発端
2014年12月ごろ、NM4-02のならしをかねて、浜松方面に走りに出てからの帰り道。
国道1号(R1) 豊川市国府駅前あたりを名古屋方面に走っていて、ふと「そういえば三河湾スカイライン近いな、通り抜けてR23に出て帰ろうか」と思った。
三河湾スカイラインは共に東西方向に併走するR1とR23の間にあるが、始点と終点は共にR23側の蒲郡市になる。もしR1国府駅あたりから三河湾スカイラインを通り抜けようとするなら、一旦蒲郡側にでる必要があるが、少し先のR473か県道73を経由するか、少し戻って県道31号からR23を通る必要がある。どちらにしろすこし遠回りだ。
なるほど、R1とR23のちょうど真ん中辺りを通る県道368号線から三河湾スカイラインの途中に入れる。だが、もうすこし周囲を調べたら、もっとショートカットできそうな道が見えてくる。
東三河ふるさと公園とやらの北側の国道368号を通れば、南側を迂回しなくても距離は短いし、それにちょっとした峠道っぽい曲がり方で楽しそう。というか、ルート的にはこちらの方が自然な気がするのだが。
ナビソフトでは細い道を経由しないルートを提示することが多いのでそのためだろう(とその時は思った)と考えた。こちらはバイクなので多少の道なら大丈夫だろう、と。
そんなこんなでこのふるさと公園北側のルートを通ってみることにした。
東三河ふるさと公園の前を通り過ぎて、一番奥の駐車場の入り口まで来たとき、予想していなかった事態が発生する。
道の左側半分に車止めが設置されてて、通行止めっぽい感じになっていた。「通行止めっぽい」というのは、通行止めであればその旨の標識があるはずだが、見つけられなかったから。
道が完全に封鎖されていたわけではなく左側だけなので、もしかすると逆方向から降りてくる車両は通れるのかもしれない。一方通行ならやはり進入禁止の標識があるはずだが、それもなかった。
このときは「まぁ、通れそうな気がしないし、大事をとって今回はパスしておこう。なんせ慣らし中だし」ということで別ルートで帰った。のだが・・・。
思えば、このときに証拠写真をとっておけば良かった。
「東三河ふるさと公園」北側区間
帰宅してからしばらくして「いや、まてよ?」と。
通行止めであれば通行止めの標識があるはずで、それがない以上通行止めではないはずだ。確かに半分だけ車止めはあったが、あとの半分は開いていた。あれは単に減速帯として設置されたもだったのでは?
つまり、実際は通れるのではないのか?
ふるさと公園を過ぎると、すぐに通行止めとなる。ここから山を越えた御津町金野地区までは未完成で、整備工事は長い間行われていない。灰野坂(灰野峠)と呼ばれるこの区間には金野側に神社などがあるが、地元の歩行者がごくまれに通行する程度である。
この「ふるさと公園を」〜「工事は長い間行われていない。」の部分は初版(2007年8月)から大きな変更がない。つづく部分は2008年1月に追記されたものだが、「通行止めのまま」という事には変わりない。
俺が見たときには通行止標識は無かった。もしかして、開通したとか?
ほら、通行止めの標識無いでしょ?
しかし、Web上で探してみても、この区間が開通したという情報もみつからない。
つまり・・・どういうことだってばよ?
「狐に摘まれたような」というのはこういうことだと思う。
気になる・・・。これは実測しなければ。場合によってはWikipediaの更新をしなければ。
ちょうど近くに行くタイミングができた。
先日のキャッチインライダー'z 桐山YRPである。
id:hatenadiary:1431703780
帰りがけに「三河湾スカイラインでも流してから帰ろうか」という話になり、「そういえば俺、前から気になってた道あるんだよね」という流れで、そのとき一緒に行ったグッさんと同行することになった。
実走してみよう(南側)
桐山YRPは幸田町なので、問題の道は三河湾スカイラインを走った後、前回とは逆方向になる。なので問題のルートの出口側から逆走する形で通る計画を立てた。
出口側はここ。
早速NC系姉妹車二台で楽しく三河湾スカイラインを流し、問題の地点へ。
Y字路はすこし広くなっていて、バス停とゴミの集積所がある。
『この先行き止まり』・・・はやくも答えが出てしまった。
だが、一つ気になる事が。
「この先」というのはどこなのか。
ここはまだ通行止めではないので走ることについて法的な問題は無い。なら行けるところまで行ってみたいというのが人情。
なぁに、バイクなんだし、「もう無理」と思ったら戻ればいい。
そんなこんなで気を持ち直していざ進め。限界の地へ!
