Bluetoothで山手線の乗降パターンを追跡してみた - 高木浩光@自宅の日記
仕事帰りにPlantronicsのBluetoothヘッドセットを名古屋のビックカメラで購入したとき、帰宅まで待ち切れず、名駅西口のマクドナルドで設定をした。マニュアルを見ながら設定を始めたところ、携帯のBluetooth機器リストに5台ほど携帯らしきデバイス名が表示されてギョッとした覚えがある。
BluetoothはネットワークアダプタのMACアドレスと同様、一意のアドレスを持たせ、各機器の識別に使う。というかできなければペアリングすることができない。これを利用すれば、リンク先の記事のように個人の特定を行うことができてしまう。
自分のau端末、W62CAでは、買ったばかりの状態ではBluetoothはOFFの状態になっていた。どんな携帯電話でもバッテリを食うBluetoothは出荷状態でOFFになっていると思うのだけど、帰宅時間のマクドナルドでこれだけの数が検出できたということは、Bluetoothを使っている人 ---すくなくとも手動でBluetoothをONにした人--- は案外と多いということだ。自分の周囲でBluetooth機器を使っている人は全くといっていいほど見ないが、確かに家電量販店でのBluetooth機器が並んでいる様子を見ると、それなりに浸透はしていると考えて良いんだろう。
Bluetoothの仕様上、だれかに個人特定されることは致し方がないのだけど、問題は使い方だろう。Bluetoothを使わないときに電話機側のBluetoothの起動、しかも検出受付をONにしていると、バッテリの持ちだけでなく、個人識別に使われてしまう恐れがある。使うBluetooth機器の接続方法(ヘッドセット側から接続をかけるのか、電話機側から接続をかけるのか)によりけりになるが、使わないときにはなるべくOFFにしておくのが、連続稼働時間的にもセキュリティ的にも安心であることは間違いない。
便利さとのトレードオフは、どんな技術を利用するにもありうるのだな、と改めて認識した次第。