なぜホーンを変えたがるのか
ホーン(警笛)なんて、町中を走っていても使う機会なんかほとんどないくせに、たいがい「ユーロホーン」だのなんだのを付けたがる(特に国産セダン)のはなぜだ?
- ホーンって意外と安い
- ミツバ製でも2個セットで最安2000円
- 高い物は見てたらキリが無い
- ホーン交換は簡単
- 簡単。まぁ基本は配線を差し替えてネジで固定するだけだから
- 四輪はともかく、フロントフォーク周辺についている二輪は若干めんどくさい
- 簡単。まぁ基本は配線を差し替えてネジで固定するだけだから
・・・いやようしらんけど。
とまぁ、そういうことで、車買ったら「とりあえずホーン変えとこう」みたいなノリになってもおかしくは無いね。俺はならなかったけど。
とはいえ、林道など山間部を走るならホーンを鳴らす確率は高くなるわけで。
山坂道ではたまーに見る「警笛鳴らせ」の標識。
この標識があるカーブでは警笛を『鳴らさなければならない(must)』だが、状況に応じて警笛を『鳴らしても良い(may)』シーンは頻発する。
と、なるなら、多少はホーンの音を気にしても『良いのではなかろうか(Isn't it)』、と。
シングルホーンとデュアル(ツイントーン)ホーン
2個セットって別に「今ならホーン一つ買うともう一つプレゼント」ではなくて、デュアルホーン(ツイントーンホーンとも)。2個取り付けて同時にならすため。「周波数の違う音を同時に鳴らして和音を生成する」というのがデュアルホーンの意味らしい。あぁ、たまに聞く音の厚みがあるホーンはそういうことなのね。
保安基準には警笛の音量の規定あり、
「7m前方で112dB以下83dB以上」
だそうな。
ざっと調べてみたところ、市販品は110dB前後がほとんどのようだが、四輪はフロントグリルの内側に入っていたりするので7m離れて100dB程度までには減衰しそうだ。
それから、音量が一定であること、つまり「音の立ち上がりと切れが良い」こと。電車や船の汽笛みたいな奴はダメって事ね。
しかし、周波数に対する規定は無いようだ。よっぽど変な音だとか、ホーンであると認識できないような周波数帯域の音で無ければ大丈夫そう。
これらを考えると、下記の条件2点を満たすのであれば、純正から社外品に変更しても問題ないと推測できる。
- 「保安基準準拠」となっている ⇒ 音量変化がない物のはず
- 音量が純正と同じで、純正と同じ位置に取り付ける ⇒ 外装部品などによる音量の減衰は変わらないはず
あくまで「理論上は」の話だけど。
ともかく、ホーンの数については特に記述が無かった。ということは2個ついていようが1個だろうが関係ない。
二輪車用と四輪車用の違い
二輪車の標準装備としてツイントーンホーンを装着している車両の存在は把握していないが、規定上は二輪と四輪で基本的に区別されていない、つまり同じ規定が適用されるため、前述の条件を満たしていれば二輪車でデュアルホーンにしても何ら問題は無いだろう。
例外規定として「動力が7kW以下の二輪自動車は112dB以下83dB以上」というものがあるが、7kW=9.51HP なので、昔の原付一種および二種(6V車)ためではなかろうか。どっちにしろこれもホーンの装着数には関係ない。
二輪用と四輪用で違いが出てくるとすれば、規定というより機械的性能の問題、つまり耐久性・耐震性・耐水性だろうか?