うん、ムリやねコレ。
湿った落ち葉の堆積具合から、そうとう長い間車両が通った痕跡がない。そしてその先の急カーブ。
これだとこの先行き止まりがあったとしても車体を転回させる幅は無さそう。NM4はもちろん、アドベンチャー系NC700Xのグッさんですら「これは・・・転回できんだろ・・・ねぇ?」という具合。俺より腕があって走破性の高いグッさんが「ムリ」っつう道、俺がいける訳ないやんか・・・。
今ならバックで引いて下がることができる。
繰り返すが「無理」だと思ったら戻ればいい。そして、それはまさに今である。
実走してみよう(北側)
さて、南側は分かった。通れないということもまぁ分かった。しかし、北側(公園側)は今はどうなっているんだろう。
ぐるっと遠回りして東三河ふれあい公園の北側に回ってみる。
しっかりと通行止め標識がついている。この半年ぐらいで新しく付けられたか?というには、結構月日が経っているような汚れ方をしている。俺が見たのは幻だったのか?
しかし、この先どうなっているのかが気になるので、徒歩でちょっと先を見に行ってみることにする。
50mほど進むと林の入り口みたいな所にバリケードのように粗大ゴミ?が置かれている。手前に車止めがあるのでどういう意図があって置いてあるのかは不明。
さらに先に進む。
バリケードの先はすぐに舗装が途切れる。
ああ、やっぱりね。
ほぼ道じゃないやね。少なくとも車道ではない、登山道。
このときは地面は固く締まっていたが、雨が流れた跡が川のようにえぐれているので、雨が降ると泥道になることが予想される。
NM4はもちろん、アドベンチャー系のNC700Xでも結構厳しそう(オーナー曰く「KLX125だったらいけるかも」)。スクーターでも無理だろうな。徒歩やマウンテンバイク向けな感じ。ロードクリアランスが十分にある250ccぐらいのオフローダーならいけそうだが。たとえ走れたとしてもオフロード経験がない俺はちょっと不安。
まさに「未整備」。そして今後整備されそうな気がまったくしない。
結論
実走日:2015/04/29 PM
車両 :HONDA NM4-02(俺)、HONDA NC700X(グッさん)
結果 :やっぱり通行止めでした。
所感 :人生あきらめが肝心。無理なもんは無理!
Wikipediaの情報に間違いはなかった。トレッキング好きな人には楽しいルートになりそうだが、バイクは厳しい。
俺は狭い道や田舎道は大好きだが、それはあくまでバイクで走れる道だったらの話であって、特に「酷道好き」という訳ではない。なので、無理そうなダートはあっさりと諦めるスタンスである。
どっちにしろ、今回は「通行止め」なので走行は無理だ(「通行止め」は歩行者もダメだったっけ)。どちらにしろ地図上に普通の県道として載せているような道ではない。点線県道にすべきかと思われるが、通行止めにしてしまっているのでそこまで地図の発行元は把握するつもりもないのかもしれない。
ともかく、気になっていた道を実際に確かめてみて、すこしスッキリしたのは良かった。
後日談:だけど、結局なんだったんだ?
少しはスッキリしたが、まだ引っかかる点がある。
はじめて訪れたとき、俺は間違いなく「通行止め」の標識を見ていない。そのとき標識を確認できていたらこんなに気になることはなかった。Googleストリートビューで見ても標識はなかった。
今回見た写真とストリートビューの画像を見比べてみて、あれっ?と。
もしかしてこの裏向きに見えているのは、向こうから来た歩行者向けの標識ではなく、例の通行止め標識では?
角度を変えるため、ワンクリック南側に移動したときにはっきりとわかった。
この位置だと、風景が明るい感じになり、問題の標識もちゃんと見えている。撮影した時期が違うのが明らかにわかる。左上のストリートビューの撮影日に注目。
初めに見ていたのは2013年11月で、後から見つけた方が2013年9月となっている。
標識のポールの位置は変わっていないので、付け替えられたのではなく、何らかの要因で裏向きになっていたのだと考えられる。
時系列としてはこうなる。
- 2013年9月:ストビュー:(少なくともこの時までは正しい向きで設置されていた)
- (この3ヶ月の間にだれかが裏返した)
- 2013年11月:ストビュー:(裏返し状態のまま)
- (一年ほど放置されていた?)
- 2014年12月ぐらい:俺が裏返しの標識を確認。
- (おそらく道路管理者が正しい状態に戻した)
- 2015年4月29日:正しい向きにもどっていることを確認。
ミステリー:なぜ裏返しになっていた!?誰が!?
まぁ、単なるいたずらなんだろうけど。*1
*1:ちなみに、正しい状態でない状態に意図的に変えられていた(裏側になっている→「通行止」を指している道路が変わってしまっていることになる)ため、器物損壊にあたる可能性がある。