせこの小さいケースで980円だからな。どこにでも使用可能だが多用は出来ない。
あとはタバコ1箱とマッチがあると最高だな。「まずは一服して落ち着け」ってね。
積載
これだけのものをトップケースに入れっぱなしにするには流石にリアヘビーすぎる。まぁ当然なんだが。
なので、普段はトップケース内だが、ツーリングではセンターキャリアに積み替えている。毎回個別に取り出して積み替えるのは面倒なので、ひとまとめにしてドライバッグに投入し、都度ドライバッグごと載せ替えている。
ちょうど良いサイズのドライバッグが手元にあったので、可能な限りコンパクトになるよう捻じ込んでこんな感じ。
重量のあるものをセンターキャリアに固定すれば重心をセンター寄りにできる他、ニーグリップできるというのも利点だ。そのため林道ツーリングでは常にこの状態にしている。
欠点は、降りたときに足つき性がやや落ちると言うことか。CT125は足つきは悪くないが、轍が深いダートでは左右が低い場所も多い。センタードームに物がなければシートの前に降りれば足が付く場所でも、このパッケージの高さがシートと同じぐらいになるのでそれができない。
で、なんでこうなったのか
という話だが、前置きが長くなりすぎたので別の機会にするか。
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最初に所有したモンキー(Z50J)ですら、CT125より小さいツールケースに本当に最低限の内容で説明書とともに無理矢理ねじ込まれていた。そう考えると初代PCXに同じような物が一応付属していたのはHONDAの良心か、あるいはグローバル戦略車という位置づけのためか。↩