市販品を探しても特に「二輪車用」として売られているアフターパーツのホーンは多くない。
こういったものはあるが、これはカタツムリ型ホーンのダクトの中に跳ね上げた水が入らないようにするためのものであって、単にダクトの前に蓋が付いただけのように見える。ハロゲンバルブのように耐震性の面から「二輪車用」とされているものはなさそうだ。まぁ、ホーン自体がダイヤフラムを振動させて音を発する物なので耐震性もクソもないし、四輪でもフロントグリルの中についているので雨風が当たる=防水性が無いなんてことはありえないが。
結論
保安基準を満たすのであれば、
- ホーンを社外品にしても問題ない
- 四輪用を二輪車につけても問題ない
- シングルホーンをデュアルホーンにしても、その逆でも問題ない
ということになる。
あ、もちろん想定外の車種に取り付けて構造上の原因から故障したとしても、当然自己責任ですがね。
あーだこーだ書いてはみたが、車検で実際にホーンの音量を測定しているわけではないらしいので、検査員が不審に感じるような、よっぽど変な物じゃないかぎり引っかかることはなさそう。
ホーン交換
ということで、近くのカー用品店でカタツムリ型のホーンを購入してみたんですよ。
今回購入した「プラウドホーン」はデュアルのセットなので、右と左で音の周波数が異なる。また、一つの取付ボルトで2個を取り付けられるよう、左右対称の形状になっている。セットで2000円程度、サイズも小型で視聴して音質が好みのものを選んだ。まぁ、片方づつ付けるので音は変わるけどね。
そう、今回はこの高音用(490kHz)と低音用(410kHz)を分けてパジェロミニとNM4それぞれに取り付ける。どちらをどちらに付けるかは現物合わせで付けられる方に付ける。どっちをつけてもよいように、標準のホーンの音量とほぼ同じ音量・消費電力のものを選んでいる、といってもホーンの仕様はどれも大して違いは無いようだが・・・(標準ホーンの仕様については、型番で検索すると一発で出てくる)。
ぱっと見で高音と低音がわかりにくいが、ホーンのラッパの中にH/Lの記載があった。正面から見て渦巻きが時計回り(写真左)がHigh(490Hz)、反時計回り(写真右)がLow(410Hz)。
NM4-02
NM4のホーンは三叉の真下、ラジエータの前に被るようについている。平型で前方を向いているが、フロントカウルに隠れているので、ホーンから発せられた音は実質下側(フロントタイヤ付近)と上側(ハンドルバー付近)から抜けて出てくることになる。
この位置であればネイキッドのように雨が直接当たることはないし、跳ねた水が上に上がってくることもないので二輪専用品である必要はなさげ。
まずバッテリターミナルを外しましょうね、と。
ホーンを外すまではよかったが、取り付ける段階で問題が2点判明。
一つは、プラウドホーンに付属のステーは薄いステンで弾力がある。弾力があると言うことは前後にブレると言うことだが、ホーンの裏にはラジエータがあるため、振動でラジエータにヒットしかねないのは非常に危険。
これについては、標準ホーンが固定されていたステー(スチールで2枚重ね)を流用することでブレにくい形とした。ステーを固い物にすると言うことは、ホーン自体の振動が抑えられ音は高音になる。なので低音側ホーンに決定。
次に、端子の向きが標準と違う。標準では向かって右側に端子が出ており、ハーネスからここにギリギリ届く長さのケーブルが刺さっている。普通のホーンなら回転方向に向きが無いので問題ないが、プラウドホーンはラッパ型なので、ラッパの口は可能であれば下向きにしたい。ラッパの向きを下にすると端子はむかって左上にでるため、ケーブルの長さが足りない。これはHighでもLowでも同じ。
端子の向きを標準に合わせようとすると、ラッパの口は真横に近くなる。ラッパの口から水が入ることは考えにくいが、もし入った場合には排水される方向に向けておきたい。さらにフォークに干渉しない位置に納めようとするやはり真横はダメだ。
理想的な向きがこの方向。この位置でもやはりケーブルがコネクタに届かない。こうなると延長ケーブルをつくるしかないな。
延長ケーブルを作るといっても平型コネクタの線を2本伸ばすだけで良いので簡単なお仕事。
コネクタのカバーは適合する物が無かった。まぁ「要は水が入らなけりゃええんやろ?」といういつもの悪い癖が出てエフコテープぐるぐる巻きの刑。
あ、あとラジエータ直近を通るのでコルゲートチューブで覆いました。 真下向きだと羽が水が入るので、若干斜めにして直接入りにくい、なおかつ排水されやすいやや斜め下向きで落ち着いた。
パジェロミニホーン交換
まずは(ry
グリルを外すと車体右側にホーンが鎮座。フレームにピッタリ張り付いている感。
普通にボルトを抜くだけで外れるが、コネクタがこんな感じにギボシになっている。プラウドホーンは平型なので、変換ケーブルを作らないと・・・またかよ。
最近電工部品が増えてきたなぁ。
サクサクと接続。
標準だとホーン本体とケーブルはキャップで防水されている。プラウドホーンにはそういったものは無いので、標準の実装方法に習って防水処置を施す。
まぁ、やっぱりエフコテープぐるぐるなんですけどね。
フレームに取付。こっちは裏側にデリケートな部品はないのでプラウドホーン付属のステーで固定。
っと、その前にホーン側の端子も防水・・・必要かどうか解らないが一応。
テープぐるぐるで相変わらず見た目は良くないがこうやって押し込んでしまえば見えないし、そもそもグリルの内側だし。
プラウドホーンは小型だが厚みがそれなりにある。グリルを取り付けてなんとかクリアランスが確保されているので一安心。
「カスタム気分」にはなれる
安上がりなカスタムで見た目の変化も当然無い。でも「いかにも軽なクラクション」感が無くなって、ちょっと気分を変えるのには良いかも知れませんね、と。