カスタムが一通り終わってから、全体を通してCT125(と自分の体力と技量)の限界を探っている状況。
そんなこんなで、CT125の前後タイヤを標準の IRC GP-5 から GP-22 へ変更した後でわかったこと。交換してからの走行距離はおよそ900km。
なお、標準空気圧で比較している。オフロードなら空気圧を落として接地面積を上げることもできるが、現状ではビードロックを導入していないため。まぁ今後も導入するつもりは無いけど。
ターマック(舗装路)
ロードタイヤからノビータイヤ(ブロックパターン)に変更した際に、舗装路走行で性能面に及ぼすと考えられるネガ要素一覧は以下。
- 最高速度低下(転がり抵抗増加)
- 振動・ロードノイズ増加
- グリップ力低下(制動距離など)
- ライフ低下
- 燃費低下
溝の幅の大きいブロックパターンであるという理屈からして、どれも『そりゃまぁそうなるはずだよね』という話である。
問題はそれらがどこまで顕著に出るか、自分がどこまで許容できるかだ。
1. 最高速度
装着前はおそらくコレがテキメンに効いてくるだろうな~、と思っていたのだけど、蓋を開けてみたら大して変わったような感じがしない。
そもそもCT125は最高速でどうこう言うような車種じゃないというのもあるが、ノーマルではメーター読み50km/h~60km/hが快走できる速度域であり、これはタイヤ交換後も変わっていない。これより出そうとすると、「まぁ、そこまで飛ばさなくてもええやん」という気になってくる。
・・・ん?ということはやっぱり最高速度に影響が出てきてるって事だろうか?
2. 振動・ロードノイズ
ロードノイズは増える。特にフロントからの音が大きくなるというか音質が変わる。しかし許容できないほどじゃない・・・というかすぐ慣れた。振動も同じで、特に快走速度(60km/h)より上まで出そうとすると、ハンドルバーに伝わってくる細かい振動が大きくなる傾向は感じられるが、近場の林道へアクセスする距離ぐらいなら大きな問題にならない。
まぁFirestorm(VTR1000F)の振動に比べたらかわいいもんですよ(基準がちょっとおかしい)。
3. グリップ力
グリップというよりハンドリングの話になってくるが、特に装着した直後つまり「皮剥き」が終わっていない頃は、特にコーナーリングに違和感を感じることがあった。ある一定のバンク角以上になると「カクッ」と一段倒れ込みやすくなるような、グリップが抜けるような感じ。おそらくトレッド面のブロックの隙間(?)に填まる位置でグリップが低下してのことじゃないかと思われるが、走行距離 100km を超えたあたりから気にならないようになった。
しかし、GP-5よりは「グリップに任せてバンクさせられる」ところまでのバンク角は少し浅い。トレッド面のカーブは他のブロックパターンタイヤみたいに平面ではなくGP-5とGP22は同じぐらいなので、理屈の上では同じぐらい倒せるはずだが、接地面の少ないパターンでおそらくコンパウンドも固めだと思われるのでそのせいかもしれない。
もちろん、ロードスポーツバイクとして乗っていない訳で、そういう走り方をするバイクじゃないと思っているんだが・・・。
これもまだ自分の中で慣れてないせいかもしれない。ターマックでの走り方はまだ見直していく必要はあるかも。
4. ライフ
まだ1000kmも走っていないから正直なところなんともいえない・・・と書きたかったが、実はリアのブロックはすでに段減りっぽい傾向がでている。仕方が無いとはわかっていたが、これは予想以上に早いかもしれない。溝の深さより段減りによる走行感の悪化により交換をせざるをえないと。
リアに対してフロントはまだまだ。現状では前後の過重差は大きくフロントにかかる負担が少ないためだが、自分の走り方ももちろん影響しているだろう。無意識にフロントに加重をかけないようにしているかも・・・。
交換と言ってもGP-22は高い物ではない。こういうもんだと諦めよう。
5. 燃費
交換前後で およその燃費は 55km/L で変わらず。下がっているとしてもほとんど誤差みたいな物。目立って低下しているようには思えない。
グラベル(不整地)
基本的に不整地では1速から2速、30km/h以下を心がけている、というか自分の力量ではそれが最大だ。レースのようにスピード(勢い)でこなすのではなく、 深い段差でフロントが底付きすることもあるのでタイヤの性能ではなく(今の自分の腕で引き出せる)CT125の限界がそこら辺なんだろうと思う。
フラットダート
そもそもGP-5でも平地のフラットダートぐらいなら全然走れるのでそこまで重視しているポイントではなかった。
しかし、あきらかに「おぉ!これは違うなぁ」と実感できたのが・・・
- 登坂でのトラクション
- ブレーキング
- フロントの安定感
の3点だ。
やはり砂利や土、砂が浮いたような場所での「噛んでくれてる感」は向上している。GP-5では浮いた小石をはじき出すことでグリップしない感じだったが、これが減った。おかげで上り坂や下り坂、ブレーキングでの安心感が増した。
坂道登りでの静止状態からの1速発進では、タイヤが空転するのではなくトルクが負けてクラッチで滑ってしまうことも多くなった。
想定外だったのは、フロントが喰い付くことで安心感が増していること。フロントが左右に「逃げる」感覚が減った。それまではリアの滑りばかりを気にしていたが、やっぱりフロントのグリップは安定性に直結するんだな。フロントの安定感はフラットダートだけでなく、古くてボロボロになったアスファルトのような道でも近いを感じる。
この写真では、もうアスファルトがアスファルトでなくなってしまっているが。
全体的に安心感が増しストレスが減っているのはとても大きい。
ザレ場・ガレ場
あらためて調べてみると、自分が「ガレ」だと思ってたのは「ザレ」だったという出オチ。
そもそも、「ガレ場」「ザレ場」と呼ばれるような「ガレた石が敷き詰めたれたような道」は今のところ近辺には見つけられなかった。。岐阜県山間部の地質的なものかもしれないが、ザレ・ガレた石が法面からの土砂崩れなどで道に転がり出しているような林道はけっこうある。
これはガレ場というより「落石の多いダート」って感じだが。崩落が一時的に覆った後土砂が撤去されたような箇所だと「ガレ場」「ザレ場」に近くなるか。
もし本来の意味での「ガレ場」に近いような場所があるとすると河原だろうか。夏から秋の車で降りれるような河原は、だいたいバーベキューやってたりするので積極的に入りたくないが。
マッド
マッドといってもオフロード界隈で俗に言われる「ゲロ場」みたいな激しいところは少ない。
皆無ってわけじゃないんだけどね。
ぱっと見わかりづらいけど、この写真の上方向に道が続いてるんですよ、少なくとも地形図上では。
この写真の場所はさすがに走破は断念。泥だけならともかくその先に溝→丸太→登りのコンボははっきり言って対処できる気がしねぇ。
ツーリング中によく遭遇するのは、部分的に泥でぬかるんでいるような所。
この程度なら十分クリア可能。ただし深くてグズグズだとやはり沈んでしまう。
めっちゃ掘れてしまう。むしろこんな路面はどんなタイヤでも降りて押すしかなくなるが、スロットルを開けながら押す(クラッチ操作レスのカブエンジンは楽)にしても、GP-5のようにひたすら滑って空回りするよりは「掘れるが一応それなりに進む」ので、GP-22の方がマシなのは間違いない。
まぁその後こうなるんですけどねー。洗車が大変。
つか、そろそろタクティカルブーツからオフロードブーツに切り替えた方が良い気がしてきた。
総括
- GP-5からGP-22に替えたことによるネガティブ要素は全体的に見て小さい
- グラベル(不整地)に関してはポジティブ要素の方が大きく、頻繁に走るならGP-22にする価値は十分ある
- ターマック(舗装路)しか走らないのであれば変える意味がまったく無い
あくまで「グラベルを走るなら」という前提が付くが、
ダートを走るならネガとのトレードオフでGP-22が勝る
これははっきりと断言できる。
逆に言えば、例えば「CT125で日本一周!」「CT125で北海道!」みたいにターマック前提の長距離ツーリングなら俺は迷わずより疲労の少ないGP-5に戻す、ということ。(そのために外したGP-5はラップを巻いて保管している)
CT125ではもっとオフロード寄りのブロックとの間隔が広くて扁平のタイヤを選ぶことができるが、GP-22はターマックでのネガが少ないことで「マルチパーパスタイヤ」的な位置づけに入るんだと思う。
オンロードはFirestormに全振りするので、CT125はこの路線のまま進める